七夕の土曜日、不忍池のほとりに爽やかなアコースティックの風が吹き抜ける――。DE KIT RECORDSの人気コンピレーションアルバムをフィーチャーしたイベント“PLAYTHINGS”と、2009~2013年に開催されていたアコースティックイベント“rawer than raw”ががっちり手を組み、Wネームのイベントとしてこの夏ぐぐっとパワーアップ。豪華メンバーが勢揃いしたイベントの舞台裏について、PLAYTHINGSに深く関わるTGMX(FRONTIER BACKYARD)とKeishi Tanaka、rawer than rawのオーガナイザー荒井岳史(the band apart)、そして渡邊忍(ASPARAGUS)の4人にたっぷりと語ってもらおう。
──今回はWネームなんですよね。荒井さん。
荒井そうです。去年はPLAYTHINGSのイベントとして開催して、僕らはそこに常連的な感じで呼んでいただいたんですけど、今年も開催されるということを聞きまして。ちょうど今年、ASPARAGUS主催のバコツ(BKTS)という…。
渡邊イベントがありまして。
荒井もともとrawer than rawは、バコツのアフターパーティー的なイベントとして始まったんですよ。で、BKTSが6年振りの開催ということで、だったらrawer than rawも久しぶりに復活させたいということで、名前を入れさせてもらいました。この4人はよく一緒にいろんな場所に弾き語りで行ってるんで、名前がというよりも、またみんなでできるなという感じです。
Keishi Tanaka最近はそういうイベントが増えましたけど、僕らの周りでは最初がラワー(rawer than raw)だったんじゃないですか?弾き語りのイベントって。
──2009年ですかね。始まったのが。
TGMX僕が弾き語りを始めてやったのも、ラワーだった。
渡邊ちなみにBKTSがバコツと言われて、rawer than rawがラワーと呼ばれてる。
荒井スタッフの読み間違いがそのまま定着したんですよ。本当はローワーなんですけど、そのままラワーって読んじゃって、その学のなさがすごいという(笑)。で、その少しあとにKeishiがソロになって、彼がやってるROOMSという企画で僕に声をかけてくれたところから、僕もソロをやり始めて。
KeishiROOMS最多出演ありがとうございます(笑)。僕とTGMXさんがやってるTWIN SONGSにこの二人がゲストというのもありましたし。いろんなところで絡みすぎて、どれが何のイベントだったのか思い出せない(笑)。
TGMX結局みんないる(笑)。
渡邊名前が違うだけで、やってる奴は一緒。
──その中でもrawer than rawって、すごいフリーダムな感じでしたよね。洋楽とか歌謡曲とか、カバーでもばんばんやるし。お互いのステージに飛び入りしたり。
荒井僕と忍さんが、イベントの最後に歌謡曲のコピーをやるというのが恒例行事みたいになってましたね(笑)。いろんな人にも入ってもらって、最後はワーッてなるようなイベントだったんで、PLAYTHINGSのようにちゃんとしてなかったというか。
TGMXPLAYTHINGSもちゃんとしてないけどね(笑)。
荒井始まっちゃうと、みんなちゃんとしてないんですけどね(笑)。やる時はやるんですけど、やらないところは抜く。
──忍さん。弾き語りのどういうところが楽しいですか。
渡邊今のところ、まだ見いだせてないですね。
全員(笑)。
渡邊もともとバンドが好きでバンドをやってたんで。(弾き語りは)嫌いじゃないし、荒井さんと一緒にやったりするのは面白いですけど、一人でやる楽しみをいまいち見いだせなくて。Keishiはもう一本立ちしてるし、みんなソロの音源も出てますけど、僕はそういうのがないので、いまいち見いだせなかったんですけど、そんなことしてると余命が近づいてきちゃうんで(笑)。そろそろ見いだしたいと思います。何でもやりたいと思います。最近は楽しいです。
──TGMXさんはどのへんに見いだしてますか。
TGMX僕もなかなか見いだせてないというか(笑)。バンドとは全然違うので。
渡邊でもTGMXくん、ワンマンライブとかやって、見いだしまくってるんじゃない?
TGMXワンマンで、見いだそうとしてるんだけどね。でもまあ、単純に楽しいですよね。好きな曲を無責任に歌ってる感じなんで。バンドだと意見が二つあるけど、一人でやる時は一つなんで、好き勝手にやれるところがあって楽しいです。それと、僕はアコギで弾き語りを始めたんですけど、もともとギター&ボーカルの人には全然かなわないので、最近はピアノをちょっとずつ弾けるようにしてます。みんなでやった時に、キャラが違うやつがいてもいいのかな?と思って、そういうことが楽しいですね。
渡邊TGMXくんはアコギだったり鍵盤だったりするから、見てて面白いんですよ。いろいろ引き出しがある。
Keishiピアノ弾き語りってかっこいいですよね。憧れます。
TGMXできてるのかどうか、わかんないけど。
Keishi今聞いてて思ったのは、僕はバンドがないぶん、バンドセットと違ってという感情はあんまりないです。そういうふうに思っちゃいけないなって、自分の場合は思ってます。
TGMX 俺みたいに余生を楽しんでる奴とは違うと(笑)
Keishiいやいや(笑)。“弾き語りだから軽い気持ちでできます”ということは、僕の場合は言えないなということですね。ただそれとは別に、全体の流れとして、たとえば荒井さんが前だったら“荒井さん、そう来ましたか。じゃあ僕はこうしよう”みたいなことは、弾き語りのほうがあるかもしれない。バンドセットの場合は、そういうことは関係なくライブしたほうがいいなと思うんですけど、弾き語りはみんなで空気を作り上げていくものだと思っているので。例えばこの4人だったら、4人でイベントをどう作るか?ということを考えてやってるかもしれないですね。
荒井Keishiが一番真面目かもしれない。
──荒井さん。バンアパの曲はソロではやらない的なこと、言ってましたよね。
荒井最近特にそれを推し進めていて、よほどのことがない限りはソロの曲をやるようにしてます。当たり前のことなんですけど、バンドの曲は4人でやったほうがいいという結論に達したというか、ほかの人がどうこうじゃなくて、僕の場合はそう。バンドでアコースティック名義で始めたこととの兼ね合いもあるし、どっちも大事にしようと思うとそれが一番いいのかなということです。みんながどうとかじゃないですよ?TGMXさんや忍さんがバンドの曲をやったからあいつはヘボいなとか、そういうことではない(笑)。
──今年の会場は、去年と同じ上野水上音楽堂。ちょっと、去年のこと思い出してもらっていいですか。
TGMX去年は暑かった!ビール飲んで酔っぱらって、みんなで物販した。あれは面白かったね。最後にみんな物販にいて販売するという。
荒井お客さん一人一人と話をしてね。それはこのイベントならではかもしれない。場所も含めて。
渡邊雰囲気いいもんね。ただ思いのほか暑いんだよね。屋根はあるけど、ビニールハウスみたいな感じで、ミニトマトが育っちゃう感じ。
つづく…
つづく…
後編は5月29日(火)18時公開予定、お楽しみに!
撮影協力:eplus LIVING ROOM CAFE&DINING 03-6452-5424