モノブライト 桃野陽介にインタビュー。再始動後の心地よい変化。バンドとしての「深み」と「新たな挑戦」を語る

インタビュー | 2026.10.09 18:00

活動休止から8年、新ドラマー・岩中英明が加入した4人で、2025年7月に本格再始動。東阪クアトロでのワンマンツアーや、新曲の発表(最新シングルは10月7日(水)デジタル・リリースの「たわむれ」/再始動以降6曲目)といった活動を行なってきたモノブライトは、2026年5月から対バンシリーズ『SECOND PRIMAL』をスタートさせた。本日10月9日時点で、渡會将士、モーモールルギャバン(東阪)、 POLYSICSとの対バン、計4本が終了している。残すは10月16日恵比寿LIQUIDROOM(w:フラワーカンパニーズ)と、10月24日大阪BIGCAT(w:Have a Nice Day!)の東阪ツアーファイナルの2本となった。この対バン企画自体のこと、これから行なう東阪ツアーファイナルのこと、新曲「たわむれ」のことなどについて、桃野陽介に訊いた。
──対バン企画『SECOND PRIMAL』は、どんな感じで始めたんでしょうか。
もともと『SECOND PRIMAL』っていう企画は、お世話になった人に挨拶回りをしたいっていうのと、同世代の人たちと、改めてその世代を盛り上げていこう、っていう気持ちで始めました。手応えとしては、再始動後のモノブライトを紹介しつつ、対バン相手のお客さんにも改めて挨拶ができてるかな、という感じですね。対バンのライブを観て、やっぱりみんな、磨きをかけてきたんだな、っていう。モノブライトは活動休止をしていたので、対バンのアーティストたちの「続けることの強さ」を、まざまざと感じながら、どうやったらそこに追いつけるか、っていう気持ちで挑んでいるというか。

モノブライト/渡會将士(2026年5月29日(金)Shibuya eggman)

モノブライト/モーモールルギャバン(2026年7月23日(木)Live House ANIMA)

モノブライト/POLISYCS(2026年9月4日(金)渋谷WWW)

──このテキストが出る頃には、渡會将士、モーモールルギャバン、POLYSICSとの対バンが終わって、あとはフラワーカンパニーズとHave a Nice Day! ですよね。
はい。フラカンさんは、ツアーに呼んでもらったりとか、こちらが呼んだりとか。最初の頃からお世話になってるのが、怒髪天とSCOOBIE DOとフラワーカンパニーズで。特にフラワーカンパニーズは、いちばん最初の、右も左もわからない状態の時に「ライブっていうのはこういうものなんだな」っていうのを、教えてくれたバンドですね。だから、やっぱり目標というか……モノブライトを始めた頃に「メンバーが変わらずに活動を続けることがいちばんの才能だ」と思っていたんです。それを目指していたんですけど、そうはいかなかった。そういう意味でも、よりフラカンさんを尊敬している、という感じですね。
──フラカン、中学高校の同級生で組んで、37年そのままのメンバーですもんね。
そうそう。フラカンさんの音楽、年々刺さってきますしね。昔、一緒にやっていた頃よりも感じるものが多い。デビューして、よくお世話になっていた頃に、フラカンさんは『たましいによろしく』というアルバムが出ていて。僕、それをよく聴いていて。「この胸の中だけ」っていう曲が……その頃まだ20代でしたけど、すごい刺さってくるものがあって。ライブでフラカンさんがその曲をやると、泣いてしまうので、観ないようにしていたぐらいなんですけど。今聴くと、その頃以上に刺さってきますね。だから、昔お世話になった人にも「元気にまたやらせていただきます」っていう宣言みたいなものを、ちゃんと見せたいな、って思っていますね。
──で、その次のHave a Nice Day! は、共演は初ですよね。
そうなんですよ。去年、ライブを観に行かせてもらった時に、一目惚れして。今まで自分がやってきた、ライブバンドの感じとはまったく違う……クラブ・ミュージックを意識したバンドのやりかたというか。でも、ハバナイの浅見くん(Vo.)と話してみたら、意外と共通点があって。歳もひとつしか違わないですし、音楽のルーツが近いところもあって。New Orderが好きだったりするのは共通なんですけど、そこから先は、彼はヒップホップとかに進んで、僕はバンドもの、OasisとかBlurに進んで。でもやっぱり、同世代の感じっていうのが、すごく伝わってくる。聴いていると、なんかこう、懐かしいような、むずがゆいような、楽しさがあって。それで今回声をかけたっていう。
──会ったのはライブを観るより前?
前です。共通の知り合いがいて、その人と浅見くんが飲んでいる時に合流したんですけど。イメージだと、ああいう音楽性の人たちって、絶対モノブライトのこと、好きじゃないだろうな、って、勝手に思っていて。でも、こっちは興味あるから行ったんですけど、思いのほか喋りやすくて。いちばんびっくりしたのが、去年、僕と同じタイミングで『ハリー・ポッター』を初めて観た、っていうこと。そんな人いるんだ? と思って(笑)、嬉しくなりました。
──今観たのはなぜ?
浅見くんは、原作も読んだって言ってましたけど、僕はもっと不純で。USJに行ったら『ハリー・ポッター』のアトラクションが楽しすぎて、これは映画をちゃんと観ないとな、と思ったんです。そんな共通点まであって、今回の中では唯一初めて対バンする相手なんですけど、気持ち的には勝手に近い感じがしています。
──それから、10月7日(水)に新曲「たわむれ」が出ますが。
はい。再始動してライブをやり出したので、ライブに対する意気込みを感じさせる曲も作りたいな、と思って作りました。その意気込みは特に歌詞に反映されていて。とにかく、みんなとじゃれて楽しむっていう、ライブにおいて基本に考えていることを歌いました。音楽的には、これまでモノブライトがやってこなかったシティポップ、ソウルの要素を取り入れて作りました。

昔はギターは歪めば歪むほどかっこいいと思ってたものが、だんだん、音がクリーン・トーンでも面白いと感じるようになって。松下(Gt.)のクリーントーンが面白いのも分かってはいたので、今回は積極的に入れられるような曲にしようと。そういうところは、けっこう昔と違うかもしれないですね。自分のやりたいことばかりで、バンドのことを考えてないのが昔だとしたら、今はみんなの音を知っている分、こういう曲にそれぞれの音をはめたらどうなるだろう、みたいな興味が出てきました。メンバーと一緒に作品を創り上げる感覚が、昔よりも多い気がします。
──そういえば以前、桃野さんご自身のソロよりも、モノブライトの方がどんどん曲ができる、とおっしゃっていましたよね。
ああ、はい。
──メンバーの演奏力や指向性だと、書ける曲が限られる、自分がやりたいことができない、というので、バンドからソロになる例を沢山見てきたので。バンドの方が書ける、というのは、珍しいなあと。
なるほど。活動休止したのは「モノブライトで作る作品が浮かばなくなったから、ソロをやる」っていう考えだったんです。だけど、ソロだと書きたい曲は自由に書けるけど、ジャッジしづらい部分があったんですよね。自分で納得いくものをどれだけ作っても、それがどうなのか、俯瞰で言ってくれる意見って、メンバーがいなくなると減っていって。だから、これがどう面白いのかは、自分ではわかってるけど、人への伝え方が難しいな、っていうのはありましたね。これ、どう伝わるんだろうな、なんて思ったりして。悩みながらもソロでアルバム2枚とミニアルバム2枚を作って、ひとしきりやれたと思っていたタイミングで、モノブライトのメンバーと再会して。すごくいいタイミングでした。この状態でまたモノブライトをやったら、さらに面白い曲を書けそうな感覚がありました。
──で、ライブをやってみたら……僕は2月19日の渋谷クラブクアトロを観て思ったんですけど、あきらかに休止前よりも演奏と歌が良くなっていて。
そう言ってくださる方が、結構多かったので有難いです。それはたぶん、活動休止中にリズム隊がえげつなく修行をした結果だと思います。出口(Ba.)と岩中(Dr.)が、サポートを沢山やってきたので。そこで技術が底上げされたのもあるし、僕も、昔と違ってちゃんと歌うようになったんで。昔はもう「とにかく何かを残そう」みたいな気持ちが強くて。派手に動いて印象を残さないと覚えてもらえないだろうな、と思っていました。とにかくライブは暴れてたんですけど、今はちゃんと楽曲に向き合えるようになったな、と思いますね。あと、大きかったのが、岩中が入ったことで。
──ああ、ドラムが正式メンバーだとね。
それもあるし、ソロも含めて、今まで僕が一緒にやってきたドラマーって、なんて言うんですかね、わりと装飾的な音を重視するタイプというか。よくある昔のロック・ドラマーの喩えで言うと、ミッチ・ミッチェル・タイプか、ボンゾ・タイプか、みたいな話、あると思うんですけど(笑)。どちらかというとみんなミッチ・ミッチェル・タイプだったんですね。(※ミッチ・ミッチェルはジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのドラマー、ボンゾことジョン・ボーナムはレッド・ツェッペリンのドラマー)。
──タムやシンバルを多用してハデに叩くタイプか、低音がドーンと来るタイプかの違い。
そうそう。上で華やかに回す、そういうタイプのドラマーとやってきたな、と思って。それに比べると、岩中はボンゾ・タイプというか、基本的に重心が低くて、土台がドシッとしたドラムを叩くので。そうなると一気に楽曲が加速するというか、安定するというか、ちゃんとリズムでノリを作ってくれる、っていうのがあって。あとはもちろん、休止期間中にデーさん(出口)もすごい上手くなっていて。以前は僕と同じというか、まずパフォーマンスがある、主張があるタイプだったと思うんですね。だけど、今はパフォーマンスのためにベース・プレイがおざなりになる、みたいなところが完全になくなって。ほんとに、信じらんないぐらいボーカルを聴いてるな、というプレイになったんじゃないかと感じます。そういう意味で、今は土台がバチッとあるんで。松下とは「ちゃんとビートが出てるから、極論それだけで成立しちゃうね」と、よく話しています。だから、ソロよりもモノブライトの方がやれることが増えた感じがしますね。

「ジャンピンジャックフラッシュ」Live Video(2月19日 渋谷クラブクアトロ)

──ここまでライブをやって来て、お客さんの受け止め方って、どう感じていますか?
そうですねえ……あの、僕らがお客さんを評価するのはどうかなって思うんですけど、昔って、わりと一辺倒だった気がするんですよね。一斉に手を挙げるとか、お決まり事のような動きをすることが多かったと思うんですけど。でも今は、モノブライトが活動していなかった間にも、お客さんみんな、きっといろんな音楽に触れてきただろうし。だからお客さんもすごく成長していて。踊りたい人は踊るし、じっとしてる人はじっとしてるけど、楽しんでるのは伝わってくるというか。自分なりの楽しみ方をちゃんと知っている感じがして「再始動してよかったな」っていうのをすごく感じています。「お互い成長してきたんだな」という。客層もけっこう変わった感じがしていて……活動休止前は女性が8割ぐらいだったのが、今は男性も増えていて。その男性も思いのほか若い方が多くて。
──8年動いてなかったのに。
モノブライトのSNSで、過去の、「踊る脳」って曲をTikTokで聴いて、初めてモノブライトを知った人とか。Have a Nice Day! のお客さんとか、若い人も多いので、そういう人たちにもモノブライトを聴いてもらおう、という目的もあったんですけど、一緒にやる前から、もうそういう状態になっていて。

『踊る脳』MV

──対バンツアーを終えた後のご予定は?
まだ具体的な予定はないですけど、新曲をずっと作っているので、まとめて作品という形にしたいなと。そうなると、自然と「ツアーもやりたいな」とか考えています。再始動してからのライブ、東京と大阪だけで、故郷(札幌)で、まだやっていないですし。

PRESENT

メンバー全員のサイン入り『SECOND PRIMAL』タオルを1名様

※転載禁止

X応募方法

①DI:GA ONLINEの公式Xアカウントをフォロー
②表示されている投稿をリポスト(リツイート)
応募〆切は2026年10月31日(土) 23:59まで。

※DMでのご応募は受け付けておりません。
※非公開(鍵付き)アカウントからのご応募は抽選対象外となります。
※賞品の発送は日本国内に限ります。

Instagram応募方法

①DI:GA ONLINEの公式Instagramアカウントをフォロー
②表示されている投稿をいいね
応募〆切は2026年10月31日(土) 23:59まで。

※DMでのご応募は受け付けておりません。
※非公開(鍵付き)アカウントからのご応募は抽選対象外となります。
※賞品の発送は日本国内に限ります。

詳細を見る

  • DI:GA ONLINE 10周年

SHARE

モノブライトの関連記事

アーティストページへ

最新記事

もっと見る