昔、POLYSICSのレコーディングを見に行った
メロコアをやろうと思って、「それなら勇太!」っていう。
はい。いっぺんにじゃなくて、「1週間に1曲ずつ送るよ」って言ったら「そんなストイックにやんなくていいよ(笑)」って返事が来たんですけど。でもそれを自分に課して、1曲ずつ送って、3週目ですかね、「今酔っぱらっててちゃんとした評価かどうかわかんないけど、このBメロはヤバい!」って返って来たのが、この曲でした。
でもその時は、自分でも、いいと思ったのがBメロだけで。サビはどうも中途半端だな、Aメロもちょっと弱いなと思っていて。で、悩んで悩んで、Aメロはいいのができたんですね。で、「サビだけどうにもなんなかったけど」って送ったら、それに勇太がバンド・アレンジと、サビをカスタムしたのを付けて戻って来たのがこれです。
ほぼないです。そのあとも「ここにギター・ソロ入れたい」とか「ここは転調したい」とかメールでやり取りして。で、「一回生で音を出そう」って、会って音を出したんだけど、ふたりとも「これもうできてない? これ以上何かやることあるっけ?」ってなって、飲みに行きましたね(笑)。
ほかにいなかったですよね。今こそいっぱいいますけど。
なかったですし、彼らはずっと前からデビューしてたし、海外ツアーとか回ってたし。だから歳上だと思ってたし……フタ開けたら僕の1コ下なんだけど、今でも僕が敬語で向こうがタメ口っていう、変なパワーバランスのままで。だから同世代ってイメージはなかったです……今でもあんまりないかもしれない(笑)。
コラボをもうちょっとやりたい、次は誰とやろう、っていうミーティングをスタッフとしてたんですよ。いろんな意見が出る中で、ビシッと「あ、それいいね!」ってなったのが、ハヤシくんだったんです。「なんで自分で思いつかなかったんだろう?」っていうぐらい。昔、POLYSICSのアルバムの音がすごくよくて、どうやって録ってるのか知りたくてレック(レコーディング)を見に行ったこともあるんですよ。
コラボでアルバム1枚っていうのは無理。絶対無理!(笑)
これがまた、前のふたりとは全然違って。まず僕がデモを3曲ぐらい送って、ハヤシくんから「いいね!」って、それをリミックスした音源が返って来たりして、これはスムーズにいきそうだなと思ってたんですよ。で、ハヤシくんのアトリエ、作業場があるんですけど、そこに行ったら、ハヤシくんが「僕もデモ作ったんだよ」って、彼が作った曲をかけて。それがねえ、また、とがってんですよ、バリバリに。
ハヤシくんからしたら、僕に寄せてポップにしてるんだろうけど、僕からすると……すごいかっこいいんですよ? かっこいいんだけど、「これ、俺の歌、どうやってのせよう……」っていう感じで、しばらく黙っちゃって、俺。そのあとまた俺のデモを聴いてもらったりしたんですけど、結局……どっちが言い出したか忘れたけど「セッションしましょう」と。ハヤシくんがドラム・ループを選んで、「これに合わせて何かやろうか」って。僕がベース弾いて、ハヤシくんがシンセ入れて、Vドラム(電子ドラム)で僕が好きなパターンのパーカッションを入れて……ってやっていて、どっかのタイミングで僕が「なんかLCD SOUNDSYSTEMみたいんだ」って言ったら、ハヤシくんが「それだよフルカワくん!」って。
「それまで悩んでたけど、そのワードが出た時に、何を作ればいいかわかった」って、あとでハヤシくん言ってたけど。そっからふたりでバーッて音を載せていって、「ちょっと仮歌入れてみます」って……3,4時間ぐらいでベーシックができちゃって、「飲みに行こう!」って。あとはデータのやり取りで完成させて、レックに臨んだ感じでしたね。飲み屋でハヤシくんに「俺、黙っちゃった時、『終わった……』と思った」って言いました(笑)。
いやあ、まあちゃん終わったあとは少しそういう可能性も考えてたんですけど、まだ僕のヒットポイントがあったんで。でも、ハヤシくんのあたりで、もうゲージが真っ赤っ赤になって(笑)。たぶん、これ以上やったらダメだな、って。
やっぱり、そんな簡単には作れないな,と思いました。一緒にやりたい人を探すのも大変だし、その人と一緒に作ってちゃんと着地させるのも……たまたま3人とも着地できたけど、着地できない人が出て来た時に、大変ですよ、それは。と考えると、ここらでいったんピリオドでいいのかなと。またやるかもしれないし、もう1曲ぐらいはできるかもしれないけど、アルバム1枚っていうのは無理。絶対無理!(笑)。
大変じゃない方がおかしいですよね。プロデューサーとやったってぶつかるのに、アーティストとやったらぶつからないわけないですよ。だから、今思うと……ほら、昔、m-floとやったじゃないですか。
今思うと、あの時けっこうがまんしなかったけど、TAKU(☆TAKAHASHI)さん、だいぶ譲ってくれたんだろうなあと思いましたね。かなり僕の曲を反映してもらってるんで、あれ。気は遣ってたんですけどねえ……いや、遣ってないんでしょうね、今の俺から見ると全然……スタジオでイヤな顔とかしたんだろうなあ。反省してます(笑)。
はい。バンドでこれくらいの本数を回るのは楽しみですね。ツアー、好きなんで。DOPING PANDAの時はしんどかった時期もありましたけど……5日で4本とか、2週間帰れないとかいう時もあったし。でも、それでも、悪いイメージがないんですね、ツアーって。だからありがたいですね、これだけ回れるのは。
シングルの3曲は当然として……一時、ドーパンの曲をすごくやってましたけど、今は、やらないわけじゃないけど、何曲かですね。フルカワユタカの楽曲を中心にやってます。ソロになってからの曲で、ライブで一回もやってない曲、何曲かあるんですよ。そういう曲もセットに入れながら……最近やっとね、ライブでの、ソロの立ちふるまいみたいなのがわかってきた感じがしていて。こないだTOSHI-LOWさんとイベントで一緒になった時、「おまえはまだわかってない」って怒られましたけど(笑)。でも、自分の足元はだんだん見えて来たので。
どうしても「DOPING PANDAのフルカワユタカ」っていうのが抜けなかったのが、今年あたりからだいぶなくなったな、ソロのフルカワユタカっていうのがどういうものかわかってきたな、っていう。それを見せられたらいいなと思います。
PRESENT
フルカワユタカ 2wayBagを1名様に!
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