うん、めっちゃしてますね。僕らは“邦楽としてのギターロック”をやってきたわけですけど、ずっと停滞のムードを感じていて。90年代後半以降、日本のギターロックの作法や文法が出来上がってきて。Base Ball Bearもその一端を担っているバンドだと思うんですが、僕らは常にそのやり方に飽きていたし、新しいやり方をずっと試してきて。いま感じているのは、“世界の音楽のトレンドと邦楽ロックの乖離は何?”ということなんですよね。
海外ではヒップホップを中心に“歌が引っ張って、トラックの音数は少ない”というものが主流なんだけど、日本は音を盛り盛りにする楽曲が主流じゃないですか。
簡単にいえば“ガラパゴス”ということだと思うけど、不思議ですよね。
僕自身は、いままでの邦楽ギターロックには飽きていて、海外のサウンドを純粋に“カッコいい”と感じていて、“この距離感は何だろう?”という疑問もある。だけど、“海外の音をそのままやるのは違う”ということもわかってるんですよ。いまのスタンスとしては、“海外のトレンドを意識しながら、それを邦楽ロックのマナーのなかに翻訳して取り入れる”という感じかなと。「ポラリス」に関わってくれたエンジニアさんも同じ意識を持っていたので、そこはしっかりやれたと思いますね。
US、UKのインディーシーンもそうなってますからね。The 1975の新作(『ネット上の人間関係についての簡単な調査』)もそういう音作りだったし、アークティック・モンキーズは、オールディーズなことをやりつつ、最新の音への目配せも両立してますからね。
そう思ってもらえたら嬉しいですね。この方向性は自分もおもしろいと感じているし、次回作以降、さらに突き詰めたいなと。難しいですけどね。邦楽ロックバンドらしさを消そうとは思っていないし、ドメスティックなバンドであることも意識してるので。
どうでしょうね?(笑)。バンドの代表曲という自覚はあります。あと、Base Ball Bearを解釈するうえでもわかりやすい曲だと思うんですよ。17才のときにはじめたバンドだし、“青春性”みたいなところも含めて。当時、一緒に制作していたagehaspringsの玉井健二さんも“スクール感”ということを言ってたんですよ。その極みだと思いますね、『十七歳』は。最初は“3人でどうやって演奏する?”という感じだったんだけど、実際にやってみたら、すぐに“大丈夫だね”って。
うーん、いまのところないかな。めんどくさくて触ってない曲はあるけど(笑)。4人体制の曲を3人でやるときは、まず、リードギターを身体に入れるところから始めるんですよ。リードギターはまったく弾いてなかったから、“こんなふうになってたのか”と初めてわかることも多くて。次のツアーでは、もうちょっと曲の幅を広げようと思ってます。
“LIVE IN LIVE”は、アルバムのリリースツアー以外のツアーをやりたくて立ち上げたんですよね。アルバムのツアーは、“最新のモードを観てもらいたい”という気持ちが強いし、昔の曲を入れづらいこともあって。でも、ファンの人達は“昔の曲も聴きたい”と思ってるだろうし、それは自分たちも同じなので。今回もツアーも『ポラリス』の曲はもちろんやると思いますけど、いろんな時期の曲をやれたらいいなと。“アルバム『十七歳』の曲を触ろうかな、どうしようかな”と思ってるところです(笑)
PRESENT
「ポラリス」ポスターを2名様に
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