ニューリリースの「ダンガンマインド」、「Stray Beats」
──そして翌5月には初の全国流通シングル『ダンガンマインド』がリリースされました。表題曲はQ-MHzが手掛けており、c/w曲の「青に歌えば」は棗さんのサポートバンド・Itsuki Band作曲、棗さん作詞という充実の2曲です。
「ダンガイマインド」はとにかくアップテンポで楽しくて、ついつい何回も聴いちゃう楽曲を作っていただきたかったんです。ライブのテーマ曲は良くも悪くもメッセージ性が強くなるので、初の全国流通シングル曲では楽しさを優先していただきました。でもリリイベで披露したら、息継ぎする場所がないくらい言葉が詰まっているから歌うのが本当に難しくて……!(笑) ボーカルが重なる場所がいくつかあるので、わたしが物理的に歌えないぶんそこはぜひお客さんに歌ってもらいたいですね。
──「青に歌えば」もお客さんがシンガロングできる要素がたっぷり詰まっています。
ライブでバンドと一緒に演奏して、いちばん気持ちよく聴ける楽曲を作りたいという思いがあったので、バンドメンバーからの「こういう曲がライブにあったらいいんじゃない?」というものを提案してもらうかたちで制作していきました。初めてバンドと一緒に回ったツアーが夏だったのでその思い出が強く、“夏=青”をテーマに歌詞を書いています。みんなで共有することをイメージしていくような作詞でしたね。
──そして6月の「ファンミーティング2025『Stray Beats』」では同名の楽曲をリリースしました。歌詞に棗さんらしさはありつつも、月蝕會議の作編曲によりファンクのテイストを盛り込んだ新しいアプローチになりました。
「一緒に前に進んでいこう」というチーム感が出たらいいなと思いながら制作していきました。これだけの尺のラップっぽい歌詞を書いたのは初めてだったので自信がなかったんですけど、月蝕會議のエンドウ.さんに「いいと思います!」と言っていただいて、ほんとに大丈夫!?って(笑)。レコーディングでもっと聴こえやすくなるように調整していただいて、完成形に至りました。ファンミで初披露だったので、割と安心して冒険できましたね。
LIVE TOUR 2025『VOYAGERS』テーマソング「逆行自我」、ライブツアーに向けて
──そして7月12日、「LIVE TOUR 2025『VOYAGERS』」直前にリリースされるのがFeryquitousさんが手掛けたデジタルシングル「逆行自我」です。
Feryquitousさんはわたしがこの事務所に入る前からお付き合いのある作家さんで、今回のツアー「VOYAGERS」のテーマ曲をお願いしました。多分この曲をリリースしたら、ファンのみんなはざわつくだろうなとは思っているんですけど(笑)。
──そうですね。かなり攻めた楽曲ですし、歌詞も意味深で。
今までのライブのテーマ曲にはわかりやすいものが多かったので、今回はみんながどう解釈したらいいか悩みそうな曲を目指しました(笑)。もちろんFeryquitousさんとわたしのなかで歌詞のテーマははっきりしているんですけど、ライブが終わるまでみんなにずっと意味を考えてほしいですね。正解はひとつではないので、どこをどう拾ってどう解釈するのか、どういうふうに受け取ったのかを自分なりにあっためておきながら、ライブに来ていただきたいです。コール&レスポンスできる箇所もあるので、ぜひコーレスしてほしいですね。リズムが難解でキーも高いですけど(笑)。
──(笑)。いまの棗さんはアーティストとしてかなり脂が乗っていることが楽曲からもうかがえます。初の海外公演を含む5公演、どんなツアーにしたいですか?
前回のツアーは楽曲に込めた思いを詳細に伝えたりとMCにも力を入れたんですが、今回は海外公演も含んでいるので、音楽を通して一緒に自然体で楽しむことを大事にできればと思っていますね。みんなわざわざ会場にまで足を運んできてくれるんだから、ライブでしか味わえない現象を作っていけたらなと思っています。札幌には同じ事務所の藍月なくるが参加してくれるんですが、彼女は人前に出るのがあまり得意じゃないんです。でも美味しいものが大好きなので、「札幌に美味しいもの食べに行こう」と言ったら快諾してもらえました(笑)。
──ファイナルはJ:COMホール八王子。棗さんのキャリア史上最大規模のライブです。
最大規模とはいえ今の時点では意図的に東京公演だけ特別扱いしようとはあまり考えていないですね。けど前回のツアーで、ライブを重ねるごとにアップデートをしていけた感覚があったので、今回のファイナルもツアーを経たライブをお見せできると思います。わたしは性格上しっかりと準備に力を入れたいタイプではあるんですけど、その場の雰囲気やそのときに湧き上がった気持ちやノリをパフォーマンスに反映したいですね。そのためにも余裕が必要だなと思っているところです。わたしが気負っていなければお客さんも楽しみやすくなるだろうから、とにかく楽しみたいですね。
PRESENT
サイン色紙を2名様に!
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