──今回、全員で曲を作ろうと提案したのは、Ishidaさんだそうですね。
Ishida 「1人1曲は出してほしい」「できれば1人で作詞作曲を完結させてほしい」とお願いしました。結果、全員が実行してくれたし、それが今回のアルバムの一つの核になっているんじゃないかと思ってます。
──今回作詞作曲に初挑戦したのは、YujiさんとMizukiさんですね。
Ishida YujiさんもMizukiくんも、自分が一番得意なジャンルの曲を持ってきてくれたなと思いました。
──Yujiさんが手掛けたのは「ミッドナイトブルー」で、Mizukiさんが手掛けたのは「Twilight」。やはり自分の得意ジャンルで勝負しようと?
Yuji そうですね。DTMでループのトラックを作ったことはあるけど、さっきIshidaが言っていたように今回は「完結させる」ところまで必要ということで。楽曲全体の構成まで作り込んだことはなかったので、リリースできるクオリティまで持っていくと考えると、自分が今までやってきたジャンルの曲を作るのがいいんじゃないかと思いました。
Mizuki 僕も似たような感覚です。今まで一度も楽曲を作ったことがないのに、メジャーから出す初めてのアルバムに入る曲をいきなり作るということで、不安はありましたね。だけど「僕が元々好きなUS系のポップスと、これまでやってきたギターロックの要素を掛け合わせたら面白いんじゃないか」という感じで、やりたいことは決まっていたので。あとは、Ishidaくんが普段書かなさそうな恋愛系の歌詞を歌わせてやろうと(笑)。そのあとは各工場に依頼するような感じで、「こういう曲をやりたいんだよね」と一人ひとりに伝えて、それぞれ作ってもらって、ガチャンと組み合わせて、みたいな。メンバーに助けてもらいながら作りました。
Yuji 「ミッドナイトブルー」は楽器を主体とした曲で、スタジオでセッションを繰り返しながら形にしていきました。これまでの制作で、作曲したメンバーが他のメンバーにどう指示を出しながら全体を作っていくのかっていうのを見てきたので、曲作りの順序はなんとなく身についていたし、それが道筋になって。1曲作れた経験は自信になったけど、みんなに助けてもらいながら、なんとかなったというのが実情です(笑)。
──Kotakemoriさんが今回制作したのは「期末評価会議」。会社員らしいテーマ、かつ踊れる楽曲ですね。
Kotakemori 今回分かったのは、自分、ディスコファンク的な曲が好きなんだなということ。ギターロックからR&Bやファンクの世界にやってきた人間なんですけど、中でもディスコファンクが性に合うんだなと知りました。
──Arataさんが担当しているのは「最近変わりない?」と「Atrium」の2曲です。
Arata 今年2月に配信シングルとしてリリースした「最近変わりない?」は、僕が小さい時に車の中でよく聴いていたR&B要素を含んだJ-POP……具体的に言うと、平井堅さんの楽曲などを思い出しながら、「こういう曲をIshidaさんに歌われてみたら面白いかも」という感覚で作った曲でした。「Atrium」は、みんなにある程度曲を提出してもらった段階で、自分のストックの中から引っ張り出してきた曲です。みんなが作ってきた曲がアッパーチューン多めだったので、アルバムのブレイクポイントを作るような感覚で、シンプルで、一息ついて聴けるような曲にしたいなと思いました。
──リード曲は、Ishidaさんが書いた「退職代行」です。
Ishida 僕はこれまで何社か退職経験があり、今は退職を受け付ける側の立場にいるので、辞めたい人の気持ちも、その気持ちを受け止める側の人の気持ちも分かるので。ある日、自転車に乗っている時に「退職代行をテーマにファンキーな曲を書いたらいいかも」とひらめいたんです。最初はそのコンセプトだけをメンバーに共有して、恥ずかしくなって消したんですけど(笑)、みんな僕が消す前に見ていたみたいで、「いいね」と言ってくれて。
──消す前にみんなが既読つけてくれていなかったら、この曲が生まれてなかったかもしれないと。そうならなくてよかったです(笑)。
Ishida この曲のポイントは、Kotakemori氏とArata氏もリードボーカルをやってることですね。ライブでは2人にもけっこう歌ってもらっているんですけど、音源上でももっとそうしたいなと前々から思っていたんですよ。初期の曲はボーカルもコーラスも僕の声をレコーディングしていたんですけど、途中から2人にもコーラスで参加してもらって、その比率をだんだん増やしていくという僕なりの作戦が……。
Kotakemori コーラスの重要度がどんどん上がってきているし、ライブでリードボーカルを渡してくる比率もどんどんアップしてるし。
Arata だって、ライブでもここ2人が、メインボーカルと主コーラスって時があるもんね。
Kotakemori あるある。「なんで俺が主旋律歌ってるんだ?」「あれ? もしかしたら俺に歌わせようとしてるのか?」みたいな(笑)。
Ishida さっき全員に曲を書いてもらいたかったという話をしたけど、それと同じくらい僕は以前から、2人にも歌ってほしいと強く思っていて。そしたら今回ちょうど曲のコンセプトとも合致したので、満を持してお願いしました。部下目線の1番は僕が歌って、上司目線の2番はKotakemori氏に歌ってもらって。途中ラップパートがあるから、早口で声が高くて、一部界隈からはエミネムと呼ばれているArata氏にも入ってもらおうと(笑)。
Ishida ラッパー3人組のグループみたいなイメージでやりたかったんです。レコーディング中「本当にエミネムだったね」って声も上がったりして(笑)。3人のリアルな関係性がちょうど「退職代行」のストーリーにも重なって、いい曲になったなと思ってます。
──アルバムリリース後にはワンマンツアー『#FLiNR ONE-MAN TOUR 26-27 "W.O.R.K.S."』が開催されます。東京公演の会場のZepp Shinjukuは、ワンマンでは過去最大キャパですよね?
Ishida そうですね。バンドを始めた頃の僕らからすると、東京でワンマンすること自体が夢だったし、前回ワンマンをした渋谷CLUB QUATTROなんて、サーキットイベントでも立てたらラッキーみたいな。ワンマンで立つなんて不可能だと思っていたけど、それが可能になって、今度はZeppだと考えると……まだちょっと、現実だと思えていません。でもせっかくやらせてもらえるということで、精一杯やれたらと思ってます。初日のVyPass.は僕らのホームのライブハウスなんですけど、ZeppでもVyPass.でもやるっていうのが今回のツアーのミソなのかなと。ちょっと変なツアーだよね?(笑)
Kotakemori Zeppでやるバンドがここでもワンマンやるの?って思われるかもしれない。
──頑張れば100人入るくらいの、小さなライブハウスですからね。
Ishida 僕らは熱量を大切にライブをやってきたんですけど、これから大きいところに立たせてもらうにあたって、ショーとしてカッコよく見せられるような……時にクールで、時におしゃれなライブをやりたいなと思っていて。熱量爆発みたいなライブとショーのようなライブ、どちらもお見せできるツアーになるんじゃないかと思ってます。
Good Morning(Official Live Video at SHIBUYA CLUB QUATTRO/ 20260724)
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