──9月19日にバンドとしては2度目の配信ライヴ「Nothing’s Carved In Stone Studio Live"Futures"」をやりましたが、そのときの感触から教えてもらえますか?
生形真一(Gt)6月に初めて配信ライヴをやったときは「配信、どうなの?」という気持ちがあったんですよ。だから、ライヴハウスではなく、スタジオライヴにしたんです。ライヴハウスはお客さんがいるもの、という認識がありましたからね。でもすごく達成感があったんですよ。自分たちが思っていたよりもやりがいがあるなと。で、次はこうしたいという欲が出てきて、(セルフカバーアルバム『Futures』)リリースのタイミングでやってみようと。
──配信ライヴで得られた達成感というと?
生形1本のライヴが終わったときと同じような何とも言えない高揚感があったんですよね。正直、カメラもあるし、やり辛いと思っていたけど、わりと自然にやれたから。
──メンバー4人で音を同時に鳴らす高揚感があったんでしょうね。
生形うん、そうですね。配信ライヴ2回とも4人で向き合って演奏したんですけど、それも良かったですね。メンバーの体が動くと、俺も自然と体が動きますからね。
──それは普段のスタジオと変わらない光景ですか?
生形そうっすね。俺らとしては音質にこだわりたいので、レコーディング・スタジオで配信ライヴをやったんですよ。1回目と2回目でエンジニアも変えて、9月の配信はレコーディング・エンジニアにそのまま来てもらったんですよ。そのエンジニアの方は自分の機材を持ち込んできてくれたので、完全にレコーディングのスタンスでやりました。
──そのまま音源が録れるレベルですね。
生形全然録れますよ(笑)。場所は1回目と変えて、横浜のランドマーク・スタジオでやりました。スタッフや照明の方も呼んで、久しぶりに一緒にやってみました。スタッフも意見を出してくれて、パンチカーペットを敷いて、そこにバンド名を入れて上から撮ることとか。あと、"Futures"というタイトル名なので選曲にも力を入れました。1回目となるべく被らないように選曲しようと。ライヴ自体は何カ月もやってないし、観ている人を煽ることもないから、逆に流れを作らずに1曲1曲ゆっくりやったんですよ。最後のブロックは曲を繋げてやったけど、1曲1曲ギターやアンプをセッティングし直して・・・それがスタジオ・ライヴの面白さかなと。
──そこは普段スタジオでプレイしている姿を観てもらおうと?
生形通常のライヴは流れを気にして、MCがないところにもSEを入れて、緊張感を大事にしているけど。それとは逆の考えで、1曲1曲のクオリティを上げたくて。RADIOHEADみたいな感じですかね。1曲1曲、必ず間があって、全員が機材を変えたりするから。
──なるほど。そこで新たな発見や気付きはありました?
生形配信ライヴは生のライヴとは別ものだと・・・それに気付きました(笑)。それがダメとかじゃなく、いまだに生のライヴにこだわって配信をやらない人たちもかっこいいと思うし。俺らは配信をやって、自分たちが楽しい、面白いと思えたから。毎月とかはやらないけど、またやってみたいですね。
──こうした配信ライヴもシリーズ化して欲しいですね。特にナッシングスの場合はメンバー個々のプレイヤビリティが高いので、指の動きや楽器を至近距離で観たい人も多いのかなと。
生形そうですよね。ウチは曲もたくさんあるので、またそのうちにやりたいですね。
──「青の雫」もすごく良かったです!
生形最近ライヴでもなかなかやっていなかったですからね。(村松が)歌詞を間違えてないの間違えたと言ってるところもライヴっぽいなと(笑)。
村松 拓(Vo,Gt)あれはヘコみましたね。単純にそう思ったんですよね。間違えちゃったかもって。それ以上に深い意味はないです。
──ははははは。
村松あの曲は難しいので間違えがちなんですよ。曲に対する思いが強くて、丁寧にやりたい気持ちがあるので自分の中で敏感になっているんでしょうね。で、やらかしたかもと思って、一度止めたんですよ。
──あの空気感を含めて最高でした! そして、「Live on November 15th 2020」がKT Zepp Yokohamaにて有観客+生配信で開催となりますよね。ナッシングスとしては9カ月ぶりに人前でライヴをやることになりますが。
生形元々『Futures』のツアーファイナルとして、1年前から場所は取っていたんですよ。ほかのツアーは全部バラしたけど、そこだけはどうしてもやりたくて。この時期ならできるんじゃないかと思ったし、今年この後一度もライヴがないのは自分の気持ち的にも辛いなと。
──フラストレーションは溜まりますよね
生形はははは、そうですね。