大阪府出身のソロアーティスト・Manakaが、1stシングル「Whimsical Love」を11月1日にリリースした。2000年代に流行した2ステップなどのY2Kサウンドをベースにしたサウンドデザインは、ヒップホップ、ハイパーポップ、エレクトロ、R&Bなど、幅広いジャンルと年代の音楽に影響を受けた彼女のセンスが発揮されている。
彼女は同曲リリース時でのInstagramのライブ配信で、Little Glee Monsterとしての活動を経て、音楽をあらためて学び直しながら今後どのように音楽活動をしていきたいかを真剣に考えたという旨を話していた。約1年間は毎日パソコンでトラックメイキングをし、さらにはTikTokでトレンドをサーチするなどして、自分の追求したい音楽性、自分が発信する意味、2020年代という時代性、そのすべてを実現できる音楽はどういうものなのかを試行錯誤する期間だったという。制作と並行させながらソロ1曲目として相応しい楽曲を時間を掛けてジャッジした。
その日々のなかで生まれたのが「Whimsical Love」だった。彼女自身も「絶対にこれが1stシングルや!」と直感的に思ったという。同曲はセッションから生まれたとのことで、作詞作曲欄にはManakaに加え、ソングライターのU-KIRINとTSINGTAOの名が連なる。両者ともアメリカ在住経験を持ち、U-KIRINはオーケストラやビッグバンド、ジャズなど様々なジャンルの音楽に精通し、エンジニアとしても活躍。TSINGTAOはブラックミュージックやK-POP、ドラマーならではのグルーヴィーなトラックメイクを得意とする。Manakaの目指す音楽のビジョンを、より鮮明にする強力なパートナーたちと言っていいだろう。
2001年にリリースされた宇多田ヒカルの「DISTANCE -m-flo remix-」やm-floの「come again」をリファレンスに制作された同曲は、肩肘張らない清涼感に包まれる。真夜中ならではの高揚感やミステリアスなムードと、Manakaのウェットでハスキーな歌声は親和性が高い。歌詞にはタイトルの通り“気まぐれ”な、衝動的かつ奔放な愛情が弾ける様子が描かれており、そのラブストーリーにオーバーラップするようにManakaの音楽へのときめきが浮かび上がる。自分の追求したい音楽へと踏み出せることへの興奮が軽やかかつダイレクトに伝わる同曲は、彼女の言うとおり1stシングルに相応しい。
彼女は現在進行形でデモ制作を続けており、今後も定期的に手元にあるデモをブラッシュアップしてリリースを重ねるという。「音楽で面白いことをしていきたい」と笑顔で語るManakaが、今後どんなものに心を奪われ、それをどのように音楽へと落とし込んでいくのだろうか。続報を待ちたい。