──現在は開催地を渋谷のライブハウスに固定していますが、今後は他の会場に移っていく可能性もあるのでしょうか?
麻生 (Oグループを運営する)渋谷テレビジョンとは長くお付き合いしていて、担当の方もすごく協力的なんです。培ってきた信頼関係もあってすごくやりやすい。よく大型のライブハウスってドライだって言う人がいますけど全然そんなことはないですよ。みんなすごく情熱的で真っ直ぐ向き合ってくれます。だから本当に感謝してますね。
ただ、このまま渋谷でどんどん規模を広げてサーキット系にというのはイメージが湧かないので、色んな可能性を考えてます。どこで『SYNCHRONICITY』をやるか?って考えたときに、バランスのいいところってなかなか難しいんですよね。
──今まで都市型という形で開催されていますが、その優位性は感じていますか?
麻生 都心部の人たちにとって“アクセスしやすい”っていうこと、ライフスタイルに密着しているってところですね。あと僕もそうだったんだけど、都会へすごい大きなエネルギーを持って田舎から出てくるじゃないですか?そういうヒリヒリとした感覚やエネルギー、都市ならではの洗練されたものを感じられるのも優位性の一つだと思う。そんな都市特有のエッセンスを大切にしたいので、都市部での開催は意識してるところですね。
──ブッキング以外で、他の都市型フェスと『SYNCHRONICITY』は“ここが違う”っていう部分はありますか?
麻生 “アーティストと一緒に作り上げてきている”っていう意識ですね。僕自身もミュージシャンだったし、感覚が近いんです。今回はまさに『After Hours』とのコラボもあって一緒に作り上げてきてます。また、一回やったら終わりっていうんじゃなくて、継続的にしっかり関わっていきたいし、地続きでいたいなって思うんですよね。そういう熱のあるフェスを作っていきたいんです。
また、そういう(関係性を築いた)アーティストが集まったときって、ライブがめちゃくちゃ良いんですよ。僕はかなりライブに足を運ぶんですけど、そこで思うのは“『SYNCHRONICITY』で観るライブはマジで良い!”っていうこと。そういうところから生まれてくるパフォーマンスの良さって必ずありますね。
いつも出演いただいている渋さ知らズオーケストラの不破(大輔)さんと対談した時に、彼も同じようなことを言ってて、僕が思ってたことは間違いじゃなかったなって。みんな良いライブやるから「ナニクソ、負けらんねえな」って気持ちで挑んでるそうです(笑)。そういう相乗効果でさらにライブが良くなっていくんです。
ちょっと話は逸れますが、『SYNCHRONICITY』でウェブマガジンを立ち上げたんですよ。一年を通じてアーティストとしっかり関わり、サポートし、その熱をしっかり届けていきたいって思ってます。そういう関わりって『SYNCHRONICITY』の強さであり武器だと思ってます。(SYNCHRONICITY https://synchronicity.tv/)。
──アーティストと一緒に盛り上げていく、っていうのを本気で追求していくと、おそらく儲からない方向に行きますよね……。
麻生 はい、ぜんぜん儲かってないですからね(笑)。実際大変ですよ。誰かもうひとりブレーンとか入ってきてくれないかな、もうちょっと手綱を引き締めてくれる人が(笑)。誰かいたらメール下さい(笑)。
特に印象的だったアーティストや感動的だったシーンは?