the paddlesに、大きな変化の波が押し寄せている。結成メンバーの加賀屋航平(Dr)が、年内のライブで脱退。しかしオフィシャルHPのメンバーコメントを読めばわかる通り、それは3人が先へ進むための前向きな決断だ。12月11日(水)にリリースする最新作『オールタイムラブユーE.P.』には、すでに未来を目指して走り出しているバンドの姿が見事にとらえられている。ヒットチューン「ブルーベリーデイズ」に通じるリード曲「愛の塊」には、近い将来にバンドがブレイクするための起爆剤がたっぷり仕込まれている。その時は確実に近づいている。
2025年1月からは、過去最大規模のツーマン、スリーマン体制の全国ツアーも始まる。the paddlesは今何を考えて、どこに向かうのか。柄須賀皇司と松嶋航大の二人に語ってもらおう。
2025年1月からは、過去最大規模のツーマン、スリーマン体制の全国ツアーも始まる。the paddlesは今何を考えて、どこに向かうのか。柄須賀皇司と松嶋航大の二人に語ってもらおう。
──今年、バンド結成10周年なんですよね。特に大々的に、何かをやってるわけではないですけど。
柄須賀皇司(Vo&Gt)2024年で結成10年目やったんですけど、高校生の時からやから、10周年って言うほどの年齢でもないかな?と。10周年って言っちゃうと、結構ベテランみたいな感じがするじゃないですか。だから今年は形には残さずに、15周年の時には30歳になったりしてるんで、そのタイミングぐらいで何かできればと思ってますね。僕らは今年26で、バンド的にもまだまだ全速で走ってる途中な感じなんで、「10周年やけどまだまだ行こうか」みたいな感じです。
──11月には、身体の不調で休養中のドラムの加賀屋航平くんが年内で脱退するという、大きな発表もありました。
柄須賀航平が活休して1年半ぐらいなんで、航平のドラム見てないまんま終わっちゃう人も結構いてるっぽくて。やっぱり今年1年ぐらいで出会ってくれた人がめちゃくちゃ多いんで。でもその人たちもいい意味で悲しんでくれてるというか、思いのほか反響はあったな。
松嶋航大(Ba)うん。
柄須賀3人でやる最後のライブ(12月28日/@寝屋川VINTAGE)も、みんな来てくれる感じやな。高校の同級生とかも連絡くれて、東京とかからわざわざ帰ってきてくれるっぽいんで、年末っていうのがまたちょうどよかったんですよ。
松嶋軽音部で組んだバンドなんで、軽音部のみんなが来てくれるって。
──大きな決断ですけど、HPのコメントではみんな前向きで、「最後もいつも通りやります」と言ってくれていて。
松嶋ほんまにいつも通りやるやろなって思います。
柄須賀航平自身がたぶん一番のほほんとして終わると思うんで(笑)。バンドの決断のタイミングと、航平自身の決断のタイミングが一致した感じやったんで、なるようになるよねっていう感じの流れでは来てるよな。航平ラストのVINTAGEの翌日がレディクレ(FM802 RADIO CRAZY 2024)になったんで、巡り合わせ的にも良かったなと思ってて。「じゃあ明日ちょっとレディクレで頑張ってきます」ぐらいの感じで終われたほうが、全員ハッピーで終われるんちゃうかな。
──今回の体制変更、どういう表現がいいですかね。第一章完結、第二章開幕、とか?
柄須賀確かに、長めの一章が終わった感じはありますよね。けど、やること自体はたぶんそんなに変わらへんやろなっていう、バンドにとって一番大事な曲作りがあって、CD出してツアーをやってっていうサイクルが軸で、止まらずに進んできてはいるんで。だから航平はおらんくなるけど、メンバーもお客さんもチームも、みんなテンション下がらへんまんまで進める感じはありますよね。
松嶋ちょうどツアーも始まりますし。
柄須賀そうやんな。1月の頭からなんで。お客さんたちの中には「航平さんいなくなるか…」とか思う人もいると思うんですけど、それはもう「ライブ、また見に来てください」って感じですね。去年の後半ぐらいからすごい状況が変わり始めていて、そのスピード感を落とさずに、これからも進んで行こうと思ってますね。