──そして12月20日からスタートする『高橋 優 LIVE TOUR 2019-2020「free style stroke」』。テーマは?
「free style stroke」というタイトルは僕がつけたんですけど、『STARTING OVER』ツアーをやって、一旦ゼロに戻ろうと思ったんです。あれをやることで自分の中にあるものをカラッポにして、そこにまた新しいものを入れていく、今年はその作業を自分の中でやっていた。その中から出てきた「free style stroke」という言葉はすごく感覚的なもので、最初に路上ライブに立った時に僕は、本当に自由な形でギターをかき鳴らして歌っていたんですね。それから10年以上経って、自分のギターをうまいと思ったことは一度もないですけど、ギタリストの人たちからは「高橋くんのストロークは独特で真似できない」とよく言われるんです。その感じをあらためて、ゼロから始める一発目のツアーで、僕自身が音楽を楽しんで、聴いてくれる人にも自由に楽しんでほしいということで、「free style」という言葉はすごくいいなと思ったのと。「stroke」という言葉も面白くて、辞書で弾くとゴルフの一打撃、鳥の一はばたき、水泳の一かきとかそういう意味があって、「free style stroke」は水泳で言うと「自由形」になるんです。これが自分にとってあらためてのファースト・ツアーだとしたら、どんな感じでやるか?と思ったら、やっぱり自由形だなと思ったんですよ。これからも自由に泳いでいきたいという今後の意気込みも含めて「free style stroke」にしました。
──なるほど。
そう思うと、やりたい曲はいくらでもあるんですよ。今まではアルバムやシングルがあってのコンセプチュアルなツアーでしたけど、今回はそうじゃない。もっと自分の深層に迫るような、感覚的な部分が大きいツアーになります。間違いなく。感覚的な部分なので、本当に楽しいかどうかで判断してほしいし、音楽を一緒に楽しめる時間にしたいです。「こういう思いがあってアルバムを作ったんだ」とか、難しいお話を今までしてきたような気がするし、これからもするかもしれないけど、今回に関しては、たとえば家に帰る途中で「ちょっと音楽聴こうか、とか思ったりするよね?」という感じでライブに来てもらえたら嬉しいです。僕は元々歌わずにはいられない人間なので、誰に止められても会場に行って歌を歌うと思うんですけど、来てくれる人にとっても喜びの場であってほしいし、日常の中でふと再生する音楽の中に高橋優が置かれていればいいという思いがあるので。「free style stroke」はみなさんにとってのいちストロークでもあってほしいと思うし、すごく自分らしいツアーになると思います。
──みなさん楽な気持ちでぜひ。
さっきお話した「胡坐」というライブも、型にはまることなくやってきていたので、今年の活動はそっちがメインになっていたというか、自由に楽しくやってきたことが形になった1年でもあったので。メガネツインズ(亀田誠治&高橋 優)のツアーとか。
──ありましたね(笑)。そういえば。
ベースとアコースティック・ギターのふたりだけでやるツアーなんて、あんまり見たことないじゃないですか。やってみたらものすごく楽しくて、それもある意味で自分がずっとやってきたスタイルなのかな?と思ったし。「free style stroke」は、今年1年をすごく象徴するツアーになりそうだなと思います。
──楽しみにしてます。新曲とかも聴けそうですか?
『STARTING OVER』を作ってツアーをやって、自分の中を全部カラッポにして、そのあとどうなるかは、カラッポにしてみないとわからないと思ってたんですよ。そこでグーッと出てくるものを期待してたんですけど、4か月ぐらい試行錯誤する時期がありました。8月いっぱいまでは、自分のことを様子見していたというか、どうすんの? 歩くのやめんの?ぐらい、自分にハッパをかけた時期もあったし。それが最近ようやくひとつ打開できたものがあって、それが新しいのか元々あったものかはわからないけど、芽を出し始めたものがあって、「音楽は楽しいな」という気持ちがすごく強くなってきているところです。そこから曲ができ始めて、「free style stroke」というタイトルをつけて、本当の意味で『STARTING OVER』の次なる一歩が動き出してるのを、9月ぐらいからすごく感じてます。この記事が載る頃には、新曲も流れているので、そういった楽曲たちをツアーでも演奏したいと思っています。僕の中で、2019年の今本当にいいなと思うものをこのセットリストの中に組み込んで、みなさんと一緒に解き放ちたいと思います。
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