クラフトビールと音楽の共通点
──イベント以外にもいろいろなつながりがあるんですね。お話を聞いていると、確かにクラフトビールと音楽には共通点があるような気がします。
山本それはブルワーのみなさんと話していても感じますね。常に技術的な悩みがあるところだったり。
全員ハハハハハ(笑)。
山本ブルワーの方々のなかには、もともとは違う仕事をしていた方がけっこういらっしゃるんですよ。ミュージシャンも別の仕事を持っている人が多いし、すごく親和性が高いと思います。アプローチの結果が違うだけというか、ビールを作ることと音楽をやることにそんなに差はないというか。
佐藤そういえばビール業界もコラボが多いんですよ。
──人が集まることで何かが生まれるというのも似てますね。
ケイタイモウチのバンドもそうですけど、多種多様なメンバーが集まってますからね。
マコイチインディーズというところで言えば、大量生産でマスに売るというより、こだわりを込めて作ったものを好きな人に届けるというのも共通点かも。あと、僕らはずっとビールに救われてきたんですよ。2018年にSMBLに出させてもらったときも、打ち上げで飲んだビールが最高に美味くて。
佐藤うれしいです。参加してくれる方々が楽しめるイベントを目指してたので。
ケイタイモそれ、すごく大事ですよね。JxJxはよく知ってると思うけど、自分が前にやってたバンドは、ある程度、成績を残さないといけない状況で。
JxJxそうだね。
ケイタイモ他人の嗜好性に合わせないと商売が成り立たないところがあったんですよ。今はそうじゃなくて、健全に音楽をやることがいちばんだなと思っていて。佐藤さんも楽しそうじゃないですか。実際はいろいろあるんだろうけど(笑)。
佐藤(笑)まあ、自分たちも美味いビールが飲みたいですからね。
JxJx美味いビールって、すごいですよね。さっきもマコイチが言ってたけど、打ち上げのビールが美味いって最高じゃないですか。ライブの後、志賀高原ビールを飲むことを脳内でシミュレーションするだけで幸せになる(笑)。
佐藤僕にとっては音楽がまさにそうなんですよ。音楽はいろんなシーンで人を幸せにするし、だからビールとも相性がいいんだと思います。
──音楽は時代によって変化してきましたが、ビールにもトレンドはあるんですか?
佐藤めちゃくちゃありますね。志賀高原ビールをはじめた頃は、アメリカ西海岸のIPA(インディア・ペールエール)のクリアで苦いビールが流行っていて。その後、色が黒くてアルコール度が高いエクストリームなビールがカッコイイという時期があって。さらにウイスキーの樽で熟成したビールとか、ベルギーの伝統的なビールだったり、フルーティーで甘いビールが人気になったり。チョコレートやシナモンを効かせたビールもあるし、本当に多種多様になってますね。新しいものが出てくるとパッと流行るんですけど、すぐに下火になったり。
山本音楽と同じですね(笑)。
JxJxホントだ(笑)。続けていく難しさもあるだろうし。
──音楽もビールも、いいものを作ろうと思えば手間がかかりますからね。
JxJx効率を求めすぎるのも良くないですよね。
山本バンドそのものが効率悪いですから(笑)。最近、DJとボーカルでライブをやる人たちが増えてますけど、あれってすごく効率がいいじゃないですか。
JxJx確かに(笑)。
山本そこにドラムが入った瞬間に練習場所にお金がかかるようになって。
マコイチ録りにもお金がかかりますよね。
JxJx贅沢なことをやってるんだよね。
山本そうなんですよね。そのことをちゃんと自覚しなくちゃなって。