堂島孝平
歌もMCも含めて、今日ここで堂島孝平を初めて観た、初めて知った、という人がいたら、例外なくこの人のことを大好きになって帰っただろう。そう思わせるすばらしいパフォーマンスだった、って、この人のライブを観るといつもそう思うのだが、この日も強く強くそう思った。僕は「じゃが子ちゃんステージ」まで行って観たが、ホールで映像で観ていたという知人曰く、「最初は『興味ありません』感丸出しで観てた人たちみんな、途中からもう夢中になってた」とのこと。やはり。
スーツ姿でひとりで弾き語り。「崎山蒼志くんは1年目で出たけど僕はこのイベントに出られるまでに23年かかった」などの自虐MCで、まず場をつかみ、2曲目「葛飾ラプソディー」と3曲目「LUCKY SAD」で共演したたちばな哲也に「外様感、出しすぎ」とつっこまれる。で、いつもシャツの第一ボタンまできっちり締めてることをヤックにいじられる、という話もしたのだがこれがフリで、ラストの「ベンジャミン、空を睨む」で「イントロ弾いて歌に入ろうとするが入りそびれる」というギャグを積み重ねて「今日は普通じゃないことしたいから!第一ボタン外したいから!残り10分全部これでいくから!実験だよ!勝負だ!」と宣言。で、ようやく歌い始めたと思ったら、途中でギターをループさせ、自分はハープを吹きながら片手で悪戦苦闘しながらネクタイを外していく。シャツのボタンを外して、挙句ネクタイをフロアに放り投げては「早く返して!」と叫び、二回目に投げた時は「今みんなワーッて取り合いにならなかったよね?」。全員涙を流さんレベルで大爆笑。最後はスパゴーの「Sandy's Sunday」をちらっと歌って「さあみんなでスパゴーを観に行こう!」という雄叫びで締めくくった。その時点で僕はホールに戻っていたんだけど、そっちで観ていたみなさんも思わず画面に向かって大拍手していた。
SET LIST
1. シンクロナイズド・モーニング
2. 葛飾ラプソディー
3. LUCKY SAD
4. ベンジャミン、空を睨む
SPARKS GO GO
「最初は若いバンドいっぱい呼んでラクしようって言ってたのに、なんでこんなにいっぱい出てるんだろう?」(ヤック)「特に八熊さんはね、出過ぎ」(橘兄)
などと言いながら、「Roller Coaster Ride」「FREE」「砂漠のダリア」と、日本随一の……いや、70年代なら別だけど今や世界でも有数だろうな、とか言いたくなるほど鬼かっこいい、シンプルでぶっといロックンロール・チューンを次々に放っていくステージ。
おなじみ「Wild Thing」のカバーは橘兄ボーカル、ギター・ソロに続いてヤックのベース・ソロもあり。同期トラックありでたちばな哲也がボーカルをとる「ビバサン」では、曲の最後のドラム・ソロもあり。スパゴーのライブを観るたびに思うが、曲がいいとかメロディがいいとかいう以前に、ギターの一音一音、ベースのピッキングの一発一発、ドラムの一打一打が持つ、なんていうんでしょう、音そのものの「うわ、気持ちいい!」という快楽度とでもいうんでしょうか、本当にすごい。「ギターってかっこいい楽器だなあ」とか、「ドラムっていい音するんだなあ」とか、そんなような「おまえ初めてバンド観た子供か?」みたいなことを改めて思ってしまう。なんであんな音が出るんだろう。なんでもクソもないか。スパゴーにとってはロックってあたりまえにそういうものだから、というだけか。
本編は「ELBOW DROP」「SWERVE DRIVER」でシメ、アンコールは「ざまーない!」。ヤックが何度もお礼を述べ、曲に突入すると、マイクもしくはタンバリンを持った出演者たちがゾロゾロと登場、華やかに楽しく締めくくられたのだった。
なお、SPARKS GO GOの次のアクションは、全国ツアー『SPARKS GO GO “BACK DROP”TOUR 2018 A/W』。計10本、11月4日(日)千葉LOOKからスタートし、12月23日(日・祝)新宿BLAZEで締めくくられる。
SET LIST
1. Roller Coaster Ride
2. FREE
3. 砂漠のダリア
4. Crosstown Traffic
5. Wild Thing
6. ビバサン~Drums Solo
7. Sandy's Sunday
8. 50cc Rider
9. ELBOW DROP
10. SWERVE DRIVER
EN. ざまーない!