YATSUI FESTIVAL! 2022 6/19(日)DAY2レポ

ライブレポート | 2022.06.28 12:40

撮影:清水ケンシロウ

2022年6月19日(日)Spotify O-EAST / Spotify O-WEST / Spotify O-nest / Spotify O-Crest / duo MUSIC EXCHANGE / clubasia / 7th FLOOR / LOFT9 Shibuya / HARLEM PLUS / 東間屋 / 他配信

エレキコミックやついいちろうプレゼンツの『YATSUI FESTIVAL! 2022』(以下『やついフェス』)の2日目は、O-EASTのやついいちろうのDJ→怒髪天のライブでスタート。
やっつんに1回目からお誘いいただいていたがスケジュールが合わなくて出られなかった、11回目でやっと出ることができた、今日はその10年分を全部詰め込もうと思う、10回分の思いを込めて──と、最初のMCで宣言。以降もその言葉どおりの熱いステージングで、オーディエンスを熱狂させる。
そのO-EASTのサブステージは「お笑いコーナー」で使われるが、2日間で唯一の例外だったのが、怒髪天に続いてライブをスタートしたDEATHRO。「ハロー渋谷! 紹介に預かりました、俺が『やついロックフェス』初登場、from神奈川県愛甲郡愛川町、県央ナンバーワン・ロックボーカリスト、DEATHRO!」という自己紹介からスタート。ステージが狭く感じるほどアクティブなパフォーマンスを見せる。

DJやついいちろう 撮影:清水ケンシロウ

怒髪天 撮影:清水ケンシロウ

DEATHRO 撮影:清水ケンシロウ

隣のduo MUSIC EXCHANGEのトップを飾ったI’sは、現在タレントとしても活躍中のあのが、2021年8月に結成したバンド。ゆるめるモ! 在籍時は何度も『やついフェス』に出ているが、バンドになってからは初めて。あの、duoを埋めたオーディエンスに、ギターをガシガシ弾きながら次から次へと曲を放っていく。最初のMCであの、「呼んでくれてありがとうございます、やついさん。よく街で見かけるんです、やついさん。でも声かけないです、悪いと思って。そういう存在なんです」。
O-EASTの二番手、MOROHAのAFROは、DJやトークの会場になっているバー東間屋で、13時から行われた、宮迫博之の焼肉屋「牛宮城」の弁当即売会に行列ができていたことに触れて、「今日は闘いの日でございます。武尊、天心、宮迫、MOROHA、やつい──」という言葉から「俺のがヤバイ」に突入。ラストの「五文銭」の前には、笑顔で「フェスで楽しんでる奴なんて、基本的に俺は嫌いです。大嫌いな皆様に捧げます」と言い、大きな拍手を浴びた。

I's 撮影:江藤はんな(SHERPA+)

MOROHA 撮影:SUNAO HONDA

1日目も2日目も、初登場や二回目の、新しいアクトが増えていることが、2022年の『やついフェス』の特徴のひとつである。と、1日目のレポにも書いたが、それは音楽だけに限らない。「お笑いコーナー」も、最近注目を集めている若手が出演したり、MC担当の芸人が変わったりしている。
O-EASTのMOROHAと忘れらんねえよの間に出演したダウ90000、かが屋など、爆発的にウケているグループも幾つもいた。片や、毎年登場で確実に笑いをさらう、阿佐ヶ谷姉妹、ザ・ギースなども、新しいスタイルのネタにチャレンジしていた。

かが屋 撮影:清水ケンシロウ

阿佐ヶ谷姉妹 撮影:清水ケンシロウ

ザ・ギース 撮影:清水ケンシロウ

続くO-EASTの忘れらんねえよの柴田隆浩は、「近況言っていいですか? 女にふられました!」と発表してから「俺よ届け」を歌いきる。歌い終えると「ふざけんなよ! メンバーにも言ってなかったよ、恥ずかしくて!」。ギターのロマンチック☆安田、「そういえば、最近言わないなと思ってました」と、それに応える。怒髪天の増子直純やMOROHAのAFROの、今日のステージ裏での様子を紹介してから、「バンドマンって最高におもしろいんすよ。おもしろくて優しくて、そんな奴らがライブハウスには住んでいるんですね。会いに来てね」という言葉から「この高まりをなんと呼ぶ」、続いて「犬にしてくれ」、そして「最後、新曲やって終わります。『I love you』」と、音源未発表の新曲で締めくくった。

忘れらんねえよ 撮影:清水ケンシロウ

2日目の『やついフェススペシャル歌合戦』は、MCやついいちろうの相方がマキタスポーツに代わり(やつい曰く「堂島孝平くんのマネージャーが「2日間は勘弁してくれ」って)、審査員はいとうせいこうと『トップガン マーヴェリック』仕様のトム・クルーズ(に扮したしまおまほ)。
小沢一敬(スピードワゴン)、ASH&Dコーポレーション(ザ・ギース、阿佐ヶ谷姉妹、ラブレターズの総勢6名)、宮迫博之、戸田恵子の4組が、歌を競った。
蚊の鳴くような声量&異様に狭い声域で、プリンセス・プリンセスの「Diamonds (ダイアモンド) 」を歌い出す度に、何度も「聴こえない!」とやつい&マキタに止められる、という、毎年恒例のやりとりで、爆笑を巻き起こした小沢一敬。ザ・ギース高佐のハープとラブレターズ塚本のアサラト(アフリカの民族楽器のパーカッション)を伴奏に、「残酷な天使のテーゼ」と「WAになっておどろう」をハモリながら歌い踊ったASH&Dチーム、までが常連組。
そして初登場、「私、やっつんには借りがありましてね。5年前の私の還暦ライブの時に、DJを引き受けてくれて、5ステージも付き合ってくださって、その借りを返すために。だから、今日で最後ってことで」という理由でオファーを受けたという戸田恵子。中村中が提供した2007年のシングル「強がり」を超絶な歌唱力で聴かせ、あまりのすばらしさにフロア呆然、歌が終わるとまさに割れんばかりの拍手がO-EASTを包んだ。マキタスポーツ、「すばらしい! よかったねきみたち、ようやく仕事できたね」と、バックを務めるCalmeraをねぎらう。
そして最後は、客前に出ることも、ましてや歌を歌うことも久々すぎて「あかん、緊張がえぐい」と言いながら登場した宮迫博之。やつい&マキタに心配されるほどのガチガチっぷりだったが、アカペラで「全てが僕の力になる!」を歌い始めた瞬間、その圧倒的な声量でオーディエンスを魅了する。ニコ生1の弾幕も絶賛の声で埋まり、結果、MVPに輝いた。

MC / やついxマキタスポーツ 撮影:SUNAO HONDA

審査員 / いとうせいこうxしまおまほ 撮影:SUNAO HONDA

小沢一敬 撮影:SUNAO HONDA

ASH&Dコーポレーション 撮影:SUNAO HONDA

戸田恵子 撮影:SUNAO HONDA

宮迫博之 撮影:SUNAO HONDA

歌合戦集合 撮影:SUNAO HONDA

歌合戦集合 撮影:SUNAO HONDA

その『歌合戦』と同じ時間のclub asiaでは、初恋の嵐がライブ。メンバーのベース隅倉弘至&ドラム鈴木正敏に、サポートでギター木暮晋也と玉川裕高、キーボード高野勲が加わった編成。ゲスト・ボーカルはセカイイチ岩崎慧とGOING UNDER GROUND松本素生。皆勤で『やついフェス』に出演して来た松本素生は、今年はこのステージで、記録を更新した。
17:20にO-WESTに登場したbetcover!! は、曲によってギターやフルートを使いながら歌う柳瀬二郎を取り囲むように、サポートのメンバー4人がギュッと集まったフォーメーション。オーディエンスみな、ただただ固唾を呑んで耳を傾けるしかない、鬼気迫る……いや「迫る」んじゃなくて「もう鬼」のようなインパクトのステージを見せつけた。

初恋の嵐 撮影:山下聡一朗

betcover!! 撮影:高田真希子

今年初登場のアクトたちの中でも、特にインパクトを残したのが、18:05からO-EASTに登場した22歳のヒューマンビートボクサー、SO-SO。台湾やポーランドのコンテストで優勝するなど、海外でも知られた存在である。
この日はまずひとりで30分、ループステーション→DJで、バキバキのダンス・トラックを放ち、続けて自身もメンバーである4人組のヒューマン・ビートボックス・クルー、SARUKANIによるパフォーマンスで、参加者の度肝を抜いた。

SO-SO 撮影:木下マリ

SARUKANI 撮影:木下マリ

先程『歌合戦』でMVPを獲得した宮迫博之は、O-EAST/19:20からの『お笑いコーナー』にも出演。Hi-Hi、コウメ太夫に続き、エレ片+Hi-Hi上田とのユニットコントに挑む。
コントの途中で突然泣き出して共演者たちを慌てさせたり(やつい「とにかくいろいろ勝手にやる。とにかく楽しくてしょうがないようだ。俺たちは先輩に合わせるしかない」とフォロー)、芝居の合間で「ちょっと待ってくれ! めちゃめちゃ楽しいな!」と叫んだりする。
挙句、アドリブで延々とコントを引き伸ばし、やついに「主催から言いますよ? もうやめてください!」と言い放たれた。

撮影:SUNAO HONDA

そして、ライブ・アクトの大トリは、今年4月にRYO-Z・ILMARI・FUMIYAの3人体制で再始動を発表、「5ヵ月連続シングルリリース」を宣言し、「Human Nature」「Gentleman」「After the rain」とリリースして来たRIP SLYME。5年ぶり、再始動後は一発目になるライブの場として、『やついフェス』を選んだ、ということである。
サポートで全曲WISEが加わった4人で「楽園ベイベー」でスタートし、「熱帯夜」で終わる全10曲。新曲の3曲も披露。そのうち、2日前にリリースされたばかりの「After the rain」は6曲目に披露されたが、フィーチャリングで参加しているシンガーAmiideは今ロンドンにいるので、彼女のパートを素敵なアーティストが──という紹介から、フレンズのおかもとえみが登場。そのままラストの「熱帯夜」まで、歌とラップで参加する。
RYO-Zによると、4月に再始動を発表した時に、最初にオファーをくれたのがやついだったという。「『やついフェス』の最高のオーディエンスと、やついくんにありがとう!」という感謝の言葉から、ラストの「熱帯夜」に突入した。

RIP SLYME撮影:清水ケンシロウ

RIP SLYMEからバトンを受けたDJやついいちろう、「『トロピカル源氏』で盛り上がらなくて怒る」おなじみのムーヴ等を経て、昨日同様に「FUNKY FUN!!!」で、今立進&片桐仁も加わる。
最後は今日も、残った出演者総登場で、曽我部恵一を中心に「月が今夜笑ってるから、ぼくらそっと東京の空を見上げる」を歌ってフィナーレ。
ステージを去る前に、これから小沢一敬・曽我部恵一・エレキコミックによる『やついフェス打ち上げ サッポロ生ビール黒ラベルで乾杯!』が配信されることなどを告知する、やついいちろう。精魂込めて、心身共に全力で、この2日間に向き合ったことが、ガラガラに枯れた声に表れていた。

DJやついいちろう 撮影:清水ケンシロウ

撮影:清水ケンシロウ

フィナーレ 撮影:清水ケンシロウ

フィナーレ 撮影:SUNAO HONDA

公演情報

DISK GARAGE公演

YATSUI FESTIVAL! 2022

2022年6月18日(土)19日(日) Spotify O-EAST / Spotify O-WEST / Spotify O-nest / Spotify O-Crest / duo MUSIC EXCHANGE / clubasia / 7th FLOOR / LOFT9 Shibuya / HARLEM PLUS / 東間屋
開場 / 開演(両日):11:30
WEB視聴プラットフォーム::LINE LIVE / LINE RECORDS / ニコニコ生放送 / YOUTUBE / and more…

■6月18日(土)出演者一覧130組
DJやついいちろう / 秋山璃月 / 新しい学校のリーダーズ / アップアップガールズ(2) / アップアップガールズ(プロレス) / アマイワナ / ぁみ(怪談家) / 磯村勇斗 / 伊藤彩沙 / いとうせいこう / 井戸田潤(スピードワゴン) / 伊山亮吉 / イワイガワ / インタレスティングたけし / 鋭児 / エキストラ / SKE48 11期研究生 / 江沼郁弥 / エレ片 / 大槻ケンヂ / おくまん / オジンオズボーン / おとんがポックリ残されたうちら / かにゃ / Calmera / 川辺素 / 河邑ミク / 川本真琴 / 北守さいか / 鬼頭哲(渋さ知らズ) / 奇妙礼太郎 / キュウ / グソクムズ / クボタカイ / 黒木ほの香 / Keishi Tanaka / ゲッターズ飯田 / Cody・Lee(李) / 越田You / サスペンダーズ / サツマカワRPG / さとうもか / サニーデイ・サービス / 三拍子 / 三遊亭わん丈 / 三遊亭とむ / ジェラードン / cinema staff / 渋さ知らズオーケストラ / しまおまほ / シャニムニ=パレード / ジャパネーズ / #ジューロック / SUSHIBOYS / スルメ / 大豆デンキュー/ 高井息吹 / 高城れに / 竹内アンナ / 竹内ズ / 田中貴(サニーデイ・サービス) / 玉置標本 / TEAM SHACHI / ちびシャトル / チャンス大城 / ちゃんもも◎(バンドじゃないもん!MAXNAKAYOSHI) / 月見峠 / TCクラクション / DJ戦隊デッカチャンヤッコチャン / DJ響 / 東郷清丸 / 堂島孝平 / DOTAMA / toddle / 飛石連休 / どんぐりたけし / ナイツ / ナナランド / 西寺郷太 (NONA REEVES) / 虹のコンキスタドール / 虹の黄昏 / 二丁目の魁カミングアウト / ニッキューナナ / にゃんこスター / 脳みそ夫/ No Buses / パーツイシバ / 爆烈Q / 橋田じょうじ / X-GUN / ばってん少女隊 / Have a Nice Day! / #ババババンビ / パンプキンポテトフライ / Bialystocks / ぷにぷに電機/ BROTHER SUN SISTER MOON / Helsinki Lambda Club / Homecomings / ホシカワ / ホットパンツしおり / ポップしなないで / ポルコ / ぽんぽこ / マグ万平 / マッカーサーアコンチ / ママタルト / Mom(弾き語り) / 眉村ちあき / Mega Shinnosuke / 八代亜紀 / やす子 / 山内あいな(SILENT SIREN) / ゆうらん船 / ゆきおとこ / 諭吉佳作/men / ゆけむりDJs / ゆってぃ / ようなぴ(DJ set) / yonawo / ライトガールズ / ラブリーサマーちゃん / ランボルマーチン / 冷蔵庫マン / Laura day romance / LOSTAGE / 渡部真一(渋さ知らズ) / わらふぢなるお / ワンダフルボーイズ / わんふぁす!

■6月19日(日)出演者111組
DJやついいちろう / I’s / 赤もみじ / 阿佐ヶ谷姉妹 / ASH&Dコーポレーション / アップアップガールズ(仮) / 一徹 / いとうせいこう / Wienners / ウエストランド / ukka / ウ山あまね / a子 / STU48瀬戸内PR部隊 / MPC GIRL USAGI / エレ片 / エレ片劇団 / エレキコミック / おくまん / 小沢一敬(スピードワゴン) / odol / ザ・おめでたズ / かが屋 / 角銅 真実 trio? / 駆け抜けて軽トラ / gato / KAHOH / Calmera / きみがすきだよ / 清 竜人 / 金の国 / クマムシ / クリトリック・リス / ゲッターズ飯田/ Kentaro Nakao / コウメ太夫 / 越田You / 小林私 / ザ・ギース / SAKURAI / THE 抱きしめるズ / THE 2 / SARUKANI / Gパンパンダ / 鹿乃さやか(君のための歯医者さん) / しまおまほ / ジャパネーズ / DJEMP / xiangyu / 笑福亭羽光 / シロたろし / 新東京 / 水中、それは苦しい / 水曜日のカンパネラ / ステレオガール / SO-SO / 曽我部恵一 / TAIGA / ダウ90000 / 立川吉笑 / たなしゅう / チュランペット / 月野帯人 / つんこ (DJ三宅葵依) from D4DJ / でか美ちゃん / DEATHRO / テニスコート / 東京女子流 / 戸田恵子 / 怒髪天 / TOMMY(BOY ) / トリプルファイヤー / #2i2 / NIKO NIKO TAN TAN / ニューロティカ / ネクライトーキー / Hi-Hi / 爆乳ヤンキー / 初恋の嵐 / ハマカーン / peanut butters / b-flower / ブーメラン学園 / 藤子 / butaji / 古市コータロー / betcover!! / ボギー+奥村門土(モンドくん)の似顔絵屋さん / ぼく脳 / HO6LA / マキタスポーツ / 街裏ぴんく / Monthly Mu & New Caledonia / みなみかわ/ 宮迫博之 / 宮下雄也 / ムフロンズ / 無明院タク / MONO NO AWARE / 森田哲矢(さらば青春の光) / 森本サイダー / MOROHA / ゆけむりDJs / #よーよーよー / ラブレターズ / RIP SLYME / れいちも / Ropes / 惑星ボルヘス / 忘れらんねえよ / @onefive

※「STU48」が「STU48瀬戸内PR部隊」として、出演メンバーが確定いたしました。
出演メンバー : 石田 千穂・沖 侑果・尾崎 世里花・高雄 さやか・中村 舞・福田朱里・吉崎 凜子

アートディレクション:太田雄介 /イラストレーション:我喜屋位瑳務

  • 兵庫慎司

    取材・文

    兵庫慎司

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