昨年11月にリリースしたシングル「17才」(テレビアニメ『色づく世界の明日から』オープニングテーマ)がスマッシュヒット。さらに今年5月に初のベストアルバム『BEST 2012-2019』を発表したハルカトミユキが、2019年11月23日(土・祝)、日本橋三井ホールで「ハルカトミユキ Best Album Release Special Live “7 DOORS”」を開催する。デビュー7年目を迎え、大きな節目の時期を迎えている彼女たちに現在のモードについて聞いた。
──まずは5月にリリースされたベストアルバム『BEST 2012-2019』について。このタイミングでベスト盤を出したのは、何がきっかけだったんですか?
ハルカ(Vo/Gt)今年でデビュー7年目なんですが、10周年の区切りでもないので、最初はふたりとも「ベストか…」みたいな感じあったんですよ、じつは。ただ、「17才」というシングルがアニメの主題歌になって、いままでとは違う人たちが私たちの曲を聴いてくれた実感がけっこうあって。初めてハルカトミユキを知ってくれた人たちに、これまでの曲を改めて聴いてもらいたいと思ったし、だったらベストとしてまとめるのもいいんじゃないかなって。
──ふたりとも「過去の曲を聴き返すことはほとんどない」と言ってましたよね。
ハルカそうなんですよ。ベストアルバムの制作で久しぶりに聴き返してみたんですけど、デビューした頃の曲はだいぶ客観的に聴けました。「こんな歌い方をしたんだな」「こんな音が入っていたのか」みたいなこともあって、新鮮でしたね。
ミユキ(Key/Cho)思い出が蘇りますね、いいことも悪いことも。苦い経験もありましたけど、それも含めて「良かったな」と思えるというか。
──音楽的な変遷もかなりありますからね。フォーキーな曲からバンドサウンド、エレクトロを取り入れた曲もあって。
ハルカそうですね。最初の頃は私だけが曲を作っていたんだけど、途中からミユキも曲を書くようになって。それに伴ってアレンジの幅も広がったんですよ。アルバムによっても色が違うんですけど、それでもハルカトミユキとしての統一感があるっていう。
ミユキベストを聴くと、「いろんなことにチャレンジしてきたな」と思いますね。試行錯誤もあったし、そのたびに労力を使ったけど、そのおかげでいまの私たちがあるんだなって。
──Disc-1は「Honesty」、Disc-2は「Madness」というタイトルが付けられていますね。
ハルカ私たちの曲には光の側面と闇の側面があると思っていて、それを表現してみたいという気持ちは以前からあったんです。たとえば暗い曲だけのライブ、比較的明るい曲だけのライブをやってみるとか。そのアイデアは実現していないんですが、ベストを出すことになったとき、2枚組で自分たちの2面性を表現してみようと思って。「Honesty」がハッピーな曲ばかりで、「Madness」が暗い曲ばかりかと言えば、そうでもないんですけどね(笑)。いろいろな感情が複雑に混ざり合っているのも、自分たちの特徴の一つなので。
──いろいろな変化を遂げつつ、一方では一貫している部分もありますよね。ハルカトミユキの根本的な精神性というか…。
ハルカデビューから7年経って、大人にもなっているし、いろんな意味で変化していると思うんですよ。でも、確かに「変わらないな」と感じるところもあって。1stアルバム『シアノタイプ』に入っている「Vanilla」で「狂えない」「狂ってしまえない」と歌ってるんですけど、その感じはいまも続いているし、同じようなことを歌っているなと思うので。
ミユキ私は変わったことのほうが多くて。デビューの頃は、インタビューで一言もしゃべれなかったんですよ。何を言ったらいいかわからなくて。
ハルカ(笑)。
ミユキライブでもまったく盛り上げようともせず、淡々とやっていて。でも、ある時期から「もっと自分を表現したい」という気持ちになって、どんどん変わったんですよ。曲も書き始めたし、ライブでも客席に飛び込んだりするようになって(笑)。高校の頃まではポップソングが好きだったし、楽しく盛り上がるのも好きだったんです。デビューした頃は壁を作っていたところがあったけど、もともと持っていたものをちゃんと出せるようになったのかなと。