BONNIE PINK、デビュー30周年記念ライブをLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催!「ファンの皆さんとお祭りみたいな感じで一緒に楽しめたらいいな」

インタビュー | 2025.07.11 18:00

──そして、2015年に渋谷公会堂で行ったデビュー20周年ライブのMCで結婚の報告をして、妊活から育児に専念する時期に入りますが、この30年間でコアな自分は見つかりましたか?
18、19歳の頃は哲学的なものの言い方がかっこいいって思ってたんですよね。男女云々の恋愛じゃなくて、人はこう考え、悩み、こう生きていくべしっていう、だから、すっごい暗いことも書いてたんです。私、10歳から日記や詩を書いてたから、10代の終わり頃は特に荒んでて。何かあった?っていうぐらい暗かったんですけど(笑)。
──あはははは。
デビューから『Evil and Flowers』までは自分でも「大丈夫か?」って言ってあげたくなるくらい不安定な心情を歌ってる曲が多くて。もちろん、今も、人間関係がうまくいかなくて、苛立ったり、落ち込んだりすることもあるんですよ。意外と打たれ弱いので、ちょっとしたことですっごい落ち込むけど、それをそのまま書いてたのが10代。仕事で詩を書くようになってしばらくして、やっと箱に1回しまえるようになった。ちょっと眠らせといて、クールダウンしてから、つまんで出してみる。そのクールダウンの期間に私はどういう着地点にたどり着いたのかを冷静に俯瞰で見ながら書くっていうスタイルが徐々に増えたかなと思いますね。

「Evil and Flowers」(1998年リリースの3rdアルバム『Evil and Flowers』表題曲)

──昨年の年末には、恒例となったビルボードライブ公演で、2000年にリリースされた4thアルバム『Let go』の再現ライブを開催しましたね。ボニーさんが27歳の時の作品でした。
私、自分でやってて感動しちゃいました。再現ライブっていいなって思って。アルバム全曲プラス、ミッチェル・フルームとレコーディングした「New York」っていう、ベスト盤にしか入ってない曲をおまけで付けて。それでちょうど完結するという尺だったので、ビルボードライブ公演の尺に収まるアルバムを再現するのは今後もやりたいねっていう話にもなりました。再現だから、なるべく忠実にやらなきゃいけないし、リリース当時よりもギターも歌も上手くなっていたいという気持ちもあって。結構、気合い入れて頑張ったので、もうこれで終わりなのかっていう寂しさがありました。そんなに『Let Go』のツアーばかり何回もできないから。
──ボニーさんはアルバムでデビューしてるし、『アルバムアーティストだ』と評されることも多かったです。
そうですね。アルバム制作という、最初から最後まで流れで物語を作るようなスタイルがずっと好きでやってきたから、それをそのまま再現するライブはいずれやりたいと思ってて。それが30周年目前に叶って、最高に楽しかった。アルバムはまだあと12枚あるから、再現ライブも吟味しつつやっていきたいなと思ってます。
──続いて、2025年に入り、アニバーサリー企画第1弾として4月から6月にかけてアコースティックツアー「Tiny Kitchen Tour」を回りました。
私と鈴木正人(Ba & Key)さん、小川翔(Gt)さんの3人だけでやったので、より声がフィーチャーされる。喉の状態をキープしないといけないのはバンドの時も同じなんですけど、やっぱり音数が少ない分、よりプレッシャーと緊張感は増すなと感じました。でも、お客さんが優しい目線で見守ってくださっている中で歌わせていただいていたので、すごく心地よかったですね。小川さんとのツアーも初めてとは思えない安心感があって。二人とも毎回プレイをちょっとずつ変えるサプライズをくれたりするので、私も楽しめました。本数も少なかったので、1本1本、1曲1曲を丁寧に3人で紡ぎあげるようにやらせてもらって。またこの編成でやりたいという気持ちになってます。『ボニーの声がダイレクトに届くからよかった』って言ってくださったお客さんも多かったので、バンド編成のライブとはまた別ものとして、season2、season3と続けていきたいなと思ってます。
──そして、今年の9月21のデビュー日にはLINE CUBE SHIBUYAにて、30周年記念ライブ『Grand Kitchen』が開催されます。バンドメンバーは20周年記念ライブと同じく、bad bad boysとなりますね?
その通りです。そこに、コーラスで真城(めぐみ)さんに入っていただきます。いつも女性ボーカリストは私以外にいないのが常なので、真城さんが1人いてくださるっていうのがすごく心強くて。コーラスを重ねてうまみが増す曲がいっぱいあるのに、それをライブでなかなか再現できなかったから。
──そうなんですよね。ボニーの曲といえばコーラスワークの多彩さも大事な要素なのに。
だから、今回はハーモニーで聴くような、そこがうま味というような曲も選曲できるなっていうのが楽しみですね。あとは、バンドメンバーとはついこの間、NHK『The Covers』の収録で久々に会って。「9月、またよろしく」みたいな感じで別れたんですけど、みんなとは年に1回か2回、会うか会わないかみたいな感じなんですよ。特に奥野(真哉)さんは毎年会っているとも限らなかったりするので、久しぶりだねっていう話をして。皆さん、「久々だし、頑張ろうね!」と言ってくださったので、私も気合い入れて挑みます。
──どんなステージになりそうですか。
30周年のライブなので、皆さんの記憶に強く残っている曲のチョイスが多めにはなるかなと思います。あと、ちょっと今、勝手に考えていることはあります。
──それはなんですか。
特にビッグゲストはいないんですけど(笑)、『Tiny Kitchen』ツアーでジャネット・ジャクソン「Escapade」をカバーしたんですよ。それが楽しかったので、カバーもやりたいなと思ってます。
──新曲は?
やります!まだ披露してない初出しの曲をやるので、ご期待ください。ただ、キーが高いから、歌うのがちょっと大変な曲なんですよね。サビーでバーンって爆発するタイプのダイナミクスの激しい曲。ちょっと切なくてロック寄りの曲だから、今の人たちが聴いたらエモいって言うのかもしれない。
──「A Perfect Sky」が今、10代の子にエモいって言われてます。
不思議ですよね。去年、どなたかが振り付けをつけてくださったことでTikTokで流行ったみたいで。小学生の娘の同級生が、その娘の母が書いた曲とは知らずに家で聴いて、『この曲、エモいんだよね』って言ってたって。その子のお母さんから聞いたりして。世代超えてきた!という驚き。しかも、私は割と最近の曲だと思ってたら、もう20年経ってて(笑)。でも、未だに夏が来ると聴いていただけてるので、書いてよかったなぁって思います。だから、もちろん「A Perfect Sky」も歌いますし、ちょっとロックサイドのボニーも聴いてよっていう感じのアプローチで行きたいかなぁって思ってます。
──最後に会場に足を運ぶお客さんにメッセージいただけますか?
とりあえずは、ベスト盤『Every Single Day -Complete BONNIE PINK』を予習がてら聴いといてください。
──でも、あれは1995〜2006年、「A Perfect Sky」までのベストなんですよね。
そこから20年経ってるから、その後もちょいちょい、いいのがあるよっていう話なんだけど、最近の曲は小耳に挟んでいる可能性があるじゃないですか。でも、初期の曲は自分から向かっていかないと出会うチャンスがない。だから、もし初級編みたいな感じで予習してくださるんだったら、『Every Single Day』がいいかなと思う。そこを入り口に、他のアルバム聴いてもらえたら嬉しいですけど、13枚もあるんで、これを聴いてきてって言えないんですよね。まだなんの曲をやるかわからないから。だた、『Let go』は去年、再現ライブをやっちゃったので、そのアルバムの中の知る人ぞ知る曲が聴ける確率はだいぶ低いということだけは言えるかもしれない。でも、いつもそうなんですけど、今の心境で選びます。今、私が歌いたい、今、私が聴きたい曲を選びつつ、意外な曲をカバーしたいなぁって思ってますので、ぜひ遊びに来てください。

PRESENT

Let go キャンドルセット&Tiny Kitchenマグカップをセットで1名

※転載禁止

受付は終了しました

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