バンド編成のライブは、全体のアンサンブルの中でグルーヴをいかにキープしていくかがポイント
──ライブの話をしましょう。前回、リリース後の名古屋、大阪、東京を回るツアーはバンド編成でと伺いましたが、今でこそ、普通ですけど。十数年前に、DJがいるグループで、バンドスタイルをライブに取り込んだ、先駆者だったと思うんです。SOUL'd OUTは。
最初にバンドでやった時のほうが、打ち込みとバンドの融合みたいな難しさはあったかな。今はみんな、若手もそういうことをやりだしてるし、同じこと言ってるけど、如実に感じてたのはあった。「そもそもスタートが違うよね」という話を、JUNKOO(キーボード)とよくしてました。打ち込みでバンドっぽくバンドサウンドにしていくのと、バンドがバンドで作品化するのと、そもそもスタートが違うよねと言ってた。
──そこをもう少し詳しく。
よく「バンドっぽいよね」と言われる曲のほうが、意外とバンドにしにくいんですよ。「Wardrobe #6」とか「Heartache Jive」とか。
──なんなんですかね。それ。
なんなんだろうね。ちょっとした細かいキックとか、それのベロシティの強弱とか、言っても相当細かく詰めてるんで。それがちゃんと「ドドッ」てなるのか、「ドドン」ってなるのか、そういうところかもしれない。「ドドッ」ていうキックのハネかた、実際に生でできる人ってなかなかね。どうしても「ドドン」っていう16ビートになって、ハネない。揺れるだけで。だからああいうスクエアな、「ドッツカッ」ていうのは、人力ではありえない。かといって、ハットでハネると、キックの「ドドッ」ていうのが消えるから、グルーヴが違って、もう違う曲だよねっていうことになる。
──音楽的に難しいところだlけれど、体感としてわかりますよ。Diggyさんが、ドラマーとそういう部分を綿密に確認するの、いつもリハーサルで見てるので。
そうそう。それを伝えていかないとね。ああ入れすぎたなとか、4小節に一回でいいかとか、そういうのがけっこう果てしないから。
──5月に渋谷でやった“Tiny Concert”(ピアノ、ベース、ドラムのトリオ編成)の時にも、そのへんのアンサンブルを綿密に詰めていたのを思い出します。でもそれ以上に、Diggy-MO’のライブは音から伝わる情熱がすごいので。
ありがとうございます(笑)
──そうですよ。“Tiny Concert”は観客も着席スタイルで、バンド編成もジャズのピアノ・トリオで、演奏は恐ろしく精密なのに、アンサンブルも歌もものすごくホットで。スリリングな体験でした。
それは良かった。
──今回のツアーはバンド編成ですからね。Diggy-MO’バンドのグルーヴは本当にかっこよくてすごいですよ。
全部、ちょっとしたことの積み重ねだと思うんですよね。やっぱりそのへんにはこだわってきたので、今はもう、バンドの理解も高くてすごく信頼してますね。
──ベスト盤のリリースと共に、10周年を記念するライブでもあるのでぜひ見に来てほしいです。どんなライブになりそうですか。
自分の中で楽しみだなと思ってるポイントもたくさんありますね。もちろんだからこその不安もありますが、当然ネガティブなものじゃないし、自分のトライしたい新しい刺激を存分に楽しみたいと思っています。
PRESENT
「GOD SONG」Music Videoでも着用している
”10th Anniv Cap”を1名様に!
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