兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第201回[2026年1月前半・新日本プロレス1・4東京ドーム、宮本浩次の日本武道館、『クワイエットルームにようこそ』などの5本を観ました]編

コラム | 2026.02.25 17:00

イラスト:河井克夫

音楽などのライター兵庫慎司が、音楽も音楽以外(プロレスとかお笑いとか演劇とか)も含めて、自分が観たすべてのライブのレポを書く連載の201回目=2026年1月前半編です。半月で観た5公演のうち、音楽は2本、それ以外が3本、という、2026年の年明けになりました。

1月3日(土)11:30 全日本プロレス @ 後楽園ホール

12月31日=全日本プロレス@国立代々木競技場 第二体育館、1月1日=プロレスリング・ノア@日本武道館、1月4日=新日本プロレス@東京ドーム、と、三団体の大規模興行が、年をまたいで続いた日本のプロレス界だった、が。
自分は、大晦日は広島でOoochie Koochie。1月1日は何もなかったが、大晦日に広島に帰っておいて、元日を実家で過ごさないのもなんなので、ノアはあきらめてステイ。で、2日と3日は後楽園ホールで全日本プロレスの2デイズがあったので、2日に東京に戻って、3日にその2日目の方に行った。
この日は全6試合、見どころはセミファイナルとメインイベント。セミファイナルは「GAORA TVチャンピオンシップ60分1本勝負」第31代王者=芦野祥太郎vs関本大介のタイトルマッチで、激闘の末、16分38秒で関本のビッグバンカタストロフィ→体固めで芦野が敗れ、ベルトが移動した。
で、メインイベントは、世界ジュニアヘビー級選手権試合で、第72第王者の青柳亮生にKURAMAが挑む試合。マスクマンKURAMAの正体が、かつてノアの選手だった矢野安崇であること、問題を起こして2023年6月に契約を解除され、その後メキシコへ渡ってマスクをかぶってKURAMAになったこと、このたび全日からオファーを受けて日本へ戻って来たことは、この日集まっているファンはみんな知っている。
で、KURAMA、試合の途中で、自らマスクを脱いで正体をさらし、20分04秒でファイヤーバードスプラッシュ→片エビ固めで亮生に敗れた後、泣きながら土下座して、全日の練習生として再出発したい、と直訴した。
あと、この日は、右肩の負傷で11月から欠場している(その代わり毎回放送席で解説をしている)斉藤レイが、前半と後半の間の休憩時間にリングに上がり、2月23日の大田区大会で復帰することを発表した。

1月4日(日)16:00 新日本プロレス @ 東京ドーム

新日恒例の1・4東京ドーム、チケット完売っていつ以来だろう。と、記憶を遡りたくなるほどの大入り札止め超満員。棚橋弘至社長の引退試合(vsオカダ・カズチカ)と、ウルフ・アロンのデビュー戦(vs EVIL)、そのふたつが完売の理由だが、どちらも、すさまじくいい試合だった。
かつ、それ以外も、朱里と上谷沙弥のIWGP女子&STRONG女子ダブル選手権試合、IWGPジュニアヘビー級王座次期挑戦者決定4WAYマッチ(4人が全員敵として闘う)=エル・デスペラードvs石森太二vs藤田晃生vs SHO、KONOSUKE TAKESHITAと辻陽太のIWGP世界ヘビー級&IWGP GLOBALヘビー級ダブル選手権試合など、いい試合だらけ。
3人タッグのチームが1分ごとにどんどん加わっていって全部で32人、という第1試合「時間無制限NEVER無差別級6人タッグ選手権試合トルネードランボー」が、人数が多すぎてわけがわからなかったこと(全員出すために組んだ試合なんだと思う)。あと、高橋ヒロムが、第3試合のスペシャル10人タッグマッチのひとりでしかない、しかもジェイク・リーにフォールを取られて負ける役割だった、という扱いの軽さに腹が立ったこと。自分は不満だったのは、その二点だけでした。
追記:その後、2月3日に、高橋ヒロムが新日本プロレスを退団することが発表になって、「やはり」と思いました。今後も応援します。その前に退団を発表したEVILも、もちろん応援します。

1月10日(土)17:30 宮本浩次 @ 日本武道館

1月から3月までかけて、9ヵ所・11公演を回る(東阪が2デイズということ)全国ツアー『宮本浩次 tour2026 新しい旅』の1本目=日本武道館2デイズの1日目。
自分が前回に宮本浩次のライブを観たのも、10月27日(月)の日本武道館だったので、二回続けて日本武道館で観たことになる。その時は、新プロジェクト『俺と、友だち』のライブで、宮本以外のメンバーは、ギター:名越由貴夫、ベース:キタダマキ、ドラム:玉田豊夢、キーボード:奥野真哉、という編成だったが、このツアーは、ギター:名越由貴夫、ベース:須藤優、ドラム:玉田豊夢、キーボード:小林武史、そして宮本の5人である。
1本目なので、セットリスト等の詳細に触れるのはやめておくが、曲順(どの曲を何曲目でやるか)の点で、「あ、これをここでやるんだ!?」という新鮮さが随所にあったこと、中でも最近発表になった数曲が特に効果的なポイントに置かれていたこと、ぐらいは書いてもいいか。
あと、宮本、アクション等のパフォーマンスの面でも、ノドの面でも、絶好調だった。ほとんどの曲がギターを弾かずにボーカルだけで、何曲かでアコースティック・ギターを弾くぐらい。なので、ステージ上に彼のギター・アンプがなかったのも、ちょっと新鮮だった。

1月11日(日)17:00 Base Ball Bear @ EX THEATER ROPPONGI

新年この時期恒例の『新春ベースボールベアーちゃん祭り』。去年は堀之内大介(Dr)のホームタウン、大井町のきゅりあん(品川区立総合区民会館)での開催だったが、今年は、一昨年と同じEX THEATER ROPPONGIに戻った。
演奏とトークを交互に行っていく構成で、毎回MCでグランジ遠山大輔が参加。彼は毎年、ライブの後半で「Base Ball Bearの演奏で1曲歌わされる」というミッションも背負わされている。
DI:GA ONLINEにレポを書きました。≫ Base Ball Bear、年明け恒例のお楽しみ。2026年の『新春ベースボールベアーちゃん祭り』を観た

1月15日(木)17:30 『クワイエットルームにようこそ The Musical』@ 新宿THEATER MILANO-Za

これまでも何作もミュージカルの舞台を作って来た松尾スズキが、その最高峰レベルで、ガチのミュージカル俳優たちを何人もキャスティングして行った公演。原作は、2005年に松尾スズキが書いて、芥川賞候補になった小説で、2007年には松尾スズキが監督して映画にもなっている(その時は主演は内田有紀だった)。
もちろんその両方とも、リアルタイムで読んで・観ているので、どういう話かは熟知しているつもりだったが、観て度肝を抜かれた。ミュージカルになるとこうなるのか! 「ありものの原作を使った」感ゼロ、もう完全な新作。
いや、それぞれの登場人物も、設定も、ストーリーも、ちゃんと原作どおりなんだけど、その、言わば「ミュージカルに生まれ変わらせっぷり」が、あまりにも鮮やかだったので、そう感じたのだった。
「爆笑」と「胸に刺さる」と「ショックを受ける」と「考えさせられる」が渾然一体となった、つまり松尾スズキどまんなかな作風でありつつ、超ハイ・クオリティなミュージカル。なんなんだ。と言いたくなる。
精神科病院の女子閉鎖病棟の話なので、小説・映画の時はよかったけど、2026年の今やるのは、コンプラ的にいろいろ大変かも。と、観る前は思ったが、全然杞憂だった。
終わった瞬間に、これはもう一回観よう、と決めて、すぐチケットを買った。東京公演が終わったあと、京都と岡山でも公演あり。

  • 兵庫慎司

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    兵庫慎司

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