日本テレビ系の映画番組「金曜ロードショー」のヒストリーを辿りながら、スタジオジブリ作品の魅力を紹介する展覧会「金曜ロードショーとジブリ展」が、東京と富山で開催することが発表された。
1985年に始まった「金曜ロードショー」は、翌86年に「風の谷のナウシカ」(84年、宮﨑駿監督)を初放映(※)して以来、これまで200回以上にわたってスタジオジブリ作品を放映してきました。その歴史はスタジオジブリが人気を確立し、作品の評価を不動のものとしていく足跡と共にあり、現在も続いていいる。
本展では、放送された時代ごとの記憶と記録を通じて映画の魅力に迫るほか、昭和から平成、令和に至る世相を掘り起こすことで、スタジオジブリ作品が持つ時代性と普遍性を浮かび上がらせる。また 「風の谷のナウシカ」に登場する“腐海”を表現した空間「風の谷のナウシカ 王蟲の世界」、映画の世界に飛び込めるようなフォトスポットも登場し、スタジオジブリ作品の世界観を楽しめるという。
東京展は天王洲の寺田倉庫B&C HALL/E HALLで、2023年6月29日(木)~9月24日(日)まで。富山展は富山市の富山県美術館で、2023年10月7日(土)~2024年1月28日(日)に開催される。
さらに来春以降、全国各地での巡回も予定している。圧倒的なデータベースでタイムスリップする体感型の展覧会は見逃せない。
※「風の谷のナウシカ」の初放映は85年、日本テレビの特別番組
風の谷のナウシカ 王蟲の世界
金曜ロードショーとスタジオジブリのヒストリーの原点である「風の谷のナウシカ」(1984年、宮﨑駿監督)。本展では、稀代の造形作家として世界に多くのファンを持つ竹谷隆之さんらが作成した造形物をもとに、映画に登場する“腐海”をリアルに表現していきます。圧巻のクオリティーで作られた王蟲、大王ヤンマ、ムシゴヤシなどが待つ空間は、来場者を魅了することでしょう。
竹谷隆之さんコメント
造形した腐海や王蟲たちを観ていただくことによって、“ちょっとコワいものでも観察すると面白い”とか、“作ることの楽しさ”がみなさんに伝わって、何か良いことのキッカケになれると幸せだなあ……と、僭越ながら思っています。
音と光に包まれる ジブリの幻燈楼
2018~19年に開催された「ジブリの大博覧会」富山展のために作られた巨大な「ジブリの幻燈楼」が登場します。「幻燈」とは、フィルムや造形物などに強い光を当てて、レンズで幕などに拡大映像を投影して見せることができる装置。ガラスの町・富山の富山ガラス造形研究所、富山ガラス工房、地元作家らが制作を担当し、スタジオジブリが監修しました。キャラクターをモチーフとしたガラスに光を照射することで、映画の世界観を体感できます。
ポスターの主役はあなた
スタジオジブリ作品のポスターの中に飛び込んで、主人公のように撮影できるフォトスポットも! まるで架空のスタジオに迷い込んだような空間で、次々にいろんな作品の主人公になれます。どの作品が選ばれるか、お楽しみに!
金曜ロードショー
1985年から日本テレビ系で放送されている映画番組。72年から放送されていた「水曜ロードショー」の放映曜日が金曜日に移ったのを機に、名称を変更しあらたにスタート。86年に「風の谷のナウシカ」(84年、宮﨑駿監督)を初放映(※)して以来、これまで200回以上にわたってスタジオジブリ作品を放映。97年から2009年までは、スタジオジブリが制作したオリジナルのムービー(音楽:久石譲)がオープニングを飾りました。キャラクターの“フライデーおじさん”は宮﨑駿監督が生み出し、「耳をすませば」を監督した近藤喜文さんが仕上げたものです。
※「風の谷のナウシカ」の初放映は85年、日本テレビの特別番組