小山田壮平の企画イベントで、おとぼけビ~バ~が大激走。異色と必然が生み出した「ダンニャバード」な空間

ライブレポート | 2025.02.02 18:00

小山田壮平「ダンニャバード」
2025年1月28日(火)Spotify O-WEST
【出演】小山田壮平Band×おとぼけビ~バ~

2025年1月28日(火)、Spotify O-WESTにて、小山田壮平Bandとおとぼけビ~バ~のライブイベント『ダンニャバード』が行われた。

おとぼけビ~バ~

これまで何年も欧米をツアーし続けてきたが、2024年はRED HOT CHILI PEPPERSの北米ツアーへのゲスト出演や、グラストンベリー・フェスティバルへの参加などで国内でも注目を集め、秋から冬にかけて行った国内ツアーが軒並みソールドアウトするなど、2009年の結成以来もっともいい状況を迎えているおとぼけビ~バ~が、先に出演。50分の持ち時間で21曲を演奏・2分巻いて終了、という、短距離走のようなステージを、この日も見せた。

あっこりんりん(Vo)
よよよしえ(Gt)

おとぼけビ~バ~目当てで来たファンは、曲が終わるたびに歓声を挙げてリアクションし、噂のおとぼけビ~バ~を初めて観た人は息を呑み、全然知らずに観た小山田壮平ファンは、ただただ絶句する──と、超満員のオーディエンスの反応が三分割になるさまは、なかなかの壮観。後半でボーカルのあっこりんりん、フロアを見渡して、「めちゃめちゃ冷たい目の女の子、逆に興奮するんで」と言い放つ。

ひろちゃん(Ba)
かほキッス(Dr)

ただ、中盤のMCでは「見事に客層がかぶってなさそうなイベントなんですけど、不思議なことに私はめちゃくちゃandymori、通ってる、っていう」。
20歳の時、一緒に『京都音博』に行った時、andymoriの出番になるとあっこりんりんが「ちょっと行って来るわ!」と前へダッシュ、終わって戻って来て「私、初めて男の人の名前、叫んでしまった。壮平!って叫んじゃった」と報告された──というエピソードを、ギターのよよよしえが明かした。なお、小山田壮平と初めて会ったのは、2024年のやついフェスだったという。

この日、おとぼけビ~バ~は、ライブの中盤あたりから、未音源化の新曲を何曲も演奏。自分がいちばん最近に観たおとぼけビ~バ~のライブは、2024年12月15日の味園ユニバースだが、その日も披露していた「めんどいだるい眠いしんどい体調の良い日がない」や「ニューアルバムはまだですか」などもあれば、今日ここで初めて聴いた「おまえのくだらん口説き文句嫁だけインポテンツ」や「おまえのストライクゾーン入らんでよし」などもあり。21曲中6曲を占めた。
ラストの21曲目「あなたわたし抱いたあとよめのめし」の演奏を終えると同時に、あっこりんりんはマイクを、ドラムのかほキッスはスティックを、床に叩きつけてステージを去った。

小山田壮平Band

小山田壮平Bandのステージは、「Life Is Party」で始まり「すごい速さ」で終わる本編13曲+アンコールで「サイン」を追加した全14曲。
2020年9月リリースのファースト・ソロアルバム『THE TRAVELING LIFE』から2曲(夕暮れのハイ/雨の散歩道)、2024年1月リリースのセカンド・アルバム『時をかけるメロディー』から6曲(アルティッチョの夜/マジカルダンサー/スライディングギター/時をかけるメロディー/彼女のジャズマスター/サイン)、andymori時代のレパートリーから6曲(Life Is Party/空は藍色/投げKISSをあげるよ/グロリアス軽トラ/革命/すごい速さ)──という内訳だった。

小山田壮平(Vo&Gt)

「Life Is Party」「アルティッチョの夜」「空は藍色」の、頭の3曲を演奏し終えたところで小山田壮平、「おとぼけビ~バ~、ありがとうございました」とお礼を伝え、「ここで主催の挨拶を。僕が企画したイベントなんです」と、本日の趣旨を説明する。
「ダンニャバード」とはヒンディー語で「ありがとう」という意味で、自分がインドやネパールを旅した時によくきいていた言葉で、響きがすごく好き。ヒンドゥー教圏を旅していると、そこらじゅうに神様が溢れていて、ハイテンションになるし、神聖な気持ちにもなる。「ダンニャバード」は、普段言う「ありがとう」のような、何かをしてくれたことに対するお礼ではなくて、存在自体に「ダンニャバード」と伝えるような感じがあったんです──。
というあたりまで話して、照れくさくなったのか、ベースの藤原寛に「そんな冷たい、哀しい目で……」と抗議したり、ドラムの久富奈良に「奈良くん、ダンニャバード!」と呼びかけたりする。

藤原寛(Ba)

久富奈良(Dr)
岡愛子(Gt)

「投げKISSをあげるよ」と「グロリアス軽トラ」、andymoriの名曲を2曲続けたあと、さっき、よよよしえも話した、おとぼけビ~バ~との最初の出会いについて補足。2024年のやついフェスの時、打ち上げでよよよしえが近づいて来て、大声で「革命」を歌い始めた、他の出演者もいっぱいいるのに──という話から、その「革命」に入る小山田壮平だった。

小山田壮平(Vo&Gt)

10曲目の「時をかけるメロディー」、音源では弾き語りのこの曲をバンド編成で聴かせて、O-WESTを清冽な空気で満たしてから、「雨の散歩道」「彼女のジャズマスター」「すごい速さ」の3曲でオーディエンスを歓喜させ、本編が終了。

アンコールに応えて歌う前に、「じゃあ、愛しいみなさんに最後に1曲捧げて。『サイン』という曲です」と小山田。「10年たったら旅にでよう 南の国がいいな」と2009年に歌った「Life Is Party」で始まること。イベント名がヒンディー教圏で出会った「ダンニャバード」であること。最後の曲が「忘れないでいてね 忘れないでいるよ この心の歌を」と歌う、最新アルバムの「サイン」だったこと。など、今、小山田壮平が表したいことを、聴き手に伝えたいことを、14曲かけて届けるようなステージだった。

次の小山田壮平の大きなアクションは、既に発表になっている「⼩⼭⽥壮平 バンドツアー2025」。4月19日福岡から6月5日東京・Zepp Haneda (TOKYO)まで、全国9本を回る。

SET LIST

■小山田壮平
01.Life Is Party
02.アルティッチョの夜
03.空は藍色
04.投げKISSをあげるよ
05.グロリアス軽トラ
06.革命
07.夕暮れのハイ
08.マジカルダンサー
09.スライディングギター
10.時をかけるメロディー
11.雨の散歩道
12.彼女のジャズマスター
13.すごい速さ
ENCORE
14.サイン

公演情報

DISK GARAGE公演

【⼩⼭⽥壮平】ライブ情報

「⼩⼭⽥壮平 バンドツアー2025」
2025年4月19日(土)福岡・DRUM LOGOS
2025年4月22日(火)神奈川・KT Zepp Yokohama
2025年4月27日(日)大阪・大坂城音楽堂
2025年5月3日(土祝)愛知・名古屋THE BOTTOM LINE
2025年5月6 日(火祝)宮城・仙台Rensa
2025年5月11日(日)新潟・新潟LOTS
2025年5月18日(日)広島・CLUB QUATTRO
2025年5月25日(日)香川・高松DIME
2025年6月1日(日)北海道・札幌PENNY LANE24
2025年6月5日(木)東京・Zepp Haneda (TOKYO)

◾️オフィシャル2次先行抽選
受付期間:2025年1月28日(火)12:00〜2025年2月2日(日)23:59
≫ 受付URL

 

◾️SPEEDSTAR CLUB先行
受付期間:2025年2月10日(月)12:00〜2025年2月16日(日)23:59

 

◾️チケット一般発売日
2025年3月15日(土)18:00〜

【おとぼけビ~バ~】ライブ情報

「お年玉GIG 2025」
2025年2月9日(日)愛知・名古屋クラブクアトロ

「SING ALONG FOREVER 2025」
2025年3月22日(土)大阪・Creative Center Osaka(大阪 名村造船所跡地 3会場)

  • 兵庫慎司

    取材・文

    兵庫慎司

    • ツイッター
  • 撮影

    佐藤哲郎

    • ツイッター
    • instagram

SHARE

小山田壮平の関連記事

アーティストページへ

最新記事

もっと見る