
DEBUT 16th Anniversary TOUR アニメ主題歌 代表作品コレクション「ゆめみるルビー」
2026年9月26日(土)渋谷CLUB QUATTRO
アニメ『バクマン。』第3シリーズオープニングテーマ「もしもの話」でスタートしたライブ。疾走感あふれるサウンドに、会場には早くもクラップと掛け声が響き渡る。間髪入れず、アニメ『食戟のソーマ 餐ノ皿』エンディングテーマ「虚虚実実」を繰り出すと、ソリッドな演奏とメッセージ性の強い歌詞が観客の胸に突き刺さる。クールなビートから一転、『のんのんびより』オープニングテーマ「なないろびより」で、会場は一気に柔和なムードへ。きみコの合図で、手拍子を合わせた観客。ギターのササキジュンもうれしそうに表情をほころばせた。
MCではツアーを振り返り、機材車で移動したことでより仲が深まったと、エピソードを披露したサポートベースのキャノン(菅野信昭)。ササキは、クアトロが3年ぶりであることに触れ、これまで手がけてきたアニメ楽曲がいろんな人の思いを背負って育っていることを、ツアーを通して改めて実感したことをコメント。そして、このツアーで恒例になったサポートドラム三隅憧人のなぞかけは、「ツアーファイナルとかけまして、恋人の作ったご飯とときます。そのこころは、悔い(食い)残したくないでしょう」と、見事な“ととのい”でファイナルに花を添えた。
その後、〈ドンドンパン〉とリズムに合わせて手拍子する一体感も楽しい「こだまことだま」(『のんのんびより りぴーと』)や、空間的な広がりを感じさせるキラキラしたギターも印象的な「夢路」(『花咲くいろは』)。そして「ヒーロー」では、サビの最後の〈七色に染まれ〉というフレーズを全員で叫ぶ。まさしく老若男女といった幅広い観客が、nano.RIPEの繰り出す音楽に心酔し身体を揺らした。
『アニメ主題歌 代表作品コレクション』と題したツアータイトルに触れ、作品と出会わなければ書けなかった曲もたくさんあると話したきみコ。「曲を聴いてアニメのシーンが浮かんだり、良いか悪いか(笑)青春時代の思い出がよみがえったり、あなたにとっての大切な1曲になれていたらうれしい。それをみんなで歌うことができるライブは、本当にこれ以上の幸せはない。一緒に歌ってもらえますか?」。そんなMCに続いて披露したのは、『花咲くいろは』前期オープニングテーマとしてnano.RIPEの存在をアニメシーンに知らしめた「ハナノイロ」。アップテンポのビートに、弱さを受け入れて前を向く歌詞を乗せた同曲。「演奏はnano.RIPE、ボーカルはきみコ&クアトロのみんな」とメンバー紹介したきみコ。サビの歌唱を“クアトロのみんな”にお任せし、二人はそれにうれしそうに耳を傾けながらギターをかき鳴らした。
ライブ後半戦はお待ちかね、怒濤の暴れタイム。「ここからさらにウワ〜っとなります。ここまでは準備運動みたいなもの。大人の方はアキレス腱を伸ばして、水分補給もしておいてください。行くぞ渋谷!」と発破を掛け、アツいアッパーチューンを連続で繰り出した。
〈オイ!オイ!〉と掛け声、〈オーオーオー〉とコーラスで一つになった「テザー」。「アザレア」(『citrus』)ではマイナーアップのサウンドに、ササキが暴れ回るようにステージを動きながら演奏。きみコも身振り手振りを交えてエモーショナルに歌い、観客も手を揺らしてジャンプ。『花咲くいろは』後期オープニングテーマ「面影ワープ」は、きみコとササキがステージ最前まで出て観客を煽る。そして「ツマビクヒトリ」(『はたらく魔王さま!』)で「あなたの限界を超えられますか!」と声をかけると、歓声と掛け声とジャンプで観客が応えた。
「飽きもせず二十何年間も、これ(ライブ)しかやりたいことが無いんです。こんな人生を続けさせてくれているみんなに感謝します。良いことばかりではないけど、今日みたいな日があるから、これだからライブは辞められない」と力強く言い放ったきみコ。「馬鹿みたいに夢見たいなことを歌おうじやないか!」と語りかけ、ライブはラストスパート。
〈今ここにあるものがすべてだ〉と大合唱が広がった「絵空事」(『さんかれあ』)。ファンクラブの名称にもなっている「ノクチルカ」は、〈変わらないモノはいつだって〉と観客の合唱が広がると、きみコもテンションが上がってシャウト。そして、明るく楽しいライブ鉄板曲「リアルワールド」(『人類は衰退しました』)と畳みかける。観客はタオルを回しながら〈パッパッパラッ〉とコーラスを大合唱。飛び散る汗、あまりの盛り上がりに、観客の誰かが投げたタオルが天井に引っかかるというハプニングもあったが、そのタオルが阪神タイガーズのものであることを目ざとく見つけ、ニヤリとした野球ファンのきみコ。本編最後は『劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME』主題歌「影踏み」。きみコのアカペラで始まり、歌詞の通りオレンジのライトに照らされたステージ。メンバーが向かい合って演奏を合わせ、思いを伝えるようにアツいパフォーマンスを繰り広げた。
きみコはツアー前、体調を崩し声が全く出なくなるという初めての経験をしたという。MCではそのことに触れ「子供のころは低くて女の子らしくないこの声が嫌いだった」と、声がコンプレックスだったことを明かした。「でも、今回声が出なくなる経験をしたことで、その声をなくしたくないと強く思った。それはnano.RIPEを好きで、一緒にライブしてくれる“あなた”がいてくれたから。ご飯も喉を通らず心が病んでも、ツアーまでに絶対治そうと頑張れたのは、“あなた”がいてくたから。今日ここにいる一人ひとりの“あなた”がいてくれなければ、私は立ち直れなかったしこのライブは成立しなかった」。
バンドと観客はどちらか一方だけでは成立せず、お互いがお互いを照らす光でなければならない。アンコールではそのことを暗に感じさせる「スターチャート」(『はたらく魔王さま!』)を披露。きみコの歌、ササキのギター、そして観客の掛け声が、美しいアンサンブルとなって一つの楽曲を奏でた。そしてラストは、人生を冒険の旅に重ねた楽曲「クエスト」。「nano.RIPEは、あたらしい冒険に出かけます。よかったらその隣を一緒に歩いてください」。砂漠を歩いているようなテンポ感、夜空に星空が広がるようなキラキラのギター。そして優しく語りかけるようなきみコの歌声が、みんなの手を取って、終わらない冒険へと誘ってくれた。
年内nano.RIPEの冒険も残りわずか。イベント出演のほか、12月26日のリクエストワンマン『ガルナのとう』はすでにソールドアウト。11月7日に開催の3年ぶりとなるプラネタリウムライブ『ほしふるうでわⅤ』も残りわずか。nano.RIPEが提供するライブという空間。そこでは、心震わす幸せな冒険が“あなた”を待っている。
SET LIST
01. もしもの話
02. 虚虚実実
03. なないろびより
04. こだまことだま
05. 夢路
06. ヒーロー
07. ハナノイロ
08. スノードロップ
09. 月花
10. テザー
11. アザレア
12. 面影ワープ
13. ツマビクヒトリ
14. 絵空事
15. 光のない街
16. ノクチルカ
17. リアルワールド
18. 影踏み
ENCORE
19. スターチャート
20. クエスト



















