GOOD BYE APRIL、メジャー1stフルアルバムを携えて開催した東名阪ワンマンツアー完走!ファイナル・渋谷WWW公演をレポート

ライブレポート | 2025.03.03 18:00

GOOD BYE APRIL ONEMAN TOUR 2025 - HEART PORTRAIT -
2025年2月11日(火・祝)Shibuya WWW X
ゲストミュージシャン:はらかなこ(Key) / 藤田淳之介(Sax/TRI4TH) / 織田祐亮(Tp/TRI4TH) / 湯浅佳代子(Tb)

GOOD BYE APRILがメジャー1stフルアルバム『HEARTDUST』を引っ提げて開催した東名阪ワンマンツアー「HEART PORTRAIT」。初日名古屋公演は、はらかなこ(Key)、大阪公演はジャズバンドTRI4THの藤田淳之介(Sax)をサポートに迎え、ファイナルの東京公演は前述2名と湯浅佳代子(Tb)、TRI4THの織田祐亮(Tp)を招き総勢8人編成のステージを届けた。全公演異なる編成とセットリストで臨むことからも、バンドのタフネスと音楽への飽くなき好奇心が伝わってくる。東京公演はチケットもソールドアウトし、渋谷WWW Xに集まった観客は豊かな音色を存分に味わった。

メンバー4人と、はらがステージに登場し、アルバムのラストを飾る「優しい歌」でゆったりとツアーファイナルの幕を開けると、ホーン隊3人が加わるや否やスケールの大きな演奏で包み込んで鮮やかに「Xanadu」へとつないだ。観客も次々と軽やかにクラップを打ち鳴らし、高揚を全身で表現する。ホーン隊のソロ回しを挟んで「サイレンスで踊りたい」へとなだれ込むと、8人は躍動感と弾力のあるグルーヴで会場を魅了した。徐々にギアを上げていくドラマチックな展開は、GOOD BYE APRILのピュアリティとロマンチシズムを十二分に際立たせる。

ホーン隊が下がり「かなしいピンク」を5人編成で届けると、吉田卓史(Gt)と延本文音(Ba)の南大阪出身コンビによる軽快なトークが場を盛り上げる。「この東京公演(のセットリストと編成)も1回きりで、素晴らしいゲストミュージシャンの皆さんと共にたっぷりとお送りしていきます。自由に存分に楽しんでいってください」という倉品翔(Vo/Gt)の呼び掛けから演奏した「ポートレイト・ラヴソング」は、重みのある音色で軽やかなビートを刻むつのけん(Dr)のドラムがアクセントになり、ライブならではの音の旨味を感じさせた。

倉品翔(Vo/Gt)

延本文音(Ba)

吉田卓史(Gt)

つのけん(Dr)

このツアーではタイトルにちなんで歌詞に“ハート”が入っている過去楽曲を各公演でセレクトしているとのことで、東京公演では「plastic」が披露された。GOOD BYE APRILのライブの特徴のひとつに、曲と曲のつなぎをなめらかにするなどひとつの物語を編むような様々なギミックが散りばめられていることが挙げられるが、そのすべてがセッションのように自然発生的な空気感を宿しているのが印象深い。もちろんそれは日々の粉骨砕身の鍛錬があって成し遂げられるものだろうが、4人の軸や動機は音楽への愛情と能動的に楽しむ心だからこそ、ライブにおいて情景や心情をブライトに描いた楽曲は立体的に響き、彩度高く輝くのだろう。

その後もノンストップでレゲエのテイストを織り交ぜた「Highway Coconuts」、豊かなコーラスとサンバ風のリズムが心躍る「君は僕のマゼンタ」と会場を常夏に彩ると、トランペットとトロンボーンを加えた7人編成でリアレンジした2014年リリースのシングル『アイム・イン・ユー』収録の「さよならのいきもの」を、サックスを加えた6人編成で「Dusty Light」を届ける。心の内側を丁寧に汲み取る繊細な歌と演奏に酔いしれていると、「夜明けの列車に飛び乗って」では颯爽と煌びやかな雪景色へといざなわれた。GOOD BYE APRILの描く四季を旅するような、幻想的なひとときだった。

湯浅佳代子(Tb) / 織田祐亮(Tp/TRI4TH)

藤田淳之介(Sax/TRI4TH)

長尺のMCパートでは「10年以上一緒にバンドをやっているメンバー同士でも知らないことがまだまだたくさんある」という起句から、自分が名付けられる際に候補に挙がっていたのはどんな名前だったのかという話題で盛り上がる。延本は「寂夜(さよ)」、倉品は「あきら」だったとエピソードとともに語ると、話の流れから藤田の名前の候補が「雪之丞」であったと判明し、メンバーの新たな一面を知る貴重な機会に会場も大いに沸いた。

和気あいあいとしたトークを繰り広げたあとはライブも後編に差し掛かる。ゴスペルライクなコーラスワークが印象的な「feel my hush」で再び会場をロマンチシズムで満たすと、再びこの日のフルメンバーが揃い、華やかなソロ回しを含んだ「Interlude #1」、8人のアンサンブルが光る「CITY ROMANCE」で会場を情熱的に染め上げ、「missing summer」では藤田がステージ前方に躍り出たり、倉品がつのけんの元に寄って演奏するなど朗らかなムードで演奏の集中力と強度を高めた。そこからスマートに「Love Letter」へとつなげ、晴れやかかつ力強く本編を締めくくる。最後までひたすらに、メンバー全員の「いいライブにしたい」という強い願いとアーティストとしての誇りが凛と鳴り響いていた。

アンコールでは4月4日に「Major Debut 2nd Anniversary ~LIVE&TALK SHOW~」を恵比寿BLUE NOTE PLACEにて開催することを発表する。“スペシャルゲスト”とのトークが重要なイベントになるとのことで、観客の期待を煽った。

観客のクラップに乗せて「リップのせいにして」を軽快に演奏すると、倉品はあらためて結成からの約14年間、自分たちにしかできないポップミュージックを信じてきた旨をまっすぐ語り、紆余曲折を経てメジャーデビューをした先にこの日満員の観客に出迎えられたことについて「僕らの作ってきた曲たちもすごく喜んでいると思う」と笑顔を見せる。ホーン隊も加わり8人編成でメジャーデビュー曲「BRAND NEW MEMORY」を優しさに富んだ音色で届けた後は、メンバー4人がステージに残り、倉品がギターをエレアコに持ち替え、延本とつのけんがハンドマイクでステージの前方に並んだ。

はらかなこ(Key)

倉品が「14年間ずっと自分たちの音楽に心を突き動かされてきた。バンドを続けて来れた理由はそれだけなんじゃないかなと思います。それは全然当たり前のことではないので、1年1年積み重ねて来れたことがすごくうれしいし、皆さんとこの時間を過ごせたことを誇りに思います。結成15年目を大事に駆け抜けていきます」とあらためて感謝を述べると、倉品と吉田の演奏に乗せて4人のボーカルで「キレイ」をアコースティックアレンジで届けた。歴史を感じる奥行きと深み、いつまでも音楽にときめき続けている純度と鮮度。それらが溶け合った音と歌声は、どこまでも澄み渡っていた。

GOOD BYE APRILが結成から変わらずに自分たちの生み出した音楽を大切に愛でてこれたのは、すべての楽曲に彼らの美学や思考が嘘なく表現できているからだろう。だからこそ彼らは自分たちの音楽に健全な誇りを持っていられるし、10年以上前に制作した楽曲も今の4人の地続きであるから矛盾も生じない。ずっと変わらずに自分たちの音楽に喜びを感じ続けてきた彼らのライブは、どんな感情が込められた楽曲であってもポジティブなムードで観客を巻き込むことができる。それをあらためて実感した一夜だった。

SET LIST

01. 優しい歌
02. Xanadu
03. サイレンスで踊りたい
04. かなしいピンク
05. ポートレイト・ラヴソング
06. plastic
07. Highway Coconuts
08. 君は僕のマゼンタ
09. さよならのいきもの
10. Dusty Light
11. 夜明けの列車に飛び乗って
12. feel my hush
13. Interlude #1
14. CITY ROMANCE
15. missing summer
16. Love Letter

ENCORE
01. リップのせいにして
02. BRAND NEW MEMORY
03. キレイ

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