──社長はLIQUIDROOMの当日、どんな気持ちで臨みますか。
社長僕はもういつも通り、今まで谷口とやってきたパーティーの延長線上で、そんなに特別な何かをするつもりもなくて、いつも通りのプレイをしようかなと思ってます。まぁ、谷口から何かオーダーがあったら考えますけど。
社長でも彼、「今日はイマイチだった」とか平気で言うから。「もっとできたはず」とか。
TSUUJII同じような感じで俺らも言われる時あります。
社長そこまで真剣には聞いてないけどね。「そっか。ごめんな」って(笑)。逆になんかある? こういう表現をしてほしいとか。今日、クラブジャズというキーワードが出たから、たぶんそういうのには影響はされると思うんだけど。クラブジャズというか、アシッドジャズのムーブメントって、グラフィックとかダンスまで含めたカルチャーだったからそういうところも表現した方がいいのかな?と思いつつ、たった今、ジャズがキーワードになってるクラブでかかってる今の音もちゃんとかけたいなと思ったりとか。まぁ、当日にならないとわかんないな。何分プレイするかも聞いてないし。
TSUUJIIもしオープンからいていただけるなら、45分です。
社長45分か。10曲かけれるかかけれないか、じゃあその中で表現します。クラブジャズを。
YUKI一つ聞いてもいいですか。ソイルにとってのクラブジャズって、どういうものだったんですか。
YUKI「デスジャズ」っていうキーワードがあったじゃないですか。それは音楽性を表したキーワードだと思うんですけど、クラブジャズっていう大きいムーブメントの中心にいたバンドとして、クラブジャズというフレーズと、SOIL&"PIMP"SESSIONSというバンドは、どういう距離感でいたのか。
社長うちはご存知の通り、初期の6人は本当に皆さん個性豊かな人ばかりで、おのおののルーツとする音楽もバラバラだったから、今のこの世代が作る退屈な、当時退屈だと思っていたものから新しいものを作りだすことを、あくまでもジャズとしてやっていたから、「クラブ」というのが頭につくのが、実は一時期すごく嫌だった時期があったのね。もちろん自分たちの血の中にはクラブジャズもあるから、そこのカテゴライズに入ることは別に悪いことじゃないんだけど、「クラブジャズバンドのSOIL&"PIMP"SESSIONSです」と言われるのはすごく嫌だった。
社長「ジャズバンド」が良かったんだよね。そんなことを思ってた時期もあったけど、結果的にこれだけ長いことやってるとそんなことはどうでもよくなる。振り返ると、クラブでプレイされていたジャズの中に僕らの音源がセレクトされてるのは、すごく嬉しいことだし、日本だけじゃなくていろんな国で聴かれているのは、今思うと、DJに響いたからこそこれだけの国に行ってプレーできてたんだなっていう意味では、よかったなとも思うし。
YUKIクラブジャズの定義の一個として、DJがかけれるダンサブルなジャズっていうものがあると思うんですね。ソイルはそういうジャズであったということですか。
社長僕は元々DJだから、そこはたぶん僕の役割だったのかなと思う。ダンサブルな音楽とクラブで機能する音楽って実は違くて。
社長クラブでDJが世界観を作っていく中で、どういうエッセンスがいいか、どういうグルーヴが気持ちいいかとか、たとえばどんなにイーブンキックの4つ打ちの曲を作ったとしても、それがダンスフロアで機能するとは限らないじゃない? 逆にキックがそこまでイーブンで打ってなくてもめっちゃ踊れる曲もあるわけで、音楽の聴き方として「使えるか使えないか」みたいな、良くないところもあるかもしれないけど、そういうジャッジメントを僕ができたのも理由として大きかったかもしれない。今もかけてもらえる音楽になった理由として。
YUKIそこは意識して作ってたんですか。クラブで機能するサウンドを目指すみたいな。全曲がそうじゃないと思うんですけど。
社長それを目指して作った時はあった。「これがあそこのクラブでこうやってかかってたら気持ちいいだろうな」とか。
MELTENJABBERLOOPもその当時、「BPM130以内に抑える」ということを考えたりしてたんですけど。
MELTENとはいえ、ソイルを聴いてみると、「サフォケーション」とかもっとテンポが速いし。
社長ああいうのは、いわゆるデスジャズの看板になるような曲で、クラブチューンみたいなものだと、基準がBPM132だったのね、うちらの場合。そこから上振れも下振れもするけど、そこが基準だった。
TSUUJII「デスジャズ」ってワードは誰が言い出したんですか。自分たちですか。
社長誰だったっけ?最初「爆音ジャズ」って言ってたんだけど、デスメタルとかのデスを取って、「デスジャズ」って言い始めたんじゃないかな。
TSUUJIIそれがめちゃくちゃ効いてて、「サフォケーション」とかの音とがっつり一致するし、さらに全体の世界観を作るコンセプトとも言えるじゃないですか。アートワークもそうだし、オリジナルのジャンル名であると同時に、そのバンドの全体を貫くコンセプトにもなっていたなと思うんですね。
MELTENブランド名だよね。アシッドジャズはレーベル名にもなってるしアートワークとかも全部ひっくるめてのジャンルみたいな、それに近い。
TSUUJIIそれを今、自分たちでも探してるんですよね。POLYPLUSとしてのキーワードを。
TSUUJIIラウドジャズというのが一つあって、確かにそう呼べる曲もあるんですけど、それはあくまで音のことだけだから、全体を貫くコンセプトになるワードにはならないし。
TSUUJIIソイルにもいろんな曲のタイプがあるけど、「デスジャズ」の中で収まってる感じがあるから。我々も全然違う感じの曲も色々混ざっているので、音とかを表す言葉じゃないキーワードがいいなと思うんですよね。
社長そうだね。ライブ見たら何か思いつくかもしれない。
──11月14日、恵比寿LIQUIDROOM。ゲストDJは社長。POLYPLUSにとって重要な日になりそうですね。いろんな意味で。
TSUUJIIここから10周年イヤーの大一番です。そして、「Road to BUDOKAN」計画の2年目という大事なポイントです。2028年に武道館でやれることを目指して、あと4年。
TSUUJII元々POLYPLUSは好きな人が集まって好きなようにやるというバンドだったんですけど、ブルーノートでやらせてもらったり、ドラマの音楽をやらせてもらったり、いろんなオファーがもらえるようになったのは、イコール期待してもらってることだから、その期待にちゃんと応えたいなと思うようになったんですね。それまでは目標も決めないし、ただ楽しくやろうぜだけだったんですけど、明確に方向転換をして、ちゃんと旗を立ててその旗を目指していこうと。2028年の武道館公演も、達成できるかできないかは別として、言うことによってその旗を目指す力、目指すプレッシャーを自分たちにかける方向にシフトチェンジしたのが2023年で。そのロードマップの中で、2年目のLIQUIDROOMは確実に決めないといけない。内容的にも、世界観を作るということにおいてもそうですし、できるだけ多くの人に知ってもらう機会にしたいです。
──そのあとPOLYPLUSが、2025年1月から「ゲッターズ飯田トークライブツアー2025」にも参加しますね。
TSUUJII2024年にも一緒に回らせてもらって、POLYPLUSとしては2回目のツアーです。3ブロックになっていて、飯田さんのトークと、我々のライブステージと、3ブロックめで飯田さんがステージ上でお客さんを占うという。全国どこへ行ってもホールが埋まってて、飯田さんも「とにかくいいバンドです」と紹介してくださって、武道館のこともすごく応援してくれているので、ありがたいです。
MELTEN2時間ぐらいのイベントなんですけど、ライブのパートもがっつり時間をいただいているので頑張りたいと思います。
──SOIL&"PIMP"SESSIONSは、今後どんなスケジュールが。
社長12月の1日と2日に、ブルーノート東京で2Daysをやります。そして12月28日、新宿のシアターミラノ座でfox capture planと対バンします。
──楽しみです。今日はみなさんありがとうございました。
社長こちらこそ。とにかくTSUUJIIが上手にしゃべるなと思いました。
TSUUJIIいやいや。やっぱり歴史を伝えたいなと思うので。
YUKIようけしゃべるし、いろんな演出プランニングするし、サックスも吹くし。
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