レトロリロン、メジャーデビュー曲「UNITY」リリース、5月30日からはツアーもスタート!メンバー全員にバンドの今を聞いた

インタビュー | 2025.05.12 18:00

──それが5月7日にリリースされたメジャーファーストシングル「UNITY」。どんな曲を作ろうとしたんですか、メジャーデビューにふさわしいものとして。
涼音メジャー一発目の大事な曲で、おそらく何回もここに立ち戻って考える曲になるだろうということと、僕の中では『インナーダイアログ』から『アナザーダイバーシティ』までを、まるまる1曲にまとめた曲を作るというテーマがありました。だから歌詞をちゃんと見てもらえたら、今までの曲が出てきたりして、それに沿って作れたなと思います。それと、自分に対して曲を書いているというスタンスは今まで通り変わらないんですけど、今までは自分から見た自分で書いていたのが、「自分から見た何か」という歌詞が初めて、最後の4行に入ったなと思っていて、そこの4行が今までとは違う視点になっていると思います。
──ずっと「僕」が主人公だったのが、最後に「君」が出て来るところですね。
涼音それは意図して入れたんですけど、僕の中ではちゃんと組み立てて、書きたいことを考えて書いた曲ではありますね。スタートというよりかは、1作目に終わりを置きたかったんですよ。普通だったら、ここから心機一転みたいな心境で書くと思うんですけど、僕は、今までの三部作の流れを汲んで1作目を出したかったというのはありました。
──メンバーそれぞれに聞きましょう。「UNITY」はどんな曲なのか。
永山これまでレトロリロンで大切にしてきたのは、「いかにお客さんに歌詞を届けるか」ということ。「レトロリロンのドラムとはこうだ」というものが詰め込めた曲なのかなと思います。シンプルなんだけど感情を入れるというか、同じフレーズでも気持ちが入っていると全然変わってくる。それは数値的にはわからないけれど、これまでのレコーディングで身につけてきたものなので。その上で「UNITY」は、これまでのレトロリロンのやり方をまとめた印象なんですよね。たぶんライブでやっていく中で、よりパワーアップしていく曲だと思います。

レトロリロン - UNITY(Official Music Video)

飯沼間違ってたらごめんなさいですけど、僕の解釈を言っていいですか? 涼音が言ってくれてたのは、「UNITY」は『インナーダイアログ』『ロンリーパラドックス』『アナザーダイバーシティ』を一つにまとめたということで、その三部作にはテーマがあったんですよ。『インナーダイアログ』は自己との対話、『ロンリーパラドックス』は自己と対話を経た後に社会に出てどう一歩を歩き出すか、そして『アナザーダイバーシティ』は、社会の多様性の中でどう生きていくか。「UNITY」は、それを本当にわかりやすく感じる歌詞だと思うんですね。例えば一行目の、カギカッコに入った言葉は自分に対して言ってるんですよね。そこで自分と対話をして、そのあとの“不安で仕方がない”のところは、社会に出た後に感じてしまう感情のことで、歌詞の最後には多様性というか、いろんなものがある中でどうやって生きていくか?というものがちょっと見えてくる。そこで“君”という言葉が出て来て、次に繋げていくという、三部作を経た上で次へのバトンも残してあるのが面白いと思って聴いてます。
──それは素晴らしい解釈ですよ。
飯沼これまでの作品の要素が詰まった上で、メジャー1発目として次に繋げるような曲でもあるのかなと感じた1曲です。どれだけ考えても涼音の真意にはたどりつけないと思いますけど、それがまたいいんですよね。いい曲です。
涼音今回は、いつもの10倍ぐらい考えて書いてるから。真意を言ったら「ええっ!?」ってなるところはいっぱいあると思うけど(笑)。
miriそういうの、教えてほしいけどね。
涼音あんまり言いたくないんですよ。僕が言葉にして伝えちゃうと、解釈がそこに固まっちゃうから。メンバーそれぞれがどう感じて、自分の中でどう噛み砕くかというほうが大事だから。お客さんもそうで、曲を聴いた人がどう思うかが大事だから、そこで新しい解釈が生まれるのを、僕も楽しんでるんで。
飯沼この曲は本当に面白いですよ。
miriピアノ的には、新しい挑戦はしていると思っていて、今までは、例えば歌がブレスをするタイミングでピアノのフレーズを入れたりとか、追っかけっこをしたりとか、メロディにかぶせていく感じでフレーズを作っていたんですね。だけど今回は、メロディが切れるタイミングで一緒に切れたり、メロディが始まるタイミングで同じ動きをしたり、そういうピアノの動かし方をしていて、一緒に感情を乗っけていくみたいな、それをやってみたのが新しい挑戦でした。
──ああー。言われてみれば確かに。
miri私は難しい言葉を全然知らなくて、あまり理解ができないタイプなんですけど、そんな私でも伝わるような、シンプルに入ってくる言葉がたくさんあって、サビでは特にそれが多いので。自分も歌詞と一緒に動いていこうと思って、そういう旋律をやっているんですよね。マニアックな部分ではあるんですけど、だからこそ歌を後押しできるというか、歌詞をちゃんと聴かせることができたと思います。歌詞と歌詞の間にピアノのメロディが入ると、そこに耳を持っていかれると思うんですけど、それをしたくないなと思って、一緒に動いていくラインにしたという挑戦が自分の中ではありました。
──それは、めちゃくちゃ大事なポイントですよ。
miriあと、印象に残ってるのが間奏のピアノ。あの部分をどう作ろうかな?と思っていた時に、涼音が「ピアノ一本で行ってみよう」と言ってくれて、それは今までなかったことなので、すごく新鮮でした。サビが終わって、そこに隙間ができた時に、聴いてくれる人が自分と向き合う時間を作れたというか、涼音がそれを提案してくれたことが、この曲にとってすごく良かったなと思いますね。
涼音インナーダイアログ、ですかね。
miriそう。自己との対話ができる部分が、あそこなのかな?と思います。
──過去の集大成であり、新たな挑戦も詰め込んだ大切な曲。涼音さん、タイトルの「UNITY」に込めた思いは?
涼音今まで英語のタイトルは少なかったというか、意図して使わないようにしていたんですけど、僕の中では、英語の大文字で曲にタイトルをつける時は、大事な時なんだろうなという感じがあって。「TOMODACHI」もそうでしたけど、僕にとって「UNITY」は重要な曲名で、でもみんなにそのタイトルを言った時は、「ん?」みたいな感じだったんですよね。「英語なの?」みたいな。
飯沼あんまり聞かない言葉だなと思ったので。
涼音僕の中では、それしかなかった。そもそも「UNITY」という単語が、単一であるという意味と、全体であるという意味が両方ある、不思議な単語なんですよね。「一つでもあり、全部でもある」という意味があって、これまで作ってきた三部作の中で、『インナーダイアログ』で歌った、単一である=一人であることの大切さと、『アナザーダイバーシティ』で触れた、全体の中でどういう個であるか?という大切さを、この曲の中ではテーマにしていたので、これしかないなという感じでした。しかも、「UNITY」には「結束」という意味もあって、レトロリロンのチームがメジャーに入って、より結束してレトロリロンを動かしていくという意味もありますし、「TOMODACHI」=ファンの人たちと一緒にレトロリロンを大きくしていくという意味もありますし、でもそれはレトロリロン全体ではなく、単一である一人一人がいることでレトロリロンができているという意味にもなりますし、今の自分たちの状況に必要な言葉だと思ったので、タイトルをこれに決めました。
──これしかない、メジャーデビュー曲だと思います。そしてリリース後の5月30日からは、早くも次のツアーがスタート。「RETRORIRON ONE-MAN ROAD TOUR 2025 -SUMMER-」は、これまでにワンマンをやったことのない土地を回るツアーだと聞いてます。
涼音去年初めて東名阪でツアーをやって、今年の春は初めて7大都市を回ったんですけど、もっと行けるところもあるんじゃないか?と思ったので。と言いつつ、北関東が多いんですけどね。
飯沼日帰りできる感じで(笑)。
涼音大都市に住んでる人たちも来れるし、「やっと自分たちのところに来てくれた」と思ってくれる人もいるだろうし。追加公演の京都も決まったので、より多くの人に来ていただけるように頑張ります。
──どんなライブにしますか。したいですか。
永山SNSでエゴサすると、「ここに来てほしい」みたいな希望が結構あって、そういう人たちに届けられるのが楽しみだし、全国各地でお客さんの雰囲気が違うので、自分たちも新しい経験ができると思います。行ったことのないところで、「こういうふうに聴いてくれてるのか」と感じながら演奏すると、パフォーマンスもすごく変わってくるので、この「ROAD TOUR 2025 -SUMMER-」では、また自分たちがすごく成長できるかなと思ってます。
miri「UNITY」の意味で言うと、レトロリロンのライブは一人でも楽しめます。一人で来るお客さんって、結構不安だったりするじゃないですか。でも全然楽しめちゃうし、楽しみ方も自由だし、みんなあったかいので気軽に来てくださいっていう感じです。初めてライブに来る人も楽しめると思うので、ぜひ来てほしいです。
飯沼笑いあり、涙あり。前回のツアーも、初めてレトロリロンのライブに来たという人が多かったので、今回も初めての人にたくさん来てほしいです。

PRESENT

サイン入り「ONE-MAN ROAD TOUR 2025 -SUMMER-」ポスターを1名様に

受付は終了しました

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