TEXT:兵庫慎司
CM制作等を行ってきた映像作家、花房伸行を中心に2012年結成。2013年から現在まで平均月2〜3回ペースで海外公演を継続中であるほか、2015年にはカンヌ映画祭授賞式のオープニングアクトを依頼されて渡仏、パフォーマンスを行うなど、ワールドワイドに活動中のパフォーマンス集団、enra。ご存知ない方は、まずこれをご覧ください。
■enra プロモーション映像
いかがでしょう。すごいでしょう。「びっくり!」「目からウロコ!」「かっこいい!」「美しい!」「おもしろい!」などなどが怒濤のように押し寄せてくるでしょう。音楽と映像とダンス等の身体表現がシンクロしたパフォーマンス、簡単に言えばそれがenraであり、その三者のミクスチャーとも言えるが、身体表現を担うパフォーマーたちのスタイルも、アニメーションダンス、新体操、バレエ、マーシャルアーツ、ジャグリングなどそれぞれバラバラであり、それ自体もミクスチャーであることがさらに新しい、とも言える。
国内での活動も積極的に行っているが、10本の全国ツアーを行った2016年に続き、2017年は1月19日(木)・20日(金)に、ゲストに→Pia-no-jaC←を招いて赤坂BLITZで『PARALLEL WORLD』と銘打った公演が決まっている。その稽古場におじゃまし、パフォーマー8人の中から横山真希と和多谷沙耶のおふたりにインタビューしました。→Pia-no-jaC←にもコメントをいただけたので、併せてお届けします。
【enra 横山真希・和多谷沙耶】
──そもそも花房伸行さんが、ウェブでメンバーを募集して設立されたんですよね。
横山 はい、そうです。
──それまで何をやってきて、どういう経緯で参加されたのか、教えていただけますか。
横山 私は、実はちょっとほかのメンバーとは違いました。私はメンバーの加世田(剛)に中国武術を学んでいまして。加世田がオーディションに行く時に、「ついて来い」と。私は高校生まで新体操をやっていて、新体操のリボンを持って来いと言われて、オーディションの休憩時間にリボンでパフォーマンスを見せるチャンスをいただき、そして「ぜひ一緒にやりましょう」と。
──中国武術ってマーシャルアーツですよね。それを習っていたというのは?
横山 ミュージカルをやりたくて東京に出て来て、専門学校を卒業して小劇場に出ていたんですけども……いろいろやっているうちに、わからなくなってきていたんです。この舞台が終わったらいったんちゃんと考えようと思っていた舞台に、加世田さんが出演されていました。「ワークショップやるからおいで」なんて言われて、中国武術が何かもわからないままやってみたら、ハマっていって。
和多谷 私は子供の頃からクラシックバレエをやっていました。当時全国で唯一の演劇科のある高校に行って、お芝居もバレエもやっていたんですけども。上京してから、花房がenraの前にやっていたパフォーマンス・グループ、KAGEMUがテレビに出ていて。そのグループは解散したんですが、花房が「次は女性も入れて、まったく違う世界観で表現をしてみたいです」って言ったのを、コタツでみかん食べながら見ていて(笑)。「あ、やりたいかも!」と思って、調べて連絡したら、「オーディションをやるので来てください」と。
──稽古場で1曲練習するたびに録画してチェックしているのを見て、そうか、毎回見て確認しないと映像と合ってるかどうかわからないからか、これは大変だなあと。
横山・和多谷 (笑)。
──だから、最初は「えらいことを始めてしまった」と思い知ったのではないかと。
横山・和多谷 思い知りました(と、声が揃う)。
──(笑)。
具体的な振り付け方法とは…?