ASKA、今秋の「Who is ASKA !? 」全国ツアーでは観客が求める楽曲に“ありったけ”で応え、熱量高いステージを届ける

インタビュー | 2024.06.06 17:00

ライブに向けての想い、ここ数年のライブ活動を振り返って、

デビュー当時は、逆の考えだったわけですけど、気持ちが切り替わってからは一貫してもう自分が楽しむんだっていうふうになってます。メンバーと輪を囲んだ時も必ず「楽しもうね」と言ってから始めるんです。「今日も楽しむよ」って。自分たちが楽しくないとお客さん楽しくない。これはもう絶対なんです。

──今のお話はすごく腑に落ちるというか、客席で見ている僕が受け取る感覚とも重なるところがあるんですが、その上で敢えて「でも…」ということでお聞きしたいのは、楽しんでらっしゃるんだろうけど、どこかでその楽しんでいるASKAさんを客観的に見ているASKAさんもいるような感じがするんです。

それはあります。

──やっぱりそうですよね。

僕は、パフォーマーであると同時に、その空間を任されたナビゲーターなので。最後には同じ出口に出ていくよっていうところまでの、道先案内人なので、そこだけはちゃんとやるようにしてます。

──ここ数年のライブ活動を振り返ると、そのギアがまた一段上がった印象もあるんですが、ご自身はどんなふうに振り返られますか。

45年やって、そろそろゆっくりやりたいなっていう気持ちもどっかであるんですね。というか、30年過ぎたぐらいからもう、そういう気持ちはあったと思うんです。でも、僕の中では“それをやってしまったら次はないんじゃないか?”という感覚があって。だから、本当に自分にプレッシャーをかけながらなんでもやってますね。ゆったりとしちゃダメだって。

──ASKAさんはいろんな場面で、新しく曲を作ることが自分のキャリアの原動力になってるとおっしゃっていますが、ライブをやるということも、ご自身にプレッシャーをかけるという意味も含め、活動の原動力というかエンジンになってるところがあるんでしょうか。

なってますね。僕は、お客さんが何を求めてるかというのは十分理解してるつもりなんですよ。で、今ここに来て若い世代が増えてるんですね。僕が歌い始めた時にまだ生まれてなかった世代の人たちが僕のコンサート会場に足を運んでくれてて。そのなかにはもちろんリアルタイムでも聴いてくれてる方もいるでしょうけど、お父さん、お母さんの影響で僕が出したものに反応してくれた子たちが多いと思うんです。そこはですね、見誤らないにしないといけないと思ってます。別に新しいものが全てじゃないんで。今回のステージは特にそうなんですけど…。僕、ある時から「ありったけ」という言葉を使ってるんですね。その時々の自分のありったけを込めてステージに立つんだっていう気持ちで、選曲も昔のように新しいアルバムを引っさげてということは全く考えなくなりました。

  • 兼田達矢

    取材・文

    兼田達矢

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