──そして、現体制初のアルバムが完成しましたね。
征之丞十五時おやつが初めて歌ったシングルと、2枚目のシングルも入ってて。ぜんぶ君のせいだ。はこれを聴いておけばいいよっていう自己紹介というか、5人の新しいぜん君。の今が見られる1枚になったと思います。
凪あけぼのぼのは、ひと言で言えば、「めっちゃいい!」と思ってます。どこから聴いてもいい曲ばかりだし、どんな方にも絶対に刺さる曲が1曲はあると思うので、患い(ぜん君。ファンの呼称)さんじゃない人にも、このアルバムから患いになって欲しいです。
一十三四そうだね。全曲を通して、今のぜん君。の良さが詰まっているし、それこそ、まだ出会ってない人たちが出会ったときに、絶対に好きだなって思える曲があると思うので、ぜひ聴いて欲しいです。本当に、今までだったら歌えなかったような曲もあるんですよ。自分たちの精神面や技術面で歌えなかっただろうなっていう曲が、この5人で歌えたことがすごい嬉しいし、今までついてきてくれた患いさんも、今、好きになってくれた人も、みんな楽しめる1枚だなって思ってます。
ましろぜんぶ君のせいだ。って、こんなアルバム出せるんだ!っていう気持ちになってますね。今までも振り幅の広いグループだなって思ってたんですけど、5枚目にして、こういう方向性やこういう歌も歌えるんだっていう意外性が自分たちの中でもあって。5人になったからこそ目指せるライブや理想像がよく出てて。今までを知ってくれてる人も違いを感じるところがたくさんあると思うし、知ってる人も全く知らない人も、もう一度、ここから一緒に歩んで欲しいなと思える1枚になりました。
如月愛海アルバムのタイトルが『或夢命』なんですけど、2人が入ってから再録を2つ出して。
──「LIVE or DIE~ちぬいち~」「LIVE or DIE~ちぬに~」というタイトルでした。“ちぬ”=“死ぬ”ですよね。
如月愛海そうですね。今回は「ちぬさん」ではないんですよ。自分たちはもう、ここでしか生きないと決めたんです。その人たちが今、残った状態。で、2人が入ってきた。2人には重いかもしれないけど、一緒にその気持ちを背負って歩いてくれたなって思ってて。患いさんに対しても、自分たちと共に歩んでくれたら、いろんなものを見せられるし、なんなら、一緒にいた方が楽しいよっていうのも含まれてるんですよね。あと、夢ではなく、道として、武道館を掲げているんですけど、そこに対して5人で向かっていく意思もあって。今まで、本当にいろんなことがあったし、結構、辛いこともあったんですけど、それでも自分たちは続けていく意味をもう見いだせてる。このアルバムは、その“意味”をストレートに出せている楽曲が多くなってますね。君がいるし、私たちがいるし、そのおかげでこうやって続けていくことができたっていうことを前面に出せているアルバムになったし、本当にタイトル通り、自分たちはその道のために、自分たちの命を使っていくので、一緒に歩いてきてくれたらいいなっていう思いがめちゃめちゃこもってますね。
──君のために命懸けで歌ったアルバムからそれぞれの推し曲を教えてもらえますか。
一十三四自分がここに来るまでにひっそり涙ぐんだ曲があって。それが、「世界にたった一人ちっぽけな君を」ですね。もちろん、ぜん君。の曲にはいつも心を揺さぶられるんですけど、あんまり泣くことはなくて。でも、この曲は本当に泣けてきて。聴くたびに、あ、途中で聴くのをやめようって思っちゃうくらい、気持ちが入っちゃう。なんでかっていうと、理由はいっぱいあるんだろうけど、ごちゃごちゃしたのをぜんぶ取っ払っていうならば、この曲自体に自分の全てを託したいなって思うくらい熱い曲だなって思います。
──<傷付いて、苦しんでいい、君を抱きしめられるなら>と歌ってます。
一十三四ぜん君。らしい歌詞だなと思って、すごく気持ちが入りました。ぜん君。って、すごく泥臭く進んできてんですよ。本当に這いつくばりながら、傷だらけでも、患いさんだったり、まだ出会ってない患いさんになるであろう人たちだったり、身近な人に対して、ストレートに、真っ直ぐに、ひたむきに向かっていくグループだなと思うので、そこは大事に歌いました。
──続いて、ぼのさんは?
凪あけぼのぼのは「whiny melty whiny」が一番好きです!
──この曲が一番意外でした。エレキギターじゃなく、ピアノが弾むハウスになってます。
凪あけぼのサビの歌詞が好きなんですよ。<堕天使なら笑えるのか>っていう。
ましろあははははは。厨二じゃん!
凪あけぼの厨二病入ってるんですけど、そこの歌詞を見たときに、あ、これは好きだってなったんですよ。<堕天使>っていう言葉がたまらんなって。しかも、そこのメロデイが切ないので、ぼの的には刺さって一番好きです。お風呂の中で聴ける曲が好きなので、いつもお風呂で聴いてます。
ましろぜんぶ君のせいだ。にしては、テンポはちょっとゆっくりめだもんね。うるさい曲が多いけど。
征之丞十五時おやつは「Greedy Survive」です。このアルバムを聴いてて、今、マイブームの曲になってて。でも、最初に曲をもらったときに、すごい曲だなと思って。みんなで聴いた時も、よっちゃんが「1回、止めよ」って。
一十三四あははははは。そうそう。すぐに曲を止めがちなんですよ。
征之丞十五時ついていけなかったんだよね。
一十三四リピートして聴いてたから、もう洗脳されてるような気持ちになっちゃって。
征之丞十五時そのくらい中毒性がある曲なんですけど、今、リピートで聴いていて。家では携帯で垂れ流しで聞いてるんですけど、イヤフォンでしっかり聴いてみたら、まっそんが<君WARうぉー>のところで笑ってて。
ましろああ、あるね。
征之丞十五時スピーカーで流してる時は気づかなくて。イヤフォンでじっと聴いた時に、びっくりして。そこが、何度も戻して聴いちゃうくらい好きポイントなんですけど、患いさんにも早くこの曲の中毒性にやられて欲しいです。
──絶対にライブで盛り上がりますよね。
ましろ早くやりたいですね。私は「When you 2 WANT」です。表記が違うんですけど、僕たちが最初の頃から歌ってる「うぇゆうぇゆうぉっ ~ヒネクレノタリ~」の2019年バージョンで英語表記になってて。ずっとライブでやってきた曲なんですよ。ぜんぶ君のせいだ。はライブハウスで内にあるものをぜんぶ爆発させるっていうことを大事にしてきた。それを象徴してきた「うぇゆうぇゆうぉっ」がめちゃめちゃアップデートされていて。聴いてるときの気持ち良さも増してるし、ライブでの高揚感も増してるし、歌詞も2019年バージョンになってる。ぜんぶ君のせいだ。はこのアルバムでみんなに手を差し伸べられるようになったけど、まだまだ世間をここまでバカにできますよっていうのがちゃんと出てて(笑)。この4年間、大事にしてきたものを今のメンバーでもちゃんと引き継げた嬉しさもあるし、純粋にみんながもっと楽しめるようにもなってる。「ぜんぶ僕のせいだ。」の次に入るのもぜん君っぽいんですよね。穏やかに手を差し伸べて、でも、それだけじゃないよ感がある。この曲とおやつが言った「Greedy Survive」と、2019年の新しい遊び曲が続けて入っているのがぜん君。らしくて好きだし、その中でもきた「うぇゆうぇゆうぉっ」は思い入れも強いし、5人としての楽しさもめっちゃあるから、素直に聴いて欲しいっていう気持ちがあります。
如月愛海私は、新曲はもちろん聴いてほしいんですけど、やっぱり「革鳴前夜」ですね。ぜんぶ君のせいだ。は節目節目で、ぜん君。を表す曲はこれだ!っていう曲が生まれているんです。「無題合唱」だったり、「僕喰賜君ノ全ヲ」だったり。「革鳴前夜」もぜん君。の歴史を語る上では大事な曲になってくるんですけど、4人で歌ったときには、決意の表れっていう気持ちの方が強かったんですよ。でも、今の5人の場合、これから先に楽しい何かがきっと待っているっていう予感を感じる。前回歌った時より、もっと希望に近いし、前も随分、刺を抜いて歌ったはずなんですけど、今の「革鳴前夜」を聴くと、もっと刺がないんですよね。自分たちの中の深いところにある、人に対して穏やかになれる部分が出せていて。それって、今までにないなと思って。その変化が楽しいし、今、鬼リピしてます。
──その変化の契機になったのは?
如月愛海10枚目のシングル「ぜんぶ僕のせいだ。」ですね。今回のアルバムは「ぜんぶ僕のせいだ。」で始まって、「革鳴前夜」で終わる。自分たちが持っていた優しいところも前面に出せるくらい、みんなのことを見れるようになったし、みんなのことを考えられるようになったっていうのが、最初の曲と最後の曲で表されてて。大人になったという言い方は嫌だけど、少しだけ人に優しくなれた。一緒に手をつないで行こうってできるようになったなって。「ぜんぶ僕のせいだ。」を出したあとのRECだったので、尚更それが出たのかなって。昔に比べたら、穏やかな気持ちで聴けるようになりました。
一十三四よくみんなで話してたんですけど、「ぜんぶ僕のせいだ。」はこの5人で始めに出すのにふさわしい曲だなって思ってて。本当に患いさんを救い上げて、一緒に進んでいくんだっていう気持ちが表しやすかったんですね。今までは、胸ぐらを掴んで、おらこいよ!っていう感じで連れてくオラオラ感が強かったんですけど(笑)。
──そうですね。特によつさんは。
一十三四あははははは。ちょっと荒々しかった部分があったんですけど、さっき、めぐみが言ったみたいに、手を取り合って一緒に進んで行こうってできるようになった。音源で聴くと穏やかな気持ちになるし、ライブで聴くと、また違う印象に変わってたりする。本当にいろんな面があって、一方だけではないなっていう印象は強いです。