──今回4人の曲がほぼまんべんなく入っているけど、テーマがあったからこその意外性を感じた楽曲はあった?
EYEちなみに、そう感じた曲ありました(笑)?
──逆質問(笑)?あったよ。「Hello」とか。ちょっと驚いた。歌詞もね。
EYEそうくると思った(笑)! RIOちゃん曲で、これはさっき言ってた曲とは違うんですけど、すごく明るいじゃないですか、曲調的に。だから、どうしてこういう曲調を作ろうと思ったのか? ってところから、RIOちゃんにインタビューして、リサーチしたんです。そしたら、RIOちゃんの中にはしっかりとこの曲で表現したいことがあったんです。
──ほぉ。それは?
EYEサラリーマンとかOLとか、言い方悪いですけど、自分が社畜の様に働かされているなって感じている人たちが、逃場を求めている様を描きたかったらしいんです。夢に逃避してる感じを書きたかったみたいで。現実から逃げてる感じというか。夢の中では自分たちが大人じゃなく、子供になっているんです。そんな夢から覚めたくないっていう感じを書いているんだそうで。ある意味、RIOちゃん的にちゃんとそこには闇を描いていたんだなと。最後は死んじゃってもいいって言っていたので。リアルな気持ちと夢の中でのふわふわしている気持ちとのギャップが欲しいということだったので、歌詞もひらがな多めで書いたんです。だから、うさぎちゃんが出てきたり、蝶々が飛んでたりするんです(笑)。この説明聞かないと、EYE、どうした!? ってなりますよね(笑)。
──そうそう(笑)。
EYEあははは。大丈夫です! 壊れてません、私(笑)。RIOちゃん的には、明るいからこそ闇が際立つんだって言ってました。ラスト、こういう曲調ではお決まりな感じのドラムのフレーズ終わりの締めじゃなく、シーケンスでピタッと終わっているんです。そこは、夢から覚めた瞬間なのか、はたまた心音が止まってしまったという意味なのか、っていう感じにしたかったみたいなんですよね、RIOちゃん的に。意外と深いぞ、RIOの世界! って感じです。
──なるほどね。2人が意外に思ったのは?
EYE私は、MARIりん(MARI)が作った曲で、「VirtuaReaL」が意外でしたね。曲調的にはウチにありそうな曲調ではあるんですけど、これもMARIりんに原曲の段階でインタビューしたんです。これね、MARIりん自身が病んでましたね(笑)。アイツ殺してやりたい! 的なテンションでしたからね(笑)。
──あははは。なんかあったのね。
MARIそうですね(笑)。
EYE実話ではないですけど、自分がこの曲に歌詞を乗せるなら、どういう想いを乗せたいかという気持ちを聞いたんです。そしたら、結構グロめな言葉が返ってまいりまして(笑)。どうした!? ってなって(笑)。
MARIあははは。いやいや、普通にしてる人が、実はすごく大きな闇を抱えているというのが一番怖いなって思ったんです。見た目的に病んでる人が病んでいたら、なんかそれは納得するんですけど、普段はすごくニコニコしていたり、元気な人が病んでいると、なんかすごく怖いというか。実は、最初のコンセプト会議の時にも出していた意見でもあったんです。メンタルヘルスというか。絶対にどんな人でも、心の中で、“なんだアイツ、消えて無くなればいいのに!”って思ってたりするんじゃないかなって。そういうところでの共感ってある気がしたんです。
──分かる。なんかすごい事件があったとき、“え!? あの人が!?”っていうのとかあるもんね。そう思うといろんな闇の形があるよね。
EYEそう。でも、やっぱり作って感じたのは、ギャップがあるほど怖いですよね。MARIりんから話を聞いて、改めて感じましたね。「VirtuaReaL」っていうタイトルにしたのも、ネットの闇みたいなところとかけたんです。ネットの中では辛辣なことを書いたりしてるのに、実際その人に会ってみるとすごく普通の人だったりする、そのギャップが怖いっていう、これも現代社会特有の闇なのかなって思って。バーチャルの世界の方が本心だったりするのかなっていう。ここではそんなバーチャルと現実の狭間で苦しんでいる感じというか。これも客観的に聴きながらも、自分と重ねてみてもらっても楽しいんじゃないかなと思いますね。今回、私自身、このテーマでアルバムを作っていなかったら、メンバーそれぞれと『闇』について語るっていうことをしなかったと思うので、すごくいい機会だったなと思いますね。改めて世の中の『闇』と深く向き合えたし、本当に深い問題だなって思いました。