インタビュー/三宅正一
──ニューアルバム『INVISIBLE』はトロピカルハウスをはじめ海外のオンタイムなダンスミュージックとリンクした音楽性が各方面から高い評価を得ましたが、今回のツアーではどんなところにこだわりたいと思ってますか?
15周年シーズンを終えて、振り返らないで前を向いていく意志があるので。なので、今回は過去の曲に頼らない内容にしようと思ってます。過去の曲って、キャリアが長いほどいい武器になるんですよね。イントロが流れただけで盛り上がったり。でも、今回は何よりも新しいw-inds.を見せたいので。「この曲をやったら鉄板で盛り上がるよね」という曲はあえてやらない方向でいきます。『INVISIBLE』を聴いて僕らに興味を持ってくれた新しいお客さんがツアーに来てくれることも意識しながら、ずっと応援してくれているファンにも変化を見せたいという気持ちが強くありますね。
w-inds.は常に新しいことにチャレンジしてきたグループではありますけど、今回はより新しいw-inds.を見せるライブになると思います。怖さもありますけど、楽しみですね。
僕は、そこに関しては、不安はないんですけどね。
じゃあ安心だ(笑)
今までw-inds.が歩んできた道のりが、いい意味で裏切り続ける歴史だったので。チャレンジし続けて、上手くいった結果として今があると思うんですよね。だから、僕は新しいw-inds.を見せられることにワクワクしてます。
──音響のよさにも期待が高まります。
そこは本当に強くこだわりたいところで。スピーカー一つにもこだわりたいと思ってます。
慶太のこだわりがハンパないので、スタッフが困ってるんですよ(笑)
一同 (笑)
でも、それくらい音に対する強い思いが慶太にはあるので。パフォーマンスも含めて、チーム一丸となっていいステージを作り上げたいですね。
パフォーマンス面では、ダンスを見せることを意識しようと思ってます。いい音を楽しめる側面と、視覚的にダンスを楽しめるステージにしたいと思ってます。年齢的にもダンスを強くフィーチャーするツアーは最後かなと思うんですよね。
でも、それ毎年言ってるよね(笑)
今回のダンスは抜きの部分を大事にしたくて。抜きのよさを伝えることで、ダンスがより際立つ効果があるんですよね。これまで以上にダンスの妙を伝えられるツアーになると思いますね。
今日、このあと新しい曲の振りを付けるんですけど、すでにアルバムの曲を何曲か振りを付けていて、w-inds.のダンスのよさって幅広いジャンルを体現できていることだなって覆うんですよ。最近のグループはオールドスクールができなかったり、昔のグループはニュースクールができなかったりするけど、w-inds.はずっと両方のダンスをやってきたので。それこそ変化をずっと求めてきた分の幅広さがダンスにもある。
ダンスのスタイルが違うとそれぞれ異なる楽しさがあって。個人的にはオールドスクールがめっちゃ楽しいですね。
超楽しいよね。その楽しさはライブを観る人にも伝わると思う。ストイックにダンスを見せるセクションもあるけど、それだけではないところがw-inds.ならではだなと思います。僕らは曲によってコレオグラファー(振付師)が違うんですよ。
──そうなんですね。それって珍しいですよね?
ああ、珍しいのかもしれないですね。曲からダンスのジャンルをイメージして、そのジャンルに得意な人に振り付けをお願いするんです。あとは、若いダンサーにもどんどん振り付けをお願いしたいと思っていて。前回のツアーでやった「New World」のリミックスは19歳の子に振り付けをお願いしたんですよ。
──それはもう、フレッシュですよね。
超フレッシュですね。そいつがまた振り付けの才能がめちゃくちゃあるんですよ。それもやってみないとわからないことじゃないですか。ダンスが上手いけど、振り付けの才能はない人もいるので。あくまで僕の観点ですけどね。
最近は若い才能がどんどん出てきてるよね。
若い才能と積極的に仕事をするのはすごく大事なことだと思う。僕の大好きなマスタリングエンジニアがいて。それはトム・コインというこの春に亡くなってしまった人なんですけど。
──巨匠ですね。
トム・コインも積極的に若い人と仕事をしていたらしいんです。キャリアを詰めばテクニックが高くなるけど、感覚だけは絶対に若い人のほうが優れてるからという理由で。それってすごく大事なことだなと思います。今は特に若い人の感覚をw-inds.に取り入れていくべきだと思ってるし。
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