11月7日にソロ初のベスト・アルバム『DX – 10th Anniversary All This Time 2008-2018 -』をリリースしたDiggy-MO’。11月17日に名古屋 CLUB QUATTRO、18日にumeda TRAD、25日にebisu LIQUIDROOMで行われる10周年記念ツアーのチケットも、現在発売中だ。さらに10月には女王蜂のシングルに「HALF Diggy-MO’ Remix」とラップとアレンジ参加したリミックス楽曲を発表、また先月公開した映画「スモールフット(日本語吹き替え版)」では「Let It Lie」と「Percy's Pressure」の日本語訳詞及び監修、音楽演出を担当など、新たなニュースも届いている。アニバーサリー・イヤーの真っただ中、クールな外見の下に熱いハートを隠す男の現在の心境を聞いた。(前編はこちら)
いろいろ考えましたよ、アウト・ワークスは選べなくて、相談したぐらい。
──新曲2曲が入った22曲2枚組のベストに、初回限定盤にはもう1枚、フィーチャリング参加したアウト・ワークス集が付きます。収録曲が公開されましたが、選曲の基準は?
ベスト盤の選曲って、難しいですよね。「ToMiTaMi ToMiTaMo」も入れたかったし、「The Roses」とかも入れたかった。「MUZiiKFVCK」も、すごく人気のある曲だから、入れたかった。
──ベスト盤の考え方として、マイ・フェイバリットと、ファンズ・リクエストと、あとはヒット・コレクションと。ベスト盤って、その要素を何割かずつ持ってるものだと思うけれど。今回は、マイ・フェイバリットの要素が強い?
ううん、そんなことはない。マイ・フェイバリットが勝ちすぎると、オリジナルアルバムになっちゃう。それをやっちゃいけないというか、「それをやらないで出そうよ」といってくれてるのが、ベストの良さなんですよね。全部好きで、全部気に入ってるけれど、この10年の中でのいろんな過程や人の客観的な意見も参考に、周りからの熱い意見が多かった曲は入れるようにしているかな。
──個人的なフェイバリットと言えるのは?
「先生、」「Heartache Jive」「Bayside Serenade」とかは、フェイバリットのほうだね。
──そして新曲が2曲。「GIOVANNI」はアルバム『BEWITCHED』収録「にこにこジョバンニ」の別アレンジで、ジャズのビッグバンド・スタイルで軽快にスウィングするサウンドが有無を言わさずかっこいい曲。そしてもう1曲「GOD SONG」は、Diggy-MO’の持つクラシック音楽の素養(弦楽器のアンサンブル)と、エレクトロ・ダンスミュージックとがミクスチャーされたような、最高にスリリングな1曲。この「GOD SONG」はいつ頃作っていたんですか。
形にしようという意識が芽生えたのは、「PTOLEMY」を書きながらかな。
――つまり、「PTOLEMY」と対になる曲だと。
テーマ性としてはね。曲調は違うけど。
──スピリチュアルなひらめきと、哲学的な洞察が絡み合うような。Diggy-MO’ならではの深い世界。でも曲そのものは最高にキャッチー。
モダンなバランスが必要で、そこにトライしていった感じはあるかな。ロックほど古くなく、クラシックほど優美じゃない。ハイエンドなラインのショーとかでも使えそうなイメージとかね。あと、ちょっと大げさかもしれないけど、なんか神聖なオーラや雰囲気をまとったような、そんな感じの曲がこのベスト盤に入るっていうのはとても本望ですよ。
──初回生産限定盤に付いてくるアウト・ワークス集には、m-flo♥EMYLI&Diggy-MO’「DOPEMAN?」や、BENNIE K「オアシス」などヒットチューン、ご自身のユニットViRCAN DiMMERのレア曲とかも入ってて、ファンにはすごくうれしいと思う。
これまでのアウト・ワークスのリストを全部もらって、「え、こんなにやったか」と思って。その中から、とりあえず抜粋できるのもあるんだけど、やっぱりこれ入れたいよねとか、いろいろ考えましたね。8曲と言われたけど、選べなくて、10曲にならない?って相談したぐらい。
──中でも驚いたのが、女王蜂「HALF Diggy-MO’ Remix」なんです。全編打ち込みによる壮麗なオーケストラ・アレンジということにも驚きました。
これは先方からラブコールを受けて、「OK、やりますよ」というパターン。リクエストとしては「サウンド・プロデュースとプラスラップも」という話で、これまでラップでオファーされることがほとんどだったから、自分が作曲、編曲をする人だとちゃんと知っていて理解してもらっていることが、俺的にはすごくうれしかったかな。