「本当に今日が1番楽しい」。
ボーカルの松田栄作は満員のフロアを見つめ、何度もそうつぶやいた。
‐‐原点回帰。
8月29日に、Sissyが立った大塚Deepa(東京都豊島区)は、2008年11月のバンド結成後に初めて4人がライブを行った場所。2009年9月にディスクガレージが主催した「MUSIC PARTY オーディションライブ」で総合1位を獲得し、2011年6月にシングル「Ready Go!」でメジャーデビューした4人。プロ始動後は、渋谷公会堂で2度ライブを開くなど成長を続けているが、さらなる飛躍のために選んだのは“始まりの場所”だった。ライブの準備のため、楽器などを機材車から会場に運び入れ、ステージでドラムセットを組み立てたり、当時のように準備を進める中で、「当時の自分たちの熱を思い出した」とギターの原理史は振り返った。
始まりの地での1曲目に選んだのは、デビュー曲「Ready Go!」。4人の登場を待ちわびていたファンは、待っていました!とばかりに、拳を振って声援。松田が「盛り上がる準備はできていますか?みんなの声をオレたちに聞かせてください」と声をかけると、「うぉー!」とフロアから大きな声が上がっていた。イントロで「まわせ!」と気合いを入れた新曲「Shake」では、曲に合わせてタオルを振り回し大盛り上がりに。夏の暑さにも負けないくらいの熱で、会場がひとつになった。
大切な人と日常を重ねていく幸せをつづる「message」、SNSで知り合った人に惹かれていく思いを吐露した「顔さえ見えない」、失恋の痛みを引きずる「ヒトリヨガリ」など、さまざまな恋の状況を歌う。「そばにいさせて…」と誰もが感じたことがある心の叫びを口にした際には、目をうるませてステージに見入るファンの姿も見られた。
中盤には、大切な人との別れを経験し、ありがとうや、ごめんねを伝えることができなかったことを後悔したという松田が、「みんなにはそんな思いをして欲しくない。僕らは歌うことしかできないから、僕がやらずに後悔したその気持ちを伝えたいと思って歌にしました。みんなの心に届くように」と「君と道」を熱唱。真摯に歌う姿に、会場から大きな拍手が送られていた。
「さぁ、みなさんここから盛り上がって行けますか!」とあおって始まった「Nancy」、声を合わせて歌い踊った「マイケル」では歌詞通り、爆発寸前になるフロア。「まだ行けますか!」と加速した「POP MUSIC!!」ではジャンプと手拍子で激しく会場が揺れる。緑、黄、赤、青と華やかに輝くステージは、音楽の力に満ちた神々しさがあった。
本編終了後は、「アンコール!」の声ではなく、幕開けで歌った「Ready Go!」のサビ部分をファンが歌い再登場を待った。4人が新たに開こうとしている扉の先にあるのは輝く未来などと願いを込め、ファンの腕にはカラフルなサイリウムブレスが光っていた。松田は「みんな考えてくれたの?マジ、うれしいです。ありがとうございます」と感謝。「Passion!!」ではお互いの熱を確かめ合った。
ライブを始めたころ、統一していたというグレーの衣装。松田、原、ベースの示村俊人はグレーのジャケットを羽織り、ドラムの佐藤公彦は白シャツに黒ベストと、当時の自分たちのこだわりを再現した。松田は「僕らの始まりの場所。また気合いを入れてやらなくちゃな」と気を引き締め、「今まで築き上げてきたものがあって、でも昔あったけど今はないものもあって。あのころの気持ちも持ちながらもっと頑張ろうと思っています。答えは分らないけど、僕らずっと4人で音楽を続けていきます」と決意表明。最後は「みんな一緒に歌って」と「また明日」を合唱し、約2時間のライブを締めくくった。
12月23日には東京グローブ座(東京都新宿区)で「Sissy music line special クリスマスナイト」と題したライブを開催。松田は「クリスマスイブイブに、(バンドとして立ったことがない)新しいところでのワンマンが決定しました。ホールです。勝負をしたいと思っています!!」と決意をみなぎらせていた。ライブ写真などを集めた「Sissyプレイバック展示会」も同時に行われる。
SET LIST
INFORMATION
2015年12月23日(水・祝) | 東京グローブ座 | 16:30 開場 / 17:00 開演 | 1階指定席 ¥4,000(税込) 2F着席指定席 ¥4,000(税込) 2F着席親子席 ¥4,000(税込) |
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NEW SINGLE「君と道」
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DISK GARAGE.com Sissy アーティストページ
Sissy オフィシャルサイト
Sissy(2015.9月 Live Report)