osage、Dannie May、帝国喫茶が出演!熱い音楽とオーディエンスの熱気、ライブハウスに渦巻く様々な感情をスパイラルさせるイベント『TOKYO SPIRAL』初開催

ライブレポート | 2024.07.24 18:00

TOKYO SPIRAL
2024年7月4日(木)SHIBUYA DIVE
出演[50音順]:osage/Dannie May/帝国喫茶

出演バンドの熱い音楽とオーディエンスの熱気、ライブハウスに渦巻く様々な感情をスパイラルさせて、さらなる高みへ上昇していくというコンセプトで立ち上げた、ディスクガレージ主催による『TOKYO SPIRAL』が開催された。

osage、帝国喫茶、Dannie Mayと、いまライブハウスを賑わす若手バンド3組が集結したこの日。ド平日ながらSHIBUYA DIVEにはそれぞれのバンドの熱心なファンや、この組み合わせがスパイラルして起こす化学反応に期待するオーディエンスが集い、開演前からフロアには熱気が充満。もう、楽しい予感しかしない。

開演時間となり、トップバッターとして登場したのは帝国喫茶。杉浦祐輝(Gt.Vo)がスウッとひと息吸い、透明感ある歌声とギターで1曲目「夜に叶えて」で素敵な夜の幕開けを宣言すると、「帝国喫茶です、よろしく!」の挨拶にバンド演奏が重なる。軽快な曲調に体を揺らし、自然と笑みが浮かぶオーディエンス。<渋谷の街にロマンスを>と歌詞をかえて歌うOPナンバーに続くのは、牧歌的なラブソング「貴方日和」。帝国喫茶の持つ温かい空気感が、会場を優しく包みこむ。

帝国喫茶

「この渋谷のちょっと外れたところに、3組とみんなでスパイラルを巻き起こせたらなって思ってるんですけど。イケますか?」と杉浦が語りかけ、始まった曲は前日にリリースしたばかりの新曲「なんとなく」。ゆったりとした曲調に乗せた人懐っこいボーカルが、近しい人が語りかけるように響くこの曲。<僕がずっとまもるよ>といったフレーズが、心強く優しい。

杉浦祐輝(Gt.Vo)

杉崎拓斗(Dr)の小気味よいビートにオーディエンスが手拍子を合わせて始まった「東京駅」は、アクリ(Gt)の歌うようなギターと、疋田耀(Ba)の踊るようなベースが一丸となって描く楽曲風景に乗せた、アコギを鳴らす杉浦の優しく切ない歌声が印象的に響く。さらに<愛していたいよ>と感傷的な歌声で始まった「君が月」と続き、ドラマチックな曲調と感情豊かなボーカルで聴く者の胸を締め付けると、「ガソリンタンク」のエネルギッシュな歌と演奏がフロアに燃料を注ぎ、着火したオーディエンスから拳と歌声が上がる。

杉崎拓斗(Dr)

疋田耀(Ba)

アクリ(Gt)

MCでは11月16日(土)にZepp DiverCity(TOKYO)でワンマンを行うことを告知し、ライブは終盤戦へ。丁寧に力強く、たっぷり気持ちを込めた歌と演奏で魅せた「じゃなくて」から、疾走感ある「燦然と輝くとは」へと勢いよく駆け抜けてフィニッシュ。優しく切なく美しく激しくと心揺さぶる展開に「もっと見たい!」と思わせてくれた帝国喫茶のアクトは、Zeppワンマンで思う存分堪能して欲しい。

続くosageは「渋谷やろうか?」と山口ケンタ(Gt&Vo)が告げ、「セトモノ」で勢いよくライブがスタート。タイトな演奏に乗せた、山口の伸びやかで感情豊かな歌声。「本日SHIBUYA DIVEにお集まりのみなさん! あなたの大好きな音楽が今日だけは」と挟み、<誰にも邪魔されぬように>と、オーディエンスに自身の言葉を届ける。続く「letter」では、山口のリードで手拍子を合わせるフロアに一体感が生まれるとエモーショナルな楽曲でしっかり心を惹きつけ、ライブ序盤からオーディエンスの気持ちをガッツリ掴む。

osage

「ド平日にも関わらず、これだけたくさんの人にお集まりいただいてありがとうございます」という挨拶で始まったMCでは、「残念ながら3バンド全部、与えられた時間は同じなんですが。与えられた時間、みなさんに残念だと思われないようにしっかり歌って帰ります」と山口が意気込みを告げて「フロイト」へ。

山口ケンタ(Gt&Vo)

ドラムパッドも用いた田中優希(Dr)のビートとヒロ クサマ(Ba&Cho)のエフェクティブなベース、金廣洸輝(Gt&Cho)の浮遊感あるギターに山口がハンドマイクで色気あるボーカルを聴かせてドープな世界観へ誘うと、妖艶な「ニューロマンス」と続き、バンドの広い振り幅と深い奥行きで魅せた4人。アップテンポな曲調にオーディエンスが体を揺らし、熱を上げるフロアに「最高です、どうもありがとう!」と山口が笑顔を見せる。

ヒロ クサマ(Ba&Cho)

田中優希(Dr)

MCでは2月にリリースした3rd MINI ALBUM『ENSEMBLE CAST』を掲げてツアーを回っていること、7月27日(土)に渋谷WWW Xで東京公演となるワンマンライブを行うことを告げた山口。EP収録の「夜煩い」を雰囲気たっぷりに届けると、「新曲やります」と6月にリリースされたばかりの「残り香」を披露。ポップなサウンドとしっかり聴かせる歌とメロディ。ここまでのライブ展開にも思ってたが、ジャンルやバンドサウンドにもとらわれない、様々な表情や魅力を見せるosageのステージは、観るほどに興味が深まっていく。

金廣洸輝(Gt&Cho)

痛快なバンドサウンドでフロアを揺らした「アナログ」と続き、ラストは「あなたの心の隅に俺たちが居座りたいという曲を残して帰ります」と放った「ウーロンハイと春に」。一音一音に気持ちを込めた歌と演奏に彼らの熱い想いと誠実さを感じ、ギュッと拳を握った俺。「俺たちはまだまだ大丈夫」の言葉が強く響いた。

この日のトリを努めたのは、Dannie May。ライブを観るのは初めてながら、マサ(Vo&Gt)、Yuno(Vo&KANTOKU)、田中タリラ(Vo&Key)にサポートドラムを加えた異色の編成に興味津々だったこのバンド。1曲目「東京シンドローム」でライブが始まると、ドラムとギターを軸としたロックサウンドに華やかさと混沌を添えるデジタルサウンド、厚みや迫力と求心力のあるトリプルボーカルにグッと惹かれる。お~、カッコいい!

Dannie May

ど頭から熱気上がるフロアを「こんなもんじゃ終わんねぇぞ。心をひとつにするんだ!」と煽り、続いて始まった曲は「黄ノ歌(オウカ)」。痛快な4つ打ちとキャッチーなメロディが心地良い楽曲に体を揺らすオーディエンスに、「ワンマンのつもりで来ました、Dannie Mayです!」とライブに賭ける意気込みを告げる。

マサ(Vo&Gt)

「『TOKYO SPIRAL』ということで、渦を巻き起こしに来たんですが。みんな渦の一部になる準備は出来てますか?」と始まったMCでは、マサのリードでサイドステップの練習をして、新曲「アストロビート」に突入。ポップでダンサブルな曲調に会場中がサイドステップを合わせてフロアをダンスホールに変えると、間髪入れずに「ええじゃないか」へ。手拍子やタオル回しを合わせる観客を「巻き起こせ、スパイラル!」とさらに煽り、会場の熱気が螺旋状に急上昇していく。

Yuno(Vo&MPC&Key)

ギターを置き、ハンドマイクでグッとフロアに迫ったマサが「さぁさぁ、元気出して行きましょう渋谷!」と叫び、「ぐーぐーぐー」が始まると「ワンマンのつもりで来ました」の予告通り、もはや彼らの独壇場。まだまだパーティーは終わらないとばかりに踊りまくるオーディエンスがコール&レスポンスでひとつになり、「いいですね、最高ですね!」とマサがニヤリと笑う。アッパーなビートと全員がかりでブチアゲるライブスタイルが楽しすぎて、俺も仕事を忘れて踊り狂ってしまったのは内緒の話。

クールな4つ打ちディスコチューン「KAMIKAZE」で会場の雰囲気を変えると、グルーヴィーな「カオカオ」へ。あらゆる音楽ジャンルを取り入れた引き出しの多さと、それを自分たち色に表現するスキルとセンスの高さは驚かされるばかりだが。そんな理屈は抜きにして、オーディエンスがとにかく自由に楽しく踊る姿が印象的だった彼らのライブ。

田中タリラ(Vo&Key)

成瀬太智(Support Dr)

「Dannie May最高でしょ? 明日から仕事ある人も学校ある人も、全部吹き飛ばすくらい楽しいライブにしたつもりなんで。最後、もうひと声だけもらって良いですか?」と呼びかけ、会場中が美しい歌声を合わせて始まったラストナンバーは「コレクション」。<いつか高く飛べよ 輝く未来へ>と前向きなメッセージを気持ちいっぱいに届け、熱い音楽とオーディエンスの熱気、様々な感情をスパイラルさせて『TOKYO SPIRAL』を締めくくった。

本編終了後は鳴り止まないアンコールに、予定に無かった「アストロビート」をおかわり披露して、オーディエンスの興奮冷めやらぬ中でフィニッシュ。いつまでもライブの熱気と余韻が残るフロアが、イベントの大成功を物語っていた。

SET LIST※出演順

【帝国喫茶】
01.夜に叶えて
02.貴方日和
03.なんとなく
04.東京駅
05.君が月
06.ガソリンタンク
07.じゃなくて
08.燦然と輝くとは

【osage】
01.セトモノ
02.letter
03.フロイト
04.ニューロマンス
05.夜煩い
06.残り香
07.アナログ
08.ウーロンハイと春に

【Dannie May】
01.東京シンドローム
02.黄ノ歌(オウカ)
03.アストロビート
04.ええじゃないか
05.ぐーぐーぐー
06.KAMIKAZE
07.カオカオ
08.コレクション

ENCORE
09.アストロビート

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