インタビュー/田中サユカ
心から応援したいと思えるバンドなんです!——スタッフ陣も惚れ込むほどの眩しい4ピースバンド、それがAmelieというバンドだ。そのAmelieが、東名阪ツアーを成功させてから、間髪入れずにミニアルバム『ドラマチック』をリリース。それに伴ったツアーでは全国18箇所を巡り、ファイナルはまたしてもバンド史上最大規模のハコに挑戦するというから驚いた。
その強靭なエネルギーが沸き立つのは、人々と“Amelieの音楽”を通して苦楽を自然に共有できるAmelieだからこそ成せる業、なのかもしれない。
2017年も尚、最高にドラマチックであり続けようとするAmelieの“今”にマイクを向けた。
──まずは「ドラマチック」、リリースおめでとうございます。
全員 ありがとうございます!
──今作品の制作はどれくらいから始めましたか?
mick 曲は常に作っているんです。『ドラマチック』に関して言えば、前のアルバム『グッバイ&ハロー』のツアー中に作っていて、その中からシングルカットになったりもしながら、ね。
あっきー 実際には一年以上前から。
直人 割と今年(2016年)一年かけて作ったような感じですね。
──今回の作品では、作詞作曲において、直人さんの活躍ぶりが目立ちますね。
直人 ありがとうございます!
──スタッフサイドでは「直人さんは楽曲提供ができるアーティストだ」と噂が飛び交っています。
mick できると思います!この間も誰かが言っていたよ。
直人 え?…すげえ。
──今回、これだけの作品を作って、実感としては?
直人 狙って作ったわけじゃないんですけど、結果的にはやっぱり“今のAmelieだから出来たな”っていう言葉が、たくさん散りばめられていますね。怒涛の一年の集大成として、2017年の一発目に出せる…そういう良いスタートが切れるのも嬉しいですね。
──歌っているmickさんから見て、直人さんの詩やメロディーはどのように汲み取れますか?
mick もともと魅力だった語感の面白さや感情移入のしやすさはそのまま。でも、同じ日にスタジオに入ってツアーをずっと周って…同じような生活をしていると、考えていることも同じなんだなって感じましたね。
全然アプローチの仕方は違うけど、闇から抜け出して光に向かっていきたいっていう歌詞の世界から一つ抜けた感じは、今回私が書いた「ドラマチック」や「君といま生きている」と同じで、今、こうして居られていることが幸せなんだね、ってお互いに思えている感じがしました。「タイムライン」とかもそういう歌詞だしね。
あっきー 表現の仕方が違うだけで、最終的に言っていることは“今”。
──mickさんの「ドラマチック」は、シングルカットされた「君が為に鐘は鳴る」に匹敵するキャッチーさで、ライブでも既に好評でしたね。
mick ポップですよね。
──そうですね。アルバムタイトルにもなっている「ドラマチック」には、どんな思いが込められていますか?
mick 私自身がずっと、理想に近づくためには格好悪い部分に蓋をしてちゃんとした人間にならきゃって思っていたんです。感情の起伏が激しくて、ステージ上でも泣いちゃうし、笑い出すと止まらないし…。そう思って蓋をしていたら、だんだんしんどくなってきた。
でも、感情の起伏が激しいところも含めて、格好つけず自然でいることは、本当は素敵なことなんじゃないかって思えてきたんです。…でもこれも、ステージ上で泣いたりしていても受け止めてくれるファンのみんなのおかげなんですけどね。
もう一つの背景としては、中学の頃はそんなに面白くなくてもゲラゲラ笑っていたのに、そういうことが減ってきたことです。感受性が豊かじゃないと良い曲が作れない。だったら、感情の起伏が激しい部分に蓋をしないで、逆にジェットコースターみたいに楽しめば良いんじゃないか?て、思うようになりました。
そういう日々はドラマチック!だから、これからもドラマチックな人生を送っていきたいと思って、タイトルにしました。
──このタイトルには「生き方の決意」のようなものが込められているんですね。
ところで、そう言った一面は一般的に「女性的」ともいえる要素で、その特性がバンドで生かされるほど、バランスをとる3人の男性メンバーの存在が、重要な役割を果たしているとも思うんです。演奏面でも「ロック要素」は欠かせないのではありませんか?例えば、どんなにポップでもギターソロが最後まで際立っていたり、時にはメタル並みの大胆なドラミングも。エモなアレンジにもメリハリが効いています。
直人 そうですね。ポップなことやいろんなことをやりたいけど、あくまでAmelieはロックバンドだよ、っていうスタンスは崩さずいたいと思う。だから、そのバランスは常に気にしてアレンジをしていますね。
──これは作品を通して感じたことですが、前に向かってがむしゃらに走り続けたAmelieが、気づいたら目指していた“ヒーロー”と同じ舞台に立てている…またその地点から見えたAmelieの新たな感性を感じましたよ。
mick まさにそうですね。憧れていた舞台を追いかけ続けて、ある地点にAmelieは辿り着けました。でも、今こうして音を鳴らしている目の前に、みんながいてくれる…ライブを見てくれている…沢山の人が支えてくれている…その”今”が、本当に幸せなんだって気づけた。だからこそ作ることができたアルバムだと思っています。
──それは素敵な事ですね。「君が為に鐘が鳴る」がシングルカットされた時に付けられていたキャッチコピー「ステージに立つ人間だからってなんにも偉くない」も、そういった流れを汲んで付けられたのでしょうか?
mick そうですね。私達はヒーローには成れない。なりたいけど、成れない。Amelieは、周りの人がいるからやっていけるバンドだと思っているので、そのキャッチコピーにしました。