Suupeas (すーぴーず)、“スヤァ伝説”の幕開け!ひなぷ&はるぽんの様々な初挑戦が詰まった初ワンマンは大成功

ライブレポート | 2025.06.17 18:00

Suupeas 1stワンマンライブ
「SING寝具SING 〜スヤァ伝説の始まり〜」
2025年6月8日(日)Shibuya WWW

2024年9月に始動し、今年3月に10曲入りの1st デジタルEP『寝具 a Song!』をリリースした、お昼寝系ガールズユニット・Suupeas。彼女たちがShibuya WWWにて初のワンマンライブ「Suupeas 1st ワンマンライブ SING寝具SING 〜スヤァ伝説の始まり〜」を開催した。

メンバーは歌手に声優、プロ雀士と幅広く活動する武田雛歩ことボーカル・ひなぷと、ギター/サンプラー使い/DJなど様々な表現方法を兼ね備えた謎の美女・はるぽんの2名。“お昼寝系”というコンセプトが決まった理由は、彼女たちがインタビューでも話してくれたとおり、Suupeasチームでピクニック会議のため訪れた代々木公園にて、お昼寝をして幸せそうな人たちを見掛けたことに由来する。この日WWWに集まった観客もそのコンセプトに没入すべく、アイマスクやヘアバンドを頭につけたり、過ごしやすい服装に身を包むなどしていた。

ステージの背景に広がる巨大スクリーンへ映し出されたオープニングムービーと、『寝具 a Song!』の1曲目を飾る「いんとろだくしょん<OHAYHOU>」に乗せて、衣装であるパジャマ姿でステージに登場したふたりは、2ndシングル曲「℃りぃむ℃ore」で初ワンマンの幕を開けた。Suupeasの楽曲は現段階で全曲をVOCALOIDクリエイターが手掛けており、テンポの速い打ち込みのビートに乗せてはるぽんがギターやサンプラーを鳴らし、ひなぷが高速でリズミカルな歌詞とメロディをキュートかつ繊細なボーカルで彩る。さらにふたりは振り付けも披露。ファンタジックでちょっとカオスな“夢”の世界を余すことなく表現する。

ひなぷ(武田雛歩)

はるぽん

ひなぷが「初ワンマンライブ、みんな起きてますかー!? 伝説の1日にしようね!」とライブタイトルに掛けて挨拶をすると、そのまま「あともうちょっとだけねんねさせて!」へとなだれ込む。彼女たちが一斉にステージ前方へと出てフロアを煽ると、観客もそれに触発され、熱いコールを飛ばした。MCでSuupeasの名付け親がはるぽんである旨などを明かすと、その後も睡眠トリビアを詰め込んだ刺激的なポップソング「しーぴんすりーぴん」、日々の労働の疲れによる睡眠をテーマにしたアッパーなエレクトロナンバー「睡眠地下潜(もぐ)どってん!!釈明」とたたみかける。目まぐるしい楽曲を披露するなかで、はるぽんのやわらかい笑顔と、歌詞や音に合わせて変わるひなぷの多彩な表情は、かなり効果的なアクセントだ。エッジが効いた音と、ソフトな印象を与える彼女たちのキャラクターが合わさることで、小気味よいギャップが生まれていた。

普段はあまり熟睡できず、特に楽しみな日の前日はなかなか寝付けないが珍しく7時間睡眠ができたと喜びを語るひなぷに対し、はるぽんはいつも通り8時間睡眠をしたと返して、ひなぷが「負けた……!」と肩を落とすと会場は笑いに包まれる。ふたりのやわらかい愛媛弁のトークは、まさにお昼寝のような心地よさだ。和気あいあいとしたムードのなか、ライブはソロパフォーマンスのセクションへ。まずは、はるぽんがひとりステージに残り、初めて人前でDJを披露した。うまくプレイできずに途中で仕切り直すというハプニングに襲われながらも二度目はしっかりと立て直し、ときにはDJブースから離れたり、振り付けなどで盛り上げたりしながらアッパーなボカロ楽曲を中心とした全10曲を完走。つなぎがうまくいくたびに笑顔を見せるという初々しさも会場を和ませた。

はるぽん

続いてひとりステージに現れたひなぷは、中学生の頃に「歌ってみた」動画をアップしていたことを明かし、初めて投稿した楽曲であり音楽を好きになったきっかけの楽曲であるsupercellの「君の知らない物語」のカバーを披露する。真摯でピュアな歌声からは、当時から変わらない音楽への愛情や、今日まで歌うことを諦めなかった人間ならではの歌への強い思いがダイレクトに伝わってきた。

“お昼寝タイム”と“寝過ごし中”と称した3分強の小休憩を挟んでライブは後半戦へ。まずはトークコーナーとして「師匠(※まくら株式会社の河元智行社長)に教えてもらった睡眠情報をそのままお伝えする睡眠豆知識講座」を届ける。「午前中に日光をよく浴びる。日光浴でセトロニンを分泌し、睡眠ホルモンであるメラトニンを増加させる」「シアワセが快眠へ。トリプトファンが幸せホルモンであるセロトニンを生み出す」とのことで、ひなぷも「(このライブで)いっぱい幸せになってくれたらよく眠れるってことやね」と笑顔を見せた。

振り付けとコール&レスポンスを丁寧にレクチャーすると、ライブ初披露の「アイム・ノット・プリンセス」をふたり揃ってハンドマイクでパフォーマンスし、ダークでキュートな「ナイトメラ」では観客も積極的にコールやクラップに興じ、会場のテンションがさらに上昇した。本編ラストはデビュー曲の「ヘッチャカ」。ひなぷは目まぐるしい展開の同曲を率いるように堂々と歌い上げる。はるぽんもそれをバックアップするようにギター、サンプラー、振り付けに加えてコーラスで華やかに色を添えた。

ひなぷ(武田雛歩)

はるぽん

『寝具 a Song!』のラストソング「あうとろだくしょん<OYASUMI>」をバックに、ふたりはステージを後にする。そんな彼女たちを呼び覚まそうと観客が歓声を送ると、ふたりは「おはよう!」とステージに舞い戻りアンコールをスタートさせた。はるぽんのギターと、憂いを含んだひなぷの歌声が織りなすセンチメンタルなロックナンバー「わたしのラブシック」をライブ初披露した後は、1stワンマンライブの追加公演として地元松山での凱旋ライブ「SING寝具SING〜W studio RED 10th ANNIVERSARY TADAIMATSUYAMA!〜」の開催と、秋の睡眠デーでありSuupeas 1周年記念日の9月3日に新曲リリースを発表。「今までにないことをする」「新しいことがあります」と、Suupeasがさらに新たな領域に突入することをほのめかした。

ひなぷ(武田雛歩)

はるぽん

デビューしたばかりでまだまだ持ち曲が足りない旨を告げ、「最後一緒にこの曲で盛り上がりましょう」と、この日の締めくくりとして再び「しーぴんすりーぴん」を届ける。本編では唯一の撮影可能楽曲だったため観客も撮影に集中していたが、ステージもフロアも持ちうるすべての思いを届け合うように音を愉しみ、幸せホルモンであるセロトニンを分泌させるに相応しい、この日の喜びを物語るのびのびとした空間が広がった。様々な初挑戦が詰まった初ワンマン。この特別な1日で新たな経験をたくさん手に入れたSuupeasの“スヤァ伝説”は、この先さらに勢力も強度も増していくだろう。

SET LIST

01. ℃りぃむ℃ore
02. あともうちょっとだけねんねさせて!
03. しーぴんすりーぴん
04. 睡眠地下潜(もぐ)どってん!!釈明

はるぽん DJ TIME

05. 君の知らない物語 (Cover)
06. アイム・ノット・プリンセス
07. ナイトメラ
08. ヘッチャカ

ENCORE
01. わたしのラブシック
02. しーぴんすりーぴん

公演情報

DISK GARAGE公演

Suupeas SING 寝具 SING
〜W studio RED 10th ANNIVERSARY TADAIMATSUYAMA!〜

2025年8月10日(日)愛媛・W studio RED

RELEASE

「寝具 a Song!」

Digital EP

「寝具 a Song!」

2025年3月14日(金)SALE

各配信サイト
  • 沖 さやこ

    取材・文

    沖 さやこ

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  • 撮影

    MikiFujiwara

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