──2月19日(水)に、配信シングル「右手」をリリース。そして、3月19日(水)に下北沢シャングリラで5周年ワンマン『窓に映るのは君といた街』を開催するペルシカリア。結成からのオリジナルメンバーである矢口くん、結成5周年に思うことは?
矢口本当にあっという間でした。バンドを始めた時はまだコロナ禍で、本来だったらバンドなんてやれない状態だったんですけど。あの時は「とにかくバンドをやりたい! 何でもいいから動かしたい!」という気持ちがあって。
──抑えられない初期衝動のようなものがあったと。
矢口結生(Vo&Gt)ありました。当時、高校2~3年生で、バンドがやりたいって気持ちが先行して、コロナ禍でやってたのも苦ではなかったし。ただただやりたいことをやってきたら、5年が経ったという感覚ですが。埼玉のバンドだったんで、すごい憧れがあった下北沢。その中でも一番大きいライブハウスである下北沢シャングリラに、5年という節目に挑戦させてもらえるということにすごく気合いも入ってます。
矢口結生
──これまでのバンド活動を振り返ると、初期衝動で走り出して。やりたいことをやってる中でコロナも開けたり、時代や状況がどんどん変化していって。それに合わせて、自然とバンドの音楽スタイルも変わっていってみたいな感じだったんですかね?
矢口最初は1年間くらいライブ自体が出来なくて。ライブが出来るようになってからも1年くらいは声出しも出来なければ、ソーシャルディスタンスで動いちゃいけないみたいなのが続いたんですけど。ひとつずつ壁が壊れていくごとに、目に見える形でフロアが変わっていったし。それによってバンドの形が変わっていくのはすごく感じていたし、それが嬉しくって。最初はいまみたいにフロアがグシャッとなったり、みんなで歌うなんて夢のまた夢で。「とにかくバンドがやれれば良い!」って気持ちだったんですけど。規制が緩和していくと同時に、自然とやりたい方向性を見つけていけたみたいな感じがあったんです。だからバンドを始めた時期によっては、違うバンドスタイルになってたのかな? とも思ってて。コロナ禍じゃない時期に始めてたら、いまごろ“歌モノ”って呼ばれるジャンルになってたのかな? と思います。
フルギヤ(Gt)そうだね。その目に見える形で変わったタイミングから、いまの“ライブバンド”って方向性にシフトしてきたなというのはすごいあって。コロナ禍が続いてたり、コロナ禍よりずっと前からやってたら、確かに歌モノ系のバンドになってたと思うし。いまの形になっていったのは、お客さんとの繋がりが強くなったからだと思ってて。たぶん僕が3年くらい前からサポートをし始めて、規制がだんだん解除されていって。渋谷で自主企画をやったタイミング(23年2月)で、「すごい来るじゃん!」みたいに感じて。
フルギヤ
矢口その頃、世の中もバンドやライブハウスに判断を委ねてた感じだったから、そのタイミングで全部規制を無くしたら、お客さんの反応がガラッと変わったんです。そこで「俺たち、こういうライブ出来るんだ!」とか、「ウチのお客さんって、自分たちの曲をこう捉えてくれてたんだ」と思って。新しい自分たちの見せ方や可能性に気づいた瞬間でもあったんで、その日のことは忘れられないです。1stミニアルバム『優しさとは未来への種まきです』が出る直前くらいで、その日にアルバムが出ることを発表したのも覚えてます。
──その日がUK.PROJECT所属を発表した日だったり、ペルシカリアにとって大きなターニングポイントになった日だったんですね。その後、出てくる楽曲や発想に変化はあった?
フルギヤ変わったと思います、確実に。
中村達也(Dr)ツービートが入る曲がめっちゃ増えました(笑)。
矢口あはは。『優しさとは未来への種まきです』とかは、僕が家でポチポチとパソコンで作った曲ばっかなんですけど。この前のアルバム『神様は僕達と指切りなんてしないぜ』や新曲は「ライブでどうやったらカッコ良く出来るか?」って、ライブを意識して作り始めた曲が多くて。家でポチポチ作るのには、天井があるなっていうのが個人の印象として感じてたし。4人で生で合わせて出来る曲が増えてきましたね。
中垣僕は加入して2ヶ月くらいで、渋谷の自主企画があって。変化し始めた時期に入ってるんで、「この変化に置いていかれないようにしなきゃ!」って、必死で付いていった感じだったし。あの時期は本当に目まぐるしかったです。
中垣
──そうやって状況が変わったり、見える世界が広がっていったりする中で、表現方法やバンドのスタイルは変わっていってるけど。昔といまの曲を聴き比べた時、矢口くんの歌詞や曲の根っこの部分って、変わらないですよね?
矢口あ~、基本ネガティブかもしれないですね(笑)。
──いや、俺はすごく繊細で思慮深い人なんだろうと思って。独自の視点で他の人は気づかないことに気づいたり感じたり、深く考えたり出来るから、時に考えすぎてネガティブになることもあるけど。それを歌や言葉に出来るアーティスト性を持ってるなと思います。
矢口ありがとうございます。