Cazqui’s Brutal Orchestra、3/7(火)BLAZEにて無料ライブ決行。混沌/共存を描く本プロジェクトについてCazquiが語る

インタビュー | 2023.02.13 18:00

10年に渡り、NOCTURNAL BLOODLUSTのコンポーザー/ギタリストとしてバンドの中核を担っていたCazquiが新たに立ち上げたプロジェクト、Cazqui's Brutal Orchestra。尖鋭的なエクストリーム・ミュージックを掲げながら、ストリングスをふんだんに取り入れ、ヘヴィネスとメロディアスの混沌/共存を描いたサウンドはインパクト絶大である。2022年11月には新曲「THE BUTTON EYES」も公開され、まさにプロジェクト名を体現したアンセム・ソングに仕上がっていた。今回は3月7日(火)に新宿BLAZEで行われる無料ライブ「Cazqui’s Brutal Orchestra LIVE 001 “幻紫蝶-ヴァイオリア-”」を開催するにあたり、改めてCazqui本人にこれまでの流れと、無料ライヴに対する熱い思いを語ってもらった。
──まずは19年11月にCazqui's Brutal Orchestraという新プロジェクトを立ち上げから、3年以上の月日が流れました。当時思い描いていた活動のビジョンはどんなものでしたか?

立ち上げ当時から、MV「THE BUTTON EYES」の映像に収められているもの、そして、CBO(※Cazqui's Brutal Orchestra)がこれから世に送り出していくであろうものが、漠然としたビジョンですが、頭の中に存在していました。ただし、それはCBOの楽曲を制作するCazquiひとり、あるいは、それを歌い上げる架神くんとのふたりだけでは成し得ない、大きな理想であることも、重々承知しておりました。ですので、現実的なところにおいてはクルーだけでなく、スタッフなどを含めたチームを作っていくことが必要だと考えていましたね。

──立ち上げ後の翌年からコロナ禍に入ったこともあり、Cazqui's Brutal Orchestraの活動スタンスにも大きな影響を与えた部分はありますか?

サブスクリプション形式による音楽ストリーミングサービスが普及するなどして、世の中が移り変わっていく中、アーティスト側がこれまでと何も変わらぬ活動ルーティングを続けていくことは、本当に正しいのだろうか。自分がそのようなことを考えていた頃、コロナウイルスによる世界的なパンデミックが巻き起こりました。ですので、コロナ禍は今後の在り方についてより深く考えるきっかけとなったなと。それに加え、先ほどお答えした内容の通り、もとよりCBOプロジェクトのチームを形成する必要性を感じていたので、コロナ禍においてはそこに尽力していました。

──なるほど。改めてになりますが、Cazqui’s Brutal Orchestraの音楽を知らない方にもわかりやすく伝えるならば、どんなサウンドを志したプロジェクトと言えるでしょうか?

「THE BUTTON EYES」のMVをご覧いただくのが最も手取り早いのですが、混沌と美旋律の調和ですかね。ぼく自身の捉える、ヒトという生き物を音にしているイメージです。

THE BUTTON EYES - Cazqui's Brutal Orchestra

──今回は【Orchestra crew】という名前のもと、架神 (Vo./DEXCORE) 、Cazqui(7strings)、Daichi (G.) 、Boogie (Ba./JILUKA) 、Zyean (Dr./JILUKA) 、弓代星空(Violin.AURORIZE) 、Velladon(mnp.)という7人体制になっています。この人選になった理由を教えてもらえますか?

Because they’re so talented.・・・ってところです。あと、これはあくまで例え話ですが、楽曲やプロジェクトによりふさわしい技術・ヴィジュアルを持つ人物であればギタリストは自分でなくとも結構、そういう感覚でやっています。

──急に話題は変わりますが、最近気になっている音楽や好んで聴いているアーティストがいたら教えてください。

最近はハードスタイル、ハードコアテクノなどと呼ばれる電子音楽ですね。Hard Driverなど。それ以外だと、レイ・ハラカミ氏などの作品がよく部屋の中で流れてます。

──そして、2022年11月に新曲「THE BUTTON EYES」のMVが突如公開されました。これはいつ頃から作り始めた楽曲なのですか? 最初にあった楽曲の青写真というと?

2020年頃に1st Single「OSWALD」に続く2ndシングルとしてリリースするイメージでデモを作り、何度かアレンジを重ねていますが、基本的にはMVとしてリリースされた印象から大きくは変わってないと思います。当時のバージョンは3月7日新宿BLAZEのLINE最速先行チケット当選者に配布されるデモアルバムに収録されているので、ぜひゲットして聴いてみてほしいですね。

1st Single「OSWALD」

──「THE BUTTON EYES」はエクストリームなヘヴィさもありつつ、ヴァイオリンを大々的にフィーチャーした優雅さも兼ね備え、さらに歌メロが突き抜けていて、楽曲のキャッチー度がズバ抜けています。ライヴで観客を巻き込んで盛り上がれるアンセム ・ソングが誕生した印象を受けました。こういう感想を聞いて、どう思われますか?

今の自分にとって「名刺」となり得る作品を目指したものなので、ありがたいなと思います。

──楽曲のアレンジ面で特にこだわったポイントというと?

絶妙なタイミングで安定と不協和が満ち引きを繰り返すような、スリリングな楽曲展開を心掛けました。あとは、サビのオーケストラヒットですかね。やたらと仰々しく、コミカルな印象を与えかねない音色なのですが、MV作品における激しいカット割を強調・演出する上ではベストな音色なので、当人としては大真面目かつ全身全霊、つまりはシリアスな意識で取り入れてます。

──歌詞についてですが、英語詞メインのリリックの中で「醜い目には綺麗な君が映る 君となら希望が生まれそうだ」の2ラインに関しては日本語を使っています。この日本語詞パートに込めたメッセージというと?

オーケストラの名を冠したプロジェクト名にも同じことが言えますが、一人で何かを成し得ようとか、成していける、とは思っていないことの表れですかね。仲間やファンの方がいるから、ぼくは Cazqui’s Brutal Orchestraという形態で音楽をやろうと思えるわけです。

──2022年11月19日(土)青山RizM「Cazqui's Brutal Orchestra LIVE 000 “Dēmonstration”」が無料で開催されました。このときのライヴの反応はいかがでしたか?

ぼくはコロナ禍で一切ライブしてなかったんですけど、エッ、以前と全然変わらなくない?的な。盛り上がってくれて良かったです。

──同年の12月24日にはクリスマスギフトとして、「THE BUTTON EYES」の音源をフルサイズでプレゼントという試みも行いました。これはどんな意図でやろうと思われたのでしょうか?

長らく待ってくれていた方々に対して、感謝の気持ちとして。何よりもそういう皆さんに聴いて欲しいという気持ちがあったので、その気持ちを表現した形です。

──続いて今年3月7日には新宿BLAZEにて無料ライブ「Cazqui’s Brutal Orchestra LIVE 001 “幻紫蝶-ヴァイオリア-”」が開催されます。ネタバレになるのであまり詳細には触れられないかもしれませんが、どんなライヴを魅せようと思っていますか? ファンの方はどんな部分に期待してライヴに臨めばいいでしょうか?

当プロジェクトの編成は七人で固定、というわけではなく、時と場合により増減するのですが、3月7日の新宿BLAZEにおいては七人編成で、いわゆるラウドミュージックに括られる音楽性を基盤とするバンドとしては、大所帯です。CBOはこの点において、自分がCazquiとして従事してきた、どのバンドとも異なります。ですので、この編成ならではの音楽性、ライブパフォーマンスをお楽しみいただければ、と。ぼくが新バンドを立ち上げた、というよりは、なんだか、Cazquiがたくさんひとをあつめて、面白そうなことを始めたな、そんな風に捉えてもらえたらうれしいな、と。

──ちなみに今回も無料ライヴというスタンスです。プロであればお金を取って、お客さんを満足させるパフォーマンスを魅せるという考え方もあります。Cazquiさんが無料ライヴに込めた思いを聞かせてください。

ぼくはもともと、誰に頼まれたわけでもなく、自分のやりたい音楽を好き勝手にやってきて、気付けば、お金を頂戴した上でお客さんを満足するパフォーマンスを魅せる責任が生じていた。そんな感覚のもとで、今を生きています。
なので、チケットの値段に応じて自分自身のパフォーマンスの質が変わったりはしないですし、未だ出会わぬお客さんに対し、無料ライブという形式がCBOのライブに足を運ぶきっかけとなり得るのであれば、それはとても良いことだなと思っています。

──最後になりますが、今年はどんな1年にしようと思っていますか?また、このプロジェクトで目指すべきゴールや目標があれば聞かせてください。

今年は卯年、CBOのシンボルキャラクターもうさぎです。ファンの方を楽しませられる濃厚な一年に出来ればと思っています。当プロジェクトは「終わらないバンド」をテーマとしています。己が扮するCazquiというギタリストの名を冠してはおりますが、仮に自分自身が死んでも続いていく、そういう本当の意味で息の長いコンテンツを作ることが目標ですね。

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