──(笑)。では、ご自身の曲を作るときに大事にしていることってなんでしょう?
やっぱり、曲を作るにあたっても飽き性なところがあるんですよね。大したことないアイディアだって薄々気付いてしまってる曲って、絶対途中で飽きてきちゃうんです。自分自身がのめり込んでないと完成させられないので、自分で意図してこだわっているというより、そういう風にしか曲を書けないというか。なので曲作るのは遅いですね(笑)。たくさん良質な曲を書けるに越したことはないんでしょうけどね。自分の気持ちに正直に、自分が興奮できるものだけを突き詰めていく、というやり方が合ってるんだと思います。
──実際、曲はどうやって作ってるんですか?
作り方に関しては色々なパターンがあります。公園を歩いてて思いついたアイディアが元になることもあるし、鍵盤叩きながらメロディが出てくることもあるし、それに歌詞が乗って出てくる場合もあって。アイディアの出やすい環境に身を置くといいって言いますけど、僕の場合は決まった場所にいると飽きちゃうんで……。て、今日めっちゃ「自分が飽き症」だって話してますね、僕(笑)
──とにかく本当に飽き性なんだな、ということは伝わりました(笑)
違う場所で色々なことをやってるっていうのが、僕にとってはコンディションのいい状態なんでしょうね。一方で、他の方の曲の場合は、その人が歌ってるシーンを妄想しながら書けるので楽しいです。自分の曲を作ってる時とは違いますね。まあ、良くも悪くも最終的には絶対想像とは違うものが出来上がるんですけどね。そういうのが逆に面白いなって最近は思っています。自分の思いもよらない方向に進むこと、それに身を預けてみるっていうのもいいんじゃないかなと。
──ちなみに、結構な機材オタクなんだとか?
そうかもしれません(笑)。ライブで使うからって理由をこじつけて、機材を買うことはありますね。ループマシーンは数年前に買って、かなりの間寝かしてしまいましたけど。使うかどうかは別にして色々情報はチェックしてはいますね。この間のライブでは、ピアノの上にシンセサイザーを置いて演奏したんですけど、もっと使い道あるんじゃないかなとか思いました。それありきでライブ考えるというか、「この機材使いたい」みたいなのを先行させてみるのも面白そうですよね。
──そのアイディア、9回目に活かしてみてもいいんじゃないですか?
確かに(笑)! まあ、でもこの「森の音楽会」においては、どんな楽器や機材使うにしても必ず自分の手元で鳴ってる、つまり目の前で音が出てるって感触は大事にしたいと思ってて。自分の演奏に責任を持つというか。今話してて思ったんですが、それがこのライブに対するこだわりかもしれませんね。本当はコーラスとかも前もって録音して鳴らしたらいいんでしょうけど、敢えてその場で生でやることに意味があるのかなと。結局、楽しい方を選んでやってるってことになるんでしょうね。
9回目に関しては、どういうライブになるかまだ想像つかないですけど、僕の欲望、閃きや衝動といったものに正直なライブになるんじゃないかなと。悪くいうと、ある意味で不親切なライブになるかもしれませんね(笑)。でも、皆さんの期待を裏切るようなライブにもちろんしませんし、僕の手垢にまみれた、すごく気持ちの入ったものになると思います。
──この「森の音楽会」シリーズに関する今後の展望は?
冗談半分ではありますが、最終的には森でやろうって話があるんですよ。お客さんに切り株に座ってもらって聴いてもらうみたいな(笑)。そこが最終目標ですが、実現は難しいと思うのでまだまだ続くと思います。ライブの中で新曲を発表する、というスタンスは今後も変えずにやっていくつもりなので、楽しみにしてください!
──森で行う「森の音楽会」、ぜひ観てみたいですね(笑)。その他、今後の予定などありましたら教えてください。
その他は、11月17日(木)に「Denka presents J-WAVE LIVE~AUTUMN」というイベントで、事務所の先輩である久保田利伸さんとか、僕の本当に尊敬するアーティストの方たちと共演させて頂く予定です。光栄であると同時に気合が入るところなんですけど、自分としては気合の入った状態でライブしてうまく言った試しが1回もないので、極力自然体のリラックスした状態で行きたいなと(笑)。羽毛田(丈史)さんという信頼できるバンドマスターの方もいるので、安心してお任せできるというか、僕が大船に乗れるという部分もあるんですよね。なのでこちらのイベントに関しては、歌うことに思い切り集中できるというか。「森の音楽会」とは全然違う感じのライブになると思うので、こちらも是非楽しんでいたけたらと思います!
──ありがとうございました! J-WAVEのイベントとともに、9回目の「森の音楽会」のテーマと内容、楽しみにしています。