インタビュー:牧野りえ
男性バンドにも引けを取らない力強いバンドサウンドと歌唱力、ライヴパフォーマンスに定評のある、5人のロックジェンヌたちからなるexist†trace。前ミニアルバム『THIS IS NOW』から半年、11月16日にニューミニアルバム『ROYAL STRAIGHT MAGIC』をリリース。彼女たちが今伝えたいメッセージが詰め込まれ、ライヴ映えする全6曲が完成。2017年1月9日にはTSUTAYA O-WESTにて東名阪ONE MAN TOUR『ROYAL STRAIGHT MAGICAL SHOW』のファイナル公演を開催する!
──今作のミニアルバム『ROYAL STRAIGHT MAGIC』はどんな作品にしたいなと思って制作されましたか?
miko(Gt/Vo) 前作『THIS IS NOW』はバンドのリアルな面を切り出したイメージで、“私たちはこうなんだ!”という発信がすごく強かったんですね。そういう曲たちを聴いて“私も勇気をもらいました”っていう声が多かったので、じゃあ今作ではより勇気や元気を与えたり、背中を押してあげられるような作品を作りたいなと思いました。
──全体的にサウンド面で意識されたことはありますか?
miko “こういうのもできます、ああいうのもできます”っていうふうにサウンドを広げないで、『THIS IS NOW』辺りから“私たちはここがやりたいんです!”っていうサウンドに集約してきていて。それはひとつ間違えたら凝り固まっちゃう可能性もあると思うんですけど。今私たちがやりたいサウンドの中でどれだけいろんな色彩を持ってやれるかっていうところを意識しましたね。
──それぞれどんな気持ちで制作に取り組まれましたか?
Mally(Dr) ドラムに関してはよりライヴ感を出したいなと思って。フレーズもそうだし、スピード感を重要視しました。きっとライヴではこうなるだろうなっていうのをイメージしながらやりましたね。
猶人(Ba) 今回は自分の好みの音プラス、その曲に必要な音のロー感を意識しました。今まではどうしても耳に入りやすい自分の好みの音を優先しがちだったんですけど、その曲が求めてる必要なロー感にしたらすごくしっくりきて。自分自身、納得しつつ成長できた作品になったかなと思いますね。
──同じリズム隊であるMallyさんはその猶人さんの変化をどのように感じましたか?
Mally ドラムのキックとの相性だったり、全体の重みの違いを感じました。よかったと思います。だいぶ上から目線ですけど(全員爆笑)
乙魅(Gt) ギターのフレーズは基本的にその曲の歌詞や、目の前にいるお客さんを想像しながら考えていきました。疾走感のある曲の中にもちょっと哀愁のあるフレーズを入れて変化をつけたり、遊び心も忘れずに取り組みましたね。
──mikoさんは今回、全6曲中5曲の作詞作曲を手掛けていますが、アレンジやギター面ではいかがでしたか?
miko メンバー個々には注文出さずとも勝手にカッコいいアレンジをしてくれちゃうんで、前よりは決め込んでデモを作っていくことが減ったんですね。だから私は私で何をやろうかな?って思いながら気楽に作っていた感じで。今回はそこまで“ギターのここを聴け!”とか、“私の歌はこれを聴け!”とか、濃過ぎる主張は入れてなくて。“ここは私が出るところだな”ってとこだけ重点的に出るほうがいいなと思って作っていきましたね。
ジョウ(Vo) 今回は珍しくレコーディング中にワンマンがあったりして、特に作詞の面でmikoが大変だったと思うんですよ。歌録りの当日に歌詞が上がってくることも多くて。
miko ギリギリだったね(苦笑)ジョウの歌のことはだいぶ知り尽くしてるし、ある意味、自分が一番のジョウのファンだと思ってるんです。だから、“この言葉だったらジョウがカッコよく歌えるな”とか、“この歌い回しは乙女が聴いたら絶対にキュンとするぞ”とか(笑)、いかにジョウをカッコよくするかっていうところでギリギリまで悩みましたね。
ジョウ そのmikoの歌詞を読んだ時に、“はいはい、なるほどね、こういうジョウを見たいんだね?”っていうのがわかって(笑)だからレコーディング当日に歌詞が上がってきても不安はなかったですね。
miko あと今回はツインボーカルらしい曲がそんなになくて。コーラスワークでいろいろチャレンジしてみました。今まではジョウの歌にベタッとハモったり、ユニゾンで同じメロディを歌ったりしてたんですけど、もっとヒネくれたコーラスをつけてみようと。ジョウはメロディが上がっていくのに私は下がっていくとか。結構細かいコーラスワークを楽しんで作ってみたので、コーラスでサウンドの広がりが作れたかなと思ってますね。
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