再始動後の初めてのアルバム『ファンキーモンキーベイビーズZ』のリリース、真夏の日本列島を駆け抜けた「太陽の街ツアー」を経て、FUNKY MONKEY BΛBY’Sが狙う次のターゲットは12月3日、東京ガーデンシアターでのスペシャルライブ「WE ARE FUNKY MONKEY BΛBY’S -2023 TOKYO-」に決まった。「太陽の街ツアー」で得た確かな自信と、新しい世代が加わってパワーアップしたファンの熱気と共に、“究極のヒストリーライブイベント”と銘打たれたライブに挑む心境とは? ファンキー加藤とモン吉に語ってもらおう。
——まずは「太陽の街ツアー」、お疲れ様でした。八王子ファイナルを見せてもらいましたけど、エネルギーの放出量がすごかった。いいツアーでした。
ファンキー加藤本当に、ツアー初日の八王子からすごかった!初日は僕らも緊張してるし、その緊張感がお客さんに伝わっちゃって、しっかり出しきるけど反省点もあるというのが、今までのツアー初日というものだったんですけど、いろんなことに厳しい事務所の社長でさえ「今回のツアーはヤバいことになるな」と言ってましたし、初日からすごい手応えがありました。一番大きな理由は声出し解禁ということなんですけど、セットリストも演出面もバチっとハマって、幸先のいいスタートを切って、そのままスピードを落とさずゴールできたというツアーでしたね。
——それと、再始動後初のアルバム『ファンキーモンキーベイビーズZ』のリリースツアーだったというのもすごく大きいと思っていて。懐かしさと新しさがしっかりありました。
ファンキー加藤そうですよね。平成ファンモン時代の楽曲たちと、令和に生まれた楽曲を、バランスよくセトリに入れられたので。あと、沖縄のライブの時に「人生で初めてファンモンのライブを観る人?」って聞いたら、けっこうな人数の手が挙がったんですよ。それは若い人たちで、小学生とか中学生の時に好きだったけど観れなかったという人と、プラス、今年の3月にHYさんの「HY SKY Fes 2023」に出させてもらったんですけど、そのフェスを観て今日来ましたっていう人もかなりいて、そこはすごく自信に繋がりましたね。そういうイベントとかで観て、来てくれるのは一番嬉しいじゃないですか。ワンマンライブへの道筋としては、それが一番自信のつくことだったんで。沖縄のあの割合を見てると、全国各地でもけっこうな人数が初めてファンモンのライブに触れてくれたんだろうなと思えるツアーでしたよね。本当に嬉しかったです。
──このツアーの一つ前の「YELL JAPAN」ツアーの時はまだ声が出せなかったので。タイミングもベストでしたよね。
ファンキー加藤そうなんです。「YELL JAPAN」ツアーの時はまだコロナ禍ということで、ライブは遠慮したという人たちもいて、それが今回のツアーで戻ってきて、声出し解禁で、僕らにしてもたまりにたまったマグマが噴出したツアーだったので。噴出する瞬間っていうのは今しかないので、そういう意味でも「太陽の街ツアー」は、本当にいろんな奇跡が積み重なっていくツアーだったなと思いましたね。
──モン吉さん。声なし声ありって、やってる側としてもかなり違うものですか。
モン吉全然違いますね。僕たちのライブのスタイル的に、お客さんがすごく重要なので、ようやく完成したというか、むしろ当時よりもみんな歌ってくれてる気がするんですよね。昔、あんなに歌ってたっけ?というぐらい。なので、また新たなスタイルをみつけたなと感じました。
ファンキー加藤ありがたいことに、ファンのみなさんの中で楽曲が死ななかったということでもあると思うんですね。たとえば「あとひとつ」「ちっぽけな勇気」とかの合唱を聴いてて、そう思いました。一度解散してから今に至るまでの期間中も、ファンのみなさんがずっと曲を生かしてくれていたんだなと思いましたね。
「太陽の街ツアー」で最大のピンチ
──他に「太陽の街ツアー」ではどんなエピソードがありますか。今パッと思い出せるもので言うと。
モン吉沖縄の桜坂セントラルというライブハウスは、昔ファンちゃんが倒れたり、ケミちゃんが釘刺さったり、いろいろあったんで、始まる前は不安でしょうがなかったんですけど。無事2日間終われて、ジンクスを超えたなと思いました。
ファンキー加藤桜坂セントラルは本当に鬼門というか(笑)。ただそれを、あまりにもライブ中のMCで二人がいじるもんだから、スタッフさんの目が気になっちゃって。俺の角度からモン吉を見ると、視界の端にバーカウンターが入るんですけど、「スタッフさん、怒ってないかな」みたいな(笑)。でも帰り際に店長さんが、「これでジンクス終わりましたね。また待ってます」と言ってくれたので、良かったです。
モン吉それはたまたま、僕たちと桜坂セントラルの相性だったんで。桜坂セントラルはいいライブハウスです!
ファンキー加藤でも、モン吉があまりにも気にしすぎてて、「ライブ中に靴紐がほどけた」っていうので、すごいピリピリしてた(笑)。それは気にしすぎだろ!みたいな。
モン吉次は俺だろうと思ってたんで。靴紐がほどけたという最小限で済んで良かった(笑)。
──良かったです。それ以外は特にピンチもなく。
ファンキー加藤いや、唯一の、本当のピンチは渋谷(8月4日のLINE CUBE SHIBUYA)ですよ。モン吉が車の渋滞に巻き込まれて、開演1時間半ぐらい前になっても、まだ八王子を出られていないという状況だったんですよね。最初は「リハーサルに間に合わないかも」と言われて、もうツアーも何本かやってるから、リハーサルなしでも行けるでしょっていう軽い気持ちだったんですけど、リハーサルが終わった段階で、モン吉がまだ1ミリも動かないと。中央道を調べたら、事故で完全に通行止めになってて、そのあたりから「ヤバいぞヤバいぞ」ということになり。
モン吉でも僕は悪くないんで、それを一生懸命ツイッターでアピってました。「1ミリも進まない。困るよ~」って。
ファンキー加藤モンちゃん、遅刻の常習犯だから。「今回は俺じゃないぞ」っていうアピールがすごかった(笑)。でもそのあと、たまたまモンちゃんが車を停めた石川パーキングエリアが、下道まで歩いて降りられる場所だったから、下にタクシーを手配して、モンちゃんを乗せて。その時点で下道も混んでるとか、いろんな情報が錯綜していて。
モン吉タクシーの運転手さんもわかってくれて、「こっちは混んでるから迂回しましょう」とか、いろいろやってくれて。
ファンキー加藤最後は京王線に飛び乗って、電車で渋谷まできたんですけど。もうその時点でライブ15分前とかなので、3パターンぐらい用意したんですよ。15分遅れた場合とか、20分遅れた場合とか、「じゃあ15分遅れたらこの曲とこの曲カットで」みたいなことをやってたんですよ。そしたら、渋谷駅で待ってたスタッフから連絡が入って、「渋谷駅、モン吉確保!」って(笑)。
──あはは。確保。
ファンキー加藤それでLINE CUBE SHIBUYAに着いたのが7分前。モン吉も目がバキバキになってて、3分で着替えして準備して「行くぞ!」って言うから、「ちょっと待て」って、開演を5分遅らせたんですよ。このまま行ったら、ファンキー加藤が二人みたいになっちゃうからって(笑)。やっぱりフラットな、いつものモン吉のスタイルの方がファンモンとしては正しいから、「まあ一回落ち着こう。お水でも飲んで」みたいな感じで。でもね、それが結果的にいいライブになったんですよ。そういうトラブルも含めて、渋谷は忘れられないですね。