ナレーション科みたいなところに半年くらい通って、MCはもう1歩先の深みを求めるようになりました(幸樹)
──では、それぞれライブのステージングやMCのスタイルなどは、どんなふうに確立されていったのでしょう?
幸樹
バンドを始めた当初はちょっとオカルトチックなバンドをやっていたので、そういうMCとかをやっていたんですけど、やっぱり今になって感じるのは浅かったなということですね。浅いものはバレるから。たとえば、当時は「今宵は聖なる夜に狂いなさい」みたいなことをみんな言っていたけど、人によって全然違っていたんです。“みんな、こういうのが好きなんでしょう?”というノリでやっている人と本当にその世界観が好きで、そこに入り込んでいる人は全然違う。そこで、やっぱり常日頃から思っていないと人には伝わらないなということを痛感しましたね。その話と関連しますが、僕はコロナの時にナレーション科みたいなところに半年くらい通ったんです。それまでの僕はただただマイクで喋っているだけだったけど、そこで相手にかけるか、かけないか…だったり、自分の中で1番大事なところを際立たせるために、あえてそこまでは音量やアクセントをつけずに喋って伝えたいところだけアクセントをつけるといったことをすごく教わったんです。それまではなにも考えずに喋っていたけど、そこからもう1歩先の深みというものを求めるようにはなりましたね。
威吹
ステージングについて言うと、初めてライブをした時は、もう好きなギタリストの動画をひたすら観ました。で、その頃に確立したスタイルは染み込んでしまっているというのがあって、ギターを弾く時の肩の入れ方とかがずっと変わらないんですよ。子供が言葉を覚えるようにずっと取れないもので、これはもう一生つき合おうと思っています。あとは、本格的にバンドをやるようになると、ライブの映像を撮るようになるじゃないですか。それを観て、“こんなに動いてないんだ、俺”とショックを受けたことがある。ライブの時は“俺はめっちゃ動いた”という感覚だったのに、映像を観ると地味でヘコむ…みたいな(笑)。そういったことを経て、今につながっているんだろうなというのもありますね。
──自分の映像を観て落ち込むというのは“あるある”ですね(笑)。あと、鏡の前でステージングの練習をしたりされませんでしたか?
威吹
1番最初の頃はやりました(笑)。途中から恥ずかしくなって、やめましたけど。高校生の時に実家でそれをやって、親に見られて恥ずかしくなって、それからはやっていないです(笑)。
幸樹
親に見られるのは気まずいよね(笑)。僕もギターをやっていたので鏡の前で弾いたりしていましたけど、そういう時は自分がライブをしている会場のキャパ設定をするじゃないですか。それが、めっちゃデカいんですよね。身の丈に合ってない(笑)。話を聞くとみんなそうみたいで、あれはなぜなんだろうと思う(笑)。
──たしかに、自分もそうでした(笑)。続いて、お二人はこれまで何本となくライブをされていますが、そういう中で起こったアクシデントなどで強く印象に残っている出来事なども教えていただけますか。
幸樹
以前イベントに出た時に、激しい曲で1回締めた後、最後にバラードで終わるというセットリストの時があったんですね。なのに、なにを間違ったか、激しい曲が終わったところでライブハウスの人がステージの幕を閉じちゃったんです。その後バラードの途中で幕が開いたけど、もうコントじゃないですか。そこまでの余韻の中でバラードを聴かせるからこその構成なのに、“終わったと思ったら、また1曲やるんだ。なんだ、これ?”ってなりますよね。演出としたらチープだし、もうめっちゃムカつきました。
──それは、ライブハウスの大きなミスですね。ただ、お客さんは会場側のミスだと気づかれたと思いますが。
幸樹
どうだろう?その後、あれは箱のミスだったということは一切言っていないから、どうなのかはわからない。僕は最後に締める時にドラムを見てジャンプをしたりするから、幕が閉まるのを見ていなくて、終わってパッと前を見たら幕が閉まっていたんです。“なんじゃ、こりゃ!”という。そういうことは、ありましたね。
威吹
僕はトラブルは結構ありますが、1番印象に残っているのはライブ中に激しく動き過ぎて、ギターアンプのキャビネット(スピーカー・ボックス)に“バーン!”と突っ込んでしまったことがあって。その時はケンパーというプロファイリング・アンプを使っていたんですけど、それによってケンパーが壊れてしまったんです。電源がつかなくなってしまって、終わった…と(笑)。
威吹
ヤバいです(笑)。そこからは箱のマーシャルを借りて、なんとか乗り切りました。
──音は鳴るとはいえ、エフェクターなどは一切使えない状態ですよね?
威吹
そう。もう“アン直”です。
威吹
はい(笑)。チューナーすらないという(笑)。あれは、ヒヤヒヤしましたね。ただ、アンプ直でも意外とやれるというのは、ちょっと自信になりました。
1人でも多くの人にライブを観てもらいたい。ライブはもちろん、革新的な企画も楽しんでもらえると嬉しい(幸樹)
──威吹さん、さすがです。さて、今日はお二人にライブ関連のお話をいろいろうかがって、今後のダウトのライブが一層楽しみになりました。
幸樹
今後の動きとしては年末まで『極∀道』ツアーの“鶴編”が続いて、来年の3月から4月にかけて18周年ツアーをすることが決まっています。そのツアーは『極∀道』にプラスアルファで周年も入るので、そういう形でまわろうと思っています。ファイナルが東京国際フォーラム ホールCということで、今のダウトにとっては結構挑戦なんですよね。自分達がステージでやることの準備をするのは当たり前で、せっかく国際フォーラムでライブをするのであれば1人でも多くの人にライブを観てもらいたいというのがあって。なので、普通にチケットを売るのと並行して、ちょっと革新的な案を企画しました。ライブというのは、たとえば同じ5,000円でも高く感じたり、安く感じたりする時がありますよね。それを踏まえて、後払いシステムのチケットも設定することにしました。
幸樹
要は、「自分達はこれだけのことをするから、それに対する価格は自分で決めてください」ということです。もしクソみたいなライブだったら5円でも1円でもいいけど、自分達はもう満額取りにいくよ…という姿勢。別に、高額をくれということではないんですよ。それぞれが適切だと感じるチケット代を払ってくれればいいだけの話で、“俺達はそれなりのものを見せるから、価格はどうぞ決めてください”と。だから、こっちにもプレッシャーですよね。ヘタなライブはできなくなるから。チケット代を自分で決めるということであれば、“ダウト、どんなもんだろう?”という人も来やすいし、そこで僕らが良いライブを見せることができれば評価を得られる。良いシステムだと思うんですよね。
──非常に良いアイデアです。それは、どなたが考案されたのでしょう?
幸樹
僕です。あと、“バクチチケット”といって、ライブ当日にサイコロを振って、出目で値段が決まるというのもやります(笑)。ライブはもちろん、そういうことも楽しんでもらえると嬉しいですね。
威吹
来年4月27日の東京国際フォーラムというのは、ここ数年のダウトの中で1番の挑戦だと思うんですよ。そこに対して今できることを全力でやって、その結果そこから先のダウトがどうなるかという本当のターニング・ポイントですよね。そういう位置づけのライブなので、ぜひみんなに観てほしいなと思っています。
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