──5月よりそれぞれの故郷で行う、えんそく故郷単独公演行脚「アイツが町に帰ってきた~The boy is come back to town~」ですが。みなさん故郷がバラバラなんですね?
Vo. ぶう
そうです、地方から出てきた奴らが集まってという感じで。東京出身のメンバーもいないので、東京公演は“えんそくの故郷”といった感じで。初日の渋谷・TSUTAYA O-WESTは、僕らが初ワンマンをやった会場でもあるんです。O-WESTはタイミングごとにライブをしていたのですが、そろそろO-WESTをちゃんと制覇しておきたいなと思って、初日に選びました。
──昨年10月に行った7日間無料ライブもO-WESTでしたが、無茶苦茶な企画ですよね。
Gt. Joe
みなさんにそう言っていただけて、ありがたいです(笑)。
Vo. ぶう
僕ら、とにかくライブを観て欲しいし、ライブをやりたいから。MVにお金かけたり、雑誌広告にお金使うよりも、無料ライブにお金を遣った方が嬉しいんです。
Gt. Joe
今回、7日間無料ワンマンが3回目なんですけど、無料ワンマンがきっかけでファンになったって人も多いので。具体的な効果も出ていると思うんですよね。
──初めて来てくれたお客さんって、ライブやりながら分かったりするもんなんですか?
Vo. ぶう
それが最近の子たちは動画とかでしっかり予習してきたりするから、最初からノッてくれたりして。昔は“ご新規さんゾーン”みたいなことも考えて、「ここで心掴んだな!」みたいなのもあったんですけど、最近はわからないんです。
──みんな真面目なんですね(笑)。特にえんそくの場合、動画チャンネルで振り付けからなにから丁寧に教えてくれますしね。
Vo. ぶう
今の子は昔みたいにライブに気軽に行かないのかも知れないですね。「振り付けも分かんないから、もうちょっとネットで勉強してから行くわ」みたいな感じで。
Gt. Joe
ウチに限らず、ワンマンとかって、敷居の高さを感じるのかも知れないですね。いざ来てみれば、全然そんなことないんですけどね。チケット代も上がってるから、行くからには外せないみたいなこともあるかも知れないですし。
──今回はどんなツアーになりそうですか?
Vo. ぶう
故郷単独公演ということで、各会場をメンバーそれぞれのプロデュースでやろうと思っていて、初日のO-WESTで集大成的なライブが出来ればと考えてます。普段、ライブの内容とか僕が考えてるんですけど、長いことやってると型が出来てきてしまうので。メンバーが持ってくるアイデアで、どんなことが出来るのか僕も楽しみです。
──普段やらない曲が入るだけで、全然印象も違うでしょうね。
Vo. ぶう
あと、ボーカルとしては逃げたい流れもあって。「この曲の後にこの曲はやりたくない」みたいなのもあるんですけど、関係ないですからね。
Gt. クラオカユウスケ
そうか。その日は曲順もMCの内容も決めていいんだよね?
Ba. ミド
分かった、見えてきた!脚本書くから、一字一句間違えるなよ?
──何をするつもりですか(笑)。O-WESTはどんなライブにしたいですか?
Vo. ぶう
O-WESTは僕らにとって一番相性も良く、思い入れの強いライブハウスなので。“Theえんそく”と言うか、初めての人が観ても「なるほど、これがえんそくか!」と思うようなライブにしたいです。その後の5公演、思い切って遊べるための達成感も得ておきたいので、気合い入れて挑みます。あと、筋肉少女帯のカヴァーを含む、全国流通盤『僕の宗教へようこそ ~Welcome to my religion~』の先行販売も行う予定で、CDを聴いてない人にカヴァーや新曲を披露する唯一の場にもなると思うので、そこはちょっと緊張感ありますね。あと、O-WESTに照準を合わせてかなり気合い入ってるんですけど、お客さんに対するインパクト値が低いってのが問題で。O-WESTなんて、何度やんねん!ってくらいやってる会場なので、そこに対するメンバーの熱量が伝わりづらいところがあって。O-WESTへの想いもファンと共有出来ているなら嬉しいですけどね。
Gt. Joe
さっき言ってた、「O-WESTを制覇したい」ってのは、みんな思ってることだったりするので。その事実をしっかり作れたら良いなと思ってるんですけどね。
Vo. ぶう
僕ら、観たい人に観たい時に観てもらえるように、なるべくソールドアウトするハコでやらないようにしてるんですよね。「ソールドアウトしました!」って言いたいために、まだ観たい人がいるのに切り捨てることをしたくなくて。常にちょっと無理をするくらいでハコ選びをしてきたんですけど、会場を大きくするばかりじゃなくて、そろそろO-WESTを普通に埋めれるバンドになりたいという気持ちもあって。熱意の伝え方も含めて難しいですけど、O-WESTを制覇したいってのは、そういう意味もあるんです。
──ものすごいライブ数入れてるし、ずいぶん先のライブスケジュールまで発表しているのも、観たい時に観て欲しいという理由なんですか?
Vo. ぶう
「ずっとやってるから、いつでも来いよ」って意味はあるんですけど、極論、それって嘘じゃないですか? 明日、ライブが出来なくなるかも知れないし、絶対とは言えないんですけど、「あの人たちはいつでも楽しいことやってるんだろうな。私も行ける時に行こう」ってバンドであればいいなと思うんです。あと、僕らみたいなもんはライブ本数やらなきゃダメなんですよ。だって、ライブしかいいところないんですもん。写真見て、「あら素敵! ひと目会いたい」なんて思ってもらえないから、出会いを出来るだけ増やして、「行ったらめっちゃ楽しい! またライブ行きたい!」と思ってもらうしかないんですよね。
──なるほど、ライブに対する誠実さや熱量がすごく伝わってきました! 新作で筋少のカヴァーをやろうと思った経緯は?
Vo. ぶう
僕は大槻ケンヂさんの音楽や小説を創作の源としてやってきて、「いつかカヴァーをやりたい」と思っていたんですが。トークライブにゲストで呼んでいただいたり、僕らのライブに出ていただいたり、大槻さんとの距離も縮まった中で、「いつかカヴァーをやりたいんです!」と言ったら「やってやって!」と大歓迎されて、夢が実現したんです。いざ、やるとなったら選曲も本当に悩んだんですけど、えんそくの歌詞って大槻さんの歌詞を勝手にスピンオフしてたりして。筋肉少女帯の「最期の遠足」を別視点から書いた「最後のえんそく」って曲があって。筋肉少女帯の方は遠足でクラスメイトが行方不明になってしまったって話なんですけど、僕らの方はその行方不明になったクラスメイトこそが僕らだったという物語で。それは筋肉少女帯がいなかった間に勝手にやってたんですけど、大槻さんの歌詞世界とえんそくの世界観が一番リンクする曲を選ぼうと思って。最近、「神様は盲点色」という曲を出してたりもするので、「僕の宗教へようこそ」と「最期の遠足」を選びました。今、“文学なきロック”が流行る中、物語が先行した創作が僕の個性だったりするので。そういうところにも重点を置いて、曲を選考しました。
──えんそくも筋肉少女帯もそうだけど、まず歌と演奏に「カッコいい!」と思って聴いて。次に歌詞を読んで物語を理解して、もう一度聴くと聴こえ方が全然変わってきたりするんですよね。ぶうさんのルーツがオーケンさんだと聴くとすごく納得出来るけど、また違った表現でそれを受け継いでいるのも面白いなと思うし。「最期の遠足」なんて、他のバンドではカヴァー出来ない曲だと思うから、えんそくがどうカヴァーするか楽しみです。
Vo. ぶう
いま、筋肉少女帯のメンバーにはすごいプレッシャーをかけられてますけどね(笑)。「どうしましょう?」って言ったら、内田(雄一郎)さんは「音頭にしても、サンバにしてもいいよ」ってハードル上げられたし、橘高(文彦)さんは「どうするんだろう? 俺なら原型がないくらいぶっ壊すけどね」とか言われて。
Gt. クラオカ
「どれくらいやってくれるか楽しみだなぁ」ってのが、凄いプレッシャーなんです(笑)。今はどう自分と戦っていくかを考えてます。
Dr. SIN
僕は逆に原曲を聴いてません。えんそくの曲として仕上げていければ良いなくらいの気持ちでいますね。
Gt. Joe
せっかくカヴァーさせて頂くなら、おこがましいですけど、どこかで超えたいですよね。
Ba. ミド
橘高さんを超える、すげぇ金髪にすればいいじゃん(笑)。
Vo. ぶう
これを機に、うちのファンが筋肉少女帯を掘ってくれたら、またえんそくが楽しく聴けると思うんですよね。筋肉少女帯も含めて、えんそくはオマージュみたいなのがたくさん入ってるから。そういう聴き方をしてくれたら嬉しいですけどね。
──あとはミニアルバムというところで、どんな作品にまとめるかも重要ですね。
Vo. ぶう
いま、まさに曲を作ってる最中で、どんな作品に仕上がるのかも分からないですが。それぞれ好きな曲を作ってきて、僕の歌詞世界とぶつかって面白いものが出れば良いと思ってます。僕が描きたいものは見えすぎるほど見えているので、新曲に期待して下さい!
PRESENT
【えんそく】メンバー全員集合チェキを3名様に!
受付は終了しました