osage、「出会ってくれてありがとう」ワンマンツアーファイナルで心に刻んだmonument

ライブレポート | 2025.04.02 18:00

osage oneman Live Tour 2025『monument』
2025年3月23日(日)渋谷CLUB QUATTRO

今年1月にメジャー1st EP『フラグメント e.p』をリリース。EPながら、新旧osageを良いとこ取りでパッケージングした最新作を携えて、自身初となる全国9箇所を回るワンマンツアー『osage oneman Live Tour 2025 monument』を行ってきたosageが、渋谷CLUB QUATTROにてツアーファイナルを開催した。

「あっという間に終わっちゃうけど、あっという間だからこそ美しい。いつでも思い出したくなるようなライブを作りたいと思います」

ライブ序盤に山口が宣言したように、春の匂いとともに見る者の記憶にしっかり残る一夜となったこの日。ライブ定番曲が並ぶ中、肝心要な箇所を新曲たちがしっかり担っていたセットリストも新旧osageの良いとこ取り。開演時間となりSEと拍手に迎えられたメンバーが定位置に立ち、一瞬の静寂から、田中優希(Dr)のカウントと山口の力強い歌声で始まったOPナンバーは、osageの最新型と言える新曲「フラグメント」だった。

堂々とした歌と演奏からツアーの成果と充実ぶりがよく見え、エネルギッシュかつ壮大な楽曲からosageの進化が見えた「フラグメント」。この日のライブがきっと良いものになることが、1曲目で早くも確定。圧巻の求心力で1曲目から超満員の観客の心をひとつにすると、「こんなんで満足してもらっちゃ困るぜ!」と叫び、「フロイト」へ。ダークな世界観から感情的なサビに入ると、観客が一斉に手を挙げ仰ぎ、その反応を見た山口が「最高じゃねぇか、渋谷クアトロ!」とニヤリ笑う。

ギターを背負った山口の咆哮で始まった「最終兵器」から「Greenback」とアグレッシブな曲が続き、それに呼応するようにどんどん熱を帯びていったフロア。観客と対話するように丁寧に進めていくライブ運びに、バンドと観客の気持ちがしっかり通じ合っているのがよく分かったし、彼らがライブという場をいかに大事にしているかが伝わってきた。

MCではこの日、この場所を選んでくれた観客への感謝を告げた山口が、「せっかくのツアーファイナルだから」とゲストプレイヤーの高田真路(chef's/Key)を招聘。「今回、この5人でスペシャルなosageを余すところなくお届けしようと思います」と告げると、「もし知ってたら、一緒に歌って下さい」とギターを鳴らし、会場中が歌声を合わせる美しい光景で始まったのは「世明けの唄」。鍵盤が加わり厚みを増したサウンドと、たっぷり気持ちを乗せた歌声で、一人ひとりに愛を届ける。

曲中に金廣洸輝(Gt.Cho)とヒロ クサマ(Ba,Cho)がフロントに躍り出て、前のめりなプレイで観客をリードした「少年少女」に続いて披露したのは、新曲「Selfie」。演奏前に山口の説明でコール&レスポンスを練習し、会場中がクラップと歌声を合わせたこの曲は、ツアーを通して盛り上がり必至のライブ仕様へと成長していた。

さらにエネルギッシュな歌と演奏で観客の心を曇った空の果てまで連れていった「letter」と続くと、MCでは『フラグメント e.p』を掲げたツアーの充実っぷりを語った山口。「リリースツアーじゃないんだけど、出したCDの4曲は俺たちの名刺代わりと呼ぶに相応しい、ちゃんとosageらしさを残した曲になってます」と最新作を改めて紹介して、中でも特にお気に入りという「トワイライト」を披露。夜を想起させるクールな楽曲で見せた大人な表情も、osageの新たな一面であり最新型。

「残り香」、「夜煩い」と同じく夜を想起させる、色気あるミディアムな曲が続いて会場をしっとりした空気で包むと、山口と高田以外のメンバーがステージを後にしてMCへ。ツアー中、メンバーに全員のサインが入った特別仕様の“ピックを挟むためのもの(ピックホルダー)”をプレゼントされたという仲良しエピソードを明かした山口は、「そんな愛すべきメンバーが今、ここにいないんです。俺だけ取り残されちゃったんだけど。生活の中で同じように、「俺だけ取り残されちゃったな」と感じた時に書いた曲です」と曲紹介し、ピアノの伴奏で「ドライフラワー」を熱唱。

ピアノの美しい旋律に乗せた、たっぷり気持ちを込めたウエットで感傷的な歌声で聴く者の胸を締め付ける山口のボーカル。バンドサウンドと異なり、ささやくような声や息遣いまで伝わってくるピアノでの独唱はワンマンならではだし、osageの他にない個性や魅力のひとつが山口のボーカルにあることを再確認させてくれた。

ライブ後半戦を告げたMCでは、「今年の秋から、めちゃめちゃ熱いツーマンツアーをやります!」と告げ、10月よりスタートする、全国10都市をまわるツアー 『osage LIVE TOUR 2025“アイワナビーナカヨシ”』の開催を発表。osageのこれからに期待をさせると「ジオメトリック」で再びフロアを熱くし、「赤に藍」の曲中で改めてメンバー紹介。

テクニックと安定感を兼ね備えた田中&クサマのリズム隊の正確なビートに乗せた、感情溢れるギターソロで存在感を放つ金廣。その堂々たるプレイの裏付けには、『フラグメントe.p』の取材時に話してくれた「俺はosageのギタリストだ」という自信があるのだろう。ツアーを経て、個々の自信もバンドの結束力もより強固さを増した4人。「俺たちの物語はただただ前に進むだけ!」と告げて始まった「スニーカー」でポジティブなエネルギーをぶっ放すと、フロアは最高潮の盛り上がりを見せる。

“monument=記念碑”の意味を持つツアータイトルについて話したMCでは、「ライブハウスで待ち合わせして、俺たちがこうして巡り会えたのはとても幸せなことだし、この偶然みたいなわずかな可能性を必然に変えるのがロックバンドなんじゃないか?と思います」と語り、スマホ一つで何でも情報が得られるこの時代にわざわざ全国ツアーを回る意味、そしてそこに集まってくれる人への感謝を告げた山口。

ライブはいよいよクライマックスへ突入し、「これはただの出会いじゃなくて、運命的な出会い!」と“絶対”の存在である一人ひとりに向けて「マイダイアリー」を届けると、「ウーロンハイと春に」で十年後も二十年後も変わらず一緒にいることを約束。フロアからはその想いに応えるように、熱いシンガロングが起きる。

最後のMCでは名残惜しむようにツアーを振り返り、「出会ってくれてありがとう」と観客に素直な想いを伝えると、あなたがいてくれることへの感謝と喜びを熱く語った山口。「このツアーが終わる頃には春が来る。どうか、あなたの中でこの曲が芽を出して、少しながらでも生活を彩ってくれますように」と祈るように告げ、「あなたが見つけたのは、osageという音楽でした」と始まったラストナンバーは新曲「春のベランダ」。

六畳一間で生まれたという、春の陽だまりのように暖かいバラードソングが、観客一人ひとりの心にじんわりと染み込んでるのが分かったこの曲。osageがバンドとして日々進化しながら、あなたに伝えたい想いや芯の部分はなにも変わらないことを証明するような、優しく温かみのあるエンディングでツアーをしっかり締めくくって最終日をフィニッシュ。終演後のフロアは観客の晴れ晴れとした笑顔で溢れていた――。

そして、ここからはライブが終わってからの話。前日くらいから暖かい日が続き、春の訪れを感じてさせた東京だったが。ライブの帰り道、いつもの帰り道に昨日一昨日まで咲いてなかった桜が花を咲かせてることに気づいた時、ラストに披露した「春のベランダ」がふっと頭に浮かんだ。そしてこの日、ライブに訪れた人は同じような経験をしてるんじゃないか?と考えた時、ツアータイトルに“monument=記念碑”と付けた意味がよく分かった気がした。来年再来年とまたこの時期に春の訪れを感じた時、この日osageがみんなで刻んだ記念碑と、温かい気持ちをふと思い出すのだろうと想像すると、なんだか嬉しい。

SET LIST

01. フラグメント
02. フロイト
03. 最終兵器
04. Greenback
05. 世明けの唄
06. 少年少女
07. Selfie
08. letter
09. トワイライト
10. 残り香
11. 夜煩い
12. ドライフラワー
13. ジオメトリック
14. 赤に藍
15. スニーカー
16. マイダイアリー
17. ウーロンハイと春に
18. 春のベランダ

公演情報

DISK GARAGE公演

osage LIVE TOUR 2025「アイワナビーナカヨシ」

2025年10月18日(土)仙台 LIVE HOUSE enn2nd
2025年10月19日(日)宇都宮 HEAVEN’S ROCK宇都宮VJ4
2025年10月25日(土)神戸 太陽と虎
2025年10月26日(日)金沢 vanvan V4
2025年11月1日(土)大阪 Music Club JANUS
2025年11月2日(日)福岡 CB
2025年11月8日(土)名古屋SPADE BOX
2025年11月9日(日)岡山 YEBISU YA PRO
2025年11月16日(日)札幌 SPiCE
2025年11月22日(土)渋谷CLUB QUATTRO

※各公演ゲスト有り

プレオーダー受付
受付期間:2025年4月2日(水)13:00~4月9日(水)23:59
イープラス

  • フジジュン

    取材・文

    フジジュン

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  • 撮影

    sotaro goto

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