──なるほど。あと、村松さんのヴォーカリストとしての存在感は年々増している印象があります。
村松ウチのバンドは4人ともフロントマンだとずっと思い続けてて、4人の個性があるからこそのバンドだと思っているけど。ライヴで先頭に立って、熱くなったり、悲しくなったりとか、バンドの気持ちやお客さんの気持ちも引っ張ったり、受け止めたりできる存在ではありたいですね。以前から思っていたことだけど、こうして明確に言葉にできるようになったのは、ここ数年じゃないですかね。良いことも悪いこともステージで吐いて、バンドのメッセージを伝える存在でありたいですね。
──村松さんがライヴでハンドマイクを使い、ステージを動き回りながら歌うこともあるじゃないですか。あのときにすごく楽しそうな表情を浮かべているので、観ているこちらも楽しくなって。
村松ライヴで最前にいる人と、一番後方にいる人と届く熱量が一緒じゃないといけないと思うんですよ。ハンドマイクだと、どこにでも行けるから、その気持ちがより前に出てるのかなって。
生形俺は近くにいるから、外から見てる人ほど変化はわからないけど、ヴォーカルは大変ですからね。野球で言えば、ピッチャーみたいなものだから。
村松結構、稀有な個性を持ってるメンバーばかりだと思うんですよ。ギター、ベース、ドラムそれぞれがエゴを持ちつつ、このバンドで昇華することができたからこそ、個性が生まれてきたと思うから。
──ええ。そして、今作が出来上がった感触はいかがですか?
生形環境の変化もあったから、いままでの作品と比べてもだいぶ変わったんじゃないですかね。完全に自分たちで初めて立ち上げたレーベルの第一弾作だから、それが歌声や歌詞、フレーズにも表れているんじゃないかと。
村松歌詞はストレートになりましたからね。
──なぜストレートになったんだと思います?
村松こっちが曝け出せば、それがバンドのかっこ良さにも繋がると思うし。口からでまかせを言って、その場が盛り上がればそれでいいのかもしれないけど……自分がつまんなく感じるから。ステージでは俺にしか言えないこと……生き様を伝えていくのがバンドマンだと思いますからね。
──「僕らが鳴らすミュージック いつか誰か救えるような」(「Music」)の歌詞なんて誤解しようがないくらい、わかりやすい歌詞ですからね。
村松意識的にあそこまで辿り着きたくて、何度も歌詞を書き直したんですよ。爽やか過ぎない?と言われましたけど(笑)。
──なぜ意識的に辿り着こうと?
村松そういうバンドに自分が救われてきましたからね。ブルーハーツもそうだけど、FEEDERはそうですね。ジョン(Dr)が亡くなったんですけど、そこでバンドにまつわるストーリーが変わり、出す曲がジョンのことばかり取り上げるようになったんですよ。それはグラント(Vo/G)が正直に歌詞にして伝えてくれたからこそ、自分も救われたところがあったから。隠さないで音楽で伝えてくれたことが、嬉しかったんですよね。憧れているこの人も自分と同じように悩んだり、悲しんだりしているんだなと。
──なるほど。今作のラストを飾る「Beginning」に「明日が怖いとなげいていた君を連れ出して 世界を見せる」の歌詞にある通り、聴き手に寄り添い、引っ張ってくれる力強い作品になりましたね。最後に光りが射すような明るさも感じます。
生形ああ、そういう意味では明るいかもしれないですね。暗さもナッシングスの良さだけど、今回は逆の雰囲気が出てるのかもしれない。音もどちらかと言えば、明るくて、クリアだから。歌詞もそうだけど、作品に一貫性はありますね。
──そして、今作のレコ発ツアーが10月から始まり、年明けの1月からワンマンに切り替わりますが、どんな内容にしたいと思ってますか?
生形前半は対バンもいるので、打ちのめされたいし、打ちのめしたいし、いろんな刺激を受けたいですね。それを経て、後半はワンマンが控えているので、もっとでかいバンドになって、みんなの前に立てたらいいなと。
村松対バンが楽しみっすね。今、イケイケのバンドたちばかりなので、真正面からぶつからないと食われるバンドばかりですからね。それでバンドは成長しますから。ジャンルが違っても、こんなにかっこいいバンドはいるんだよって、お客さんにも知ってもらいたいし。その先のワンマンは自分たちでも楽しみですね。
PRESENT
サイン入りポスターを1名様に!
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