2024年10月に結成15周年を迎えるGacharic Spin。アニバーサリーイヤーの幕開けを、出来立ての新曲5曲を詰め込んだEP『Ace』で飾り、そのリリースワンマンツアー“TOUR 2024「Ace」”でも全国各地で熱演を繰り広げた。ツアーファイナルEX THEATER ROPPONGIが早々にソールドアウトしたことを受けて、7月6日にはTOKYO DOME CITY HALLにて追加公演“LIVE 2024「 Let It Beat 」”を開催。追加公演と謳いながらもツアーとは一味違うステージを見せるため、メンバーも着々と準備を進めているそうだ。
様々な困難を乗り越えながらたどり着いた15周年。歴史を背負い、新しい挑戦を続ける6人のエネルギーはどこから生まれるのだろうか。EX THEATER公演を終えて数日後にバンドのリーダーであるF チョッパー KOGA(Ba)をキャッチし、様々な角度から現在のGacharic Spinを紐解いた。
様々な困難を乗り越えながらたどり着いた15周年。歴史を背負い、新しい挑戦を続ける6人のエネルギーはどこから生まれるのだろうか。EX THEATER公演を終えて数日後にバンドのリーダーであるF チョッパー KOGA(Ba)をキャッチし、様々な角度から現在のGacharic Spinを紐解いた。
──結成15周年おめでとうございます。
ありがとうございます。ひとつの物事を15年間ずっと続けていくのは簡単ではないから、メンバー全員で頑張ってきたな……と思いますね。
──この15年で最も大きな変化と転機は、現在の編成になった2019年ではないでしょうか。
アンジー(アンジェリーナ1/3)との出会いは、Gacharic Spinにとってかなり大きかったですね。本当はアンジーともうひとり一緒にボーカリストが加入するはずだったけど、その子が発表間際で加入を辞退したから、はながドラムボーカルからギターボーカルになって、yuriがドラマーとして加入したという今の編成があるんです。窮地に陥ったとしても、結果的にそれは絶対に意味のあるものになると感じましたね。コロナ禍もそうで。
──コロナ禍が?
新型コロナウイルスが悪しきものなのはもちろんなんですけど、死に物狂いで走り続けてきたGacharic Spinにとって、あんなに時間ができたのは初めてだったんです。ライブができない代わりにアンジーと個人練習に入ったり、曲をじっくりと練り上げたり、その時間のおかげで6人体制を丁寧に組み立てられたんですよね。もしあのまま2019年と同じように突っ走っていたら、今も続けられていたかどうか正直わからない。今の編成になるまではダンサーありきで曲やステージを作っていたので、どうしたら皆さんに楽しんでもらえるんだろう?とはすごく悩んでいて。
──おまけにコロナ禍に入ったタイミングはセルフプロデュースになった頃でしたよね。
そうですね。セルフプロデュースのかたちが固まらないままツアーやレコーディング、制作をしていたら、いろんなことが難しかったかもな……と思ったりもして。だからコロナ禍は「時間もあるし、こういうことをやってみよう」「アンジーのステージングをもうちょっと練り直してみよう」とか、どういう曲を作ったら、どういう歌割りにしたら、今までとは違うGacharic Spin を作れるんだろうとひたすら向き合う時間でした。
──その結果、6人体制のGacharic Spinもだいぶ固まったと。
観る人によっては「Gacharic Spinってジャンルは何なの?」と思うかもしれないし、これだけメンバー全員が前に出るバンドもいないかもしれないけど、名前の通りガチャガチャしてるのが自分たちだし、メンバーのやれることを活かすのがベストだと思っているんです。とはいえ、今もどうしたら皆さんに楽しんでもらえるのかを追求してますね。攻めたかっこいい感じの曲が増えているけど、もっとわちゃわちゃするブロックがあったほうがみんな楽しいかな……とか。ライブが終わった瞬間に反省会が始まります(笑)。
──どこまでも妥協しないスタイルも、15年間変わらないGacharic Spinのスタンスだと思います。この春リリースされた5曲入りEP『Ace』は「熱く激しく押せ押せなサウンド」がコンセプトだったそうですが、なぜそのような作風に?
歴史が長くて、いろんな編成でやってきたぶん「今のGacharic Spinってどんな感じなんだろう?」と思う方も多いと思うんです。だから「ロックバンドです」と胸を張れる、今の6人のカラーが出る楽曲を詰め込んだEPを作りたかったんですよね。だとしたらバラードやポップス要素のある曲ではなく、完全に攻めたものにしたくて。音源化されていない曲もたくさんあったんですけど、1曲1曲がエースと言える新曲を書き下ろしました。
──かなりハードスケジュールだったのではないでしょうか。
ギリギリまで粘って粘って作って……という感じだったので、そうですね(笑)。メンバー全員が日々の生活でいろんな経験をして刺激を受けるので、どんどんアップデートされていくぶん、どんどんGacharic Spinに還元したいアイデアが増えていくんです。そうすると「こういうこともやりたい!」欲が制作に出てくるんですよね(笑)。
──それもあり、『Ace』の5曲はこれまで積み上げてきたGacharic Spin流のロックと新しさを両立させた曲が多い印象があります。
うれしいです。なかでもTOMO-ZOが作ってくる曲は変化球が多いですね。彼女は幅広くいろんな音楽を聴いているし、Gacharic Spinには歌える人が3人(アンジー、はな、オレオレオナ)いることを念頭に置いたうえで「次はどんなものを作るべきだろう?」と考えてくれているなと感じます。TOMO-ZOの新しい発想の曲を、Gacharic Spinらしいアレンジやサウンドにするのが、全楽器の演奏をできるはなさんなんですよね。それをわたしたちが演奏することで、6人全員の持ち味が生きる曲が完成すると思っています。