Interview:三宅正一
photo:吉松伸太郎
──KICK THE CAN CREWとして不定期にライブをするようになってから数年が経ちますけど、こうして3人で取材を受ける場はなかなかないですよね?
KREVA 読み物のメディアはないですね。テレビ用のライブ直後のコメントとかはあるけど。あ、1年くらい前にVIVA LA ROCKのライブに向けたWEB動画インタビューみたいなのはありましたね。
MCU ああ、あったあった。
──でも、まだまだレアですよね。
KREVA そうですね。まだまだレア。
LITTLE でも、そんなに違和感はなくて。
MCU 普通なんだけど、心のどこかでちょっと緊張してるのかなっていう感じかな。
──6月8日に『monday night studio® session』がリリースされて、そのリリースイベントが6月26日に日比谷野外大音楽堂で開催されます。まず、みなさんの所属事務所、エレメンツの自社スタジオであるmonday night studio® 大橋がビルの老朽化による取り壊しに伴い閉鎖することになったと。そのことを受けて、『monday night studio® session』が制作されたわけですが、この企画の発起人は誰だったんですか?
KREVA わかんないな。でも、千晴が仕切ってるんだよね?(同席していた千晴に向かって)おまえが言い出したの?
千晴 メーカーからアイデアを貰って、僕が『スタジオがなくなってしまうなら、あの空気を音楽に閉じ込めるような作品を作りませんか?』って提案しましたね。制作は今年の1月から始まって、2月29日に取り壊しが決まっていたので、ギリギリまでやってましたね。
──このセッションアルバムに通底している軽やかに洗練された聴き応えはジャズというテーマに由来しているところが大きいと思います。
KREVA それは俺が決めたんです。『次はジャズがくるだろう』とか言って、ジャズネタを使ったトラックをけっこう作っていて。その流れもあって、『著作権の切れたジャズの作品っていっぱいあるから、それをベースにしてセッションすればいいんじゃないの?』って千晴に言ったんです。千晴はアドバイスを受けてから実行に移すまでの力がハンパないから、すぐに形になるんですよ。結果的に当初想像していたよりもいいアルバムになったと思います。
──LITTLEさんはどういうモードで制作に臨みましたか?
LITTLE みんなそれぞれ普段やっている音源制作とは違うニュアンスがあったので、新鮮でした。『やっぱりRAPが好き』なんかはセッション感を活かして、小節感もちょっと無視してラップしてみようと思って。こういうアプローチは生バンドならではですよね。普通のオケだったらできないので。
──Uさんはどうでしょう?
MCU うん、新鮮でした。アルバムも全体的にラクに聴ける感じがいいなと。まだ通しでは1回しか聴いてないんですけどね(笑)。野音までにまたじっくり聴きたいと思います。
──1曲目の「虹」がリードトラックとしての役割を果たしていますが、この曲はKREVAさん主導で制作したんですよね?
KREVA トラックはそうですね。小西真奈美さんが歌う『トランキライザー』が早い段階でできていて。この曲をシングルにすればOKだし、アルバムの柱になるなという感じで、『虹』のアレンジ作業もリラックスしてできたんですよね。『虹』の原型は俺自身もすごくカッコいいトラックだと思っていたけど、バンドアレンジする際には気張らずにやれたんですよ。ドラムの白根(佳尚)には厳しくしましたけどね。『俺が(デモで)打ったドラムパターンをしっかり聴け!』って言って。
monday night studio® でのエピソード