2014年の8月ですね。当時の僕はとにかく人前に出たくなくて。人前に出ると手足がガクガクに震えるくらい緊張してしまうタイプなので、自分に注目がいかないライブにしたんです。知り合いに金色の全身タイツを着て歌って踊ってもらって、自分は後ろのほうで機材を触ってたまに手を挙げるくらいの感じで……。そのライブで“こんなライブをしたままではいけない”と思ったんです。というのも、お客さんがそんなグダグダのライブでも盛り上がってくれたんです。
その様子を見て“僕はこの熱量に応えられるライブをしていない。ちゃんとこの熱量に応えなきゃいけない!”と反省して、ちゃんと表に出ることにしました。お客さんと同じ熱量でぶつからないとライブにならないなと初ステージで痛感したんですよね。
次のライブでは自分で 1曲歌ってみたり、いろんなトライアンドエラーを繰り返して、VOCALOIDとデュエットしたときになんとなくしっくりきたんです。サウンド面では現場で音の強弱が起こるとライブ感が出るなと思ったので、ドラムとスクラッチ&サンプラーを入れて。その結果、VOCALOIDの雰囲気とパンキッシュな即興性が融合したステージになっているかなと思います。ドラムを入れたのは、The Prodigy(イギリスのテクノ/エレクトロロック・バンド)が好きなのも影響していますね。
VOCALOIDがあってこその僕の曲ですし、僕だけが歌うよりは僕もVOCALOIDと一緒に歌うというのは、なんか変でいいなあと思うんですよね(笑)。相容れないもの、相反するものが同居している状態が好きなので、ライブでもそれができたらいいなと思っているんです。
ピノキオピーさん、ありがとうございました。