なお、1月3日に日本武道館に行った頃は、「感染者数、ちょっと増えてきたなあ」くらいでしたが(全国で782人)、次に武道館に行った時はちょっとどころではなくなり(18673人)、1月16日の Shibuya WWW Xの時点では「えらいことになった」と思った(25483人)。が、これを書いている1月21日時点では、さらにその約2倍になっている(49724人)。頼むから早くピークアウトしてくれえ、という気持ちです。
1月1日(土) (前日の)22:45フラワーカンパニーズ@新代田FEVER/Streaming+
前回、年越しの時間まで書いた、フラワーカンパニーズの年越しライブの続き。(前回の兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く)14曲目「この胸の中だけ」を終えたところでカウントダウンし、2022年になってからは、こんなセットリストでした。
15白眼充血絶叫楽団 16ピースフル 17まずはごはんだろ? 18恋をしましょう アンコール:19冬のにおい 20 最後にゃなんとかなるだろう Wアンコール:21プラスチックにしてくれ
2022年の最初の曲として、彼らが選んだ「白眼充血絶叫楽団」は、2002年、つまり20年前に、メジャーレーベルも事務所もなくなってDIYで活動を始めて最初のアルバム『吐きたくなるほど愛されたい』の1曲目。という事実に、2022年に挑む意志のようなものを感じて、テンションが上がった。個人的に、フラカンの中で好きな曲トップ10に入るやつだ、というのもあるし。
あと、この日のステージ、奥野真哉が飛び入りした。演奏に加わったわけではなくて、出て来てメンバーとしゃべって笑いを取っていたんだけど、奥野さん、布袋寅泰のバックで『NHK紅白歌合戦』に生出演、が終わったその足で新代田FEVERまで来たのだった。なんかすごいフラカン愛。
1月3日(月)16:00 ニューロティカ@日本武道館
怒髪天、フラワーカンパニーズ、ピーズ、THE COLLECTORSと続いた、言わば「ベテランバンドが日本武道館ワンマンに挑むシリーズ」の、おそらく究極のやつ=ニューロティカat日本武道館。開催1ヵ月くらい前にウェブに上がっていた記事で、本人たちが「チケット、まだ1500枚しか売れてない」と言っていたので、大丈夫なのかしら、と思ったが、当日、武道館に足を踏み入れてみて、ちょっと安心した。完売ではないが、気にならない程度にはしっかり入ってる!という印象だったので。
ライブ自体は、やる方も観る方もこの日までの思いを抱えて今ここにいる、というのも含めて、よくならないわけがないだろうな、とは思っていたが、その予想を超えて、とてもよかった。新宿ロフトを武道館に移設したステージセットや、東京ダイナマイトのふたりによる開演前の影アナや、アナーキー仲野茂の国歌斉唱でライブが始まったことや、アンコールであっちゃんがスイカマンや「身長が2倍の人」に扮したことまで含めて、「これがやりたい」「こうでなくてはならない」という意志が貫かれていて。
このDI:GA ONLINEでは、この日までのニューロティカの道のりを追い続けてきたフジジュンさんがレポを書いているので、そちらをぜひ。
≫ DI:GA ONLINE:日本武道館が日本一大きなライブハウスに!たくさんの思いと愛で溢れたニューロティカの日本武道館公演をレポート!
ニューロティカ初の武道館公演
『心燃会』本日の後夜祭(新宿ロフト)も含め無事終了。ありがとうございました!
また、新しい楽しみ『野音deロティカ』向かって
ニューロティカメンバースタッフ一同、超邁進してまいります。
これからもどうぞよろしくお願いします!
写真:たたみ@ttm_0303 pic.twitter.com/1GiQtYbAd5— ニューロティカ (@NEW_ROTEKA) January 4, 2022
1月12日(水)18:30 エレファントカシマシ@日本武道館
恒例の新春ライブ、今年はこの日で、場所は日本武道館。宮本浩次の全都道府県ツアーが、年内は12月19日(日)大阪城ホールで終わり、年明けは1月23日(日)山梨県立県民文化ホールから再開する、その間にエレカシの武道館、というスケジュール。忙しい、宮本さん。
で、このライブに関しては、某所にレポを書く仕事をいただいており、ここであんまり詳しく書いてしまうのはちょっとあれなので、ふたつだけ書きます。
ひとつめ。エレファントカシマシも、宮本浩次ソロも、ワンマンライブは一部・二部・アンコール、という構成だが、途中まで「これ、もしかして一部は全曲、エピック&双啓舎所属時代の、初期の曲だけで押し切るのか?」と思った。頭から6曲続けてそうだったので。7曲目で「あ、違った」と思ったが、8・9・10曲目は、またエピック&双啓舎時代に戻った。なんにせようれしいセトリだった、その頃からのファンとしては。
ふたつめ。ここのところ、宮本浩次ソロのライブをよく観ていたので、それとの違いがよくわかった分、「エレファントカシマシってバンドだなあ」ということを、とてもクリアに感じた。ソロの方もバンド編成なんだけど、今日のこれはやっぱり、エレファントカシマシというバンドじゃなきゃできないライブだなあ、というか。で、そのことを、とてもうれしく思った、というか。
1月13日(木)19:00 fusen ゲスト:坂口有望、米澤森人@duo MUSIC EXCHANGE
栃木県足利市の3ピース・バンド、fusenの初の自主企画。2019年のSMAオーディションで優秀賞を受賞したのがきっかけで、SMA所属になる→2020年からリリースが始まる→このたび初企画、ということで、「ライブ観ません?」と、SMAのスタッフに誘われたのだった。ゲストの米澤森人・坂口有望とfusen、出演者全員が20歳前後。
音数を多くしようとしていない。つまり、音に隙間がある。日本語の歌詞がはっきりと聴き取れる。言葉とメロディのマッチングに違和感がない。リズムと歌のタイム感が合っている。声が特徴的で耳に残る──。
自分がいいバンドだと思う条件は何か、と考えると、僕の場合そんなふうになるが、初めてライブを観たfusenは、その諸条件を満たしている、とても魅力的なバンドだった。歌詞をちゃんと聴き取ろうとして耳をそばだてている自分に、途中で気がついた。
すでにストリーミング・サイトでけっこうな曲数が聴けるので、気になった方はぜひ。
渋谷duo!!
自主企画イベント『Connect』
ありがとうございました🔥初の東京での自主企画でした!
坂口有望さんと米澤森人さんと一緒にライブを作り上げることができて、とても嬉しいです😆来てくださった皆さんほんとにありがとうございました😭
またお会いしましょう✌️✌️ pic.twitter.com/rwKgiZ003p— fusen (@fusen_official) January 13, 2022
1月13日(日)20:00 真心ブラザーズ@Streaming+
久々に配信オンリーのライブを観た(日時がfusenとかぶっていたので、アーカイブで)。真心ブラザーズが、1998年4月にリリースした7枚目のアルバム『I will Survive』が、2021年10月6日にアナログ盤で発売になったことを受けて、無観客生配信で同作の収録曲をすべてやる、という企画。『I will Survive』、真心のオリジナル・アルバムの中で、もっとも売れた作品そうです(と、後半のMCで言っていた)。
メンバーは、ここ数年のレギュラー=ベース岡部晴彦&ドラム伊藤大地に、キーボードで野村卓史が加わった編成。ステージ後方に、観ている人たちのチャットが映し出され、ふたりがそのコメントを拾いながらしゃべったりする。
まず最初に「サティスファクション」、MCをはさんで2曲目から『I will Survive』を曲順どおりに演奏していき、全曲やって本編終了、アンコールで「突風」を追加、というセットリストだった。
その最初のMCで、「お客さんがいない配信ライブってどんな感じでやってたの? 忘れちゃったね。まあー、緊張しないわ!」と言い放ったYO-KING、歌もだけど、しゃべりも絶好調。メンバー紹介で野村卓史をいじり倒したり、「Sound of Love」「メトロノーム」と、アルバムの2・3曲目でボーカルをとる桜井秀俊が髪を切って来たことについて、「おばちゃんだよね、普通に。この前のツアーでお会いしたお母さんにそっくりですよ」などと言い、桜井に「今からラブソング歌うんだから、お母さんの話やめてくんない?」と抗議されたり。さらに、その2曲が終わったら、「メトロノームってどういう比喩? あ、ワイパーをメトロノームに喩えてるんだ?」と振り付きで歌って、桜井に「扱いづらいっす、先輩!」と言われる。曰く、「お客さんいないとこんな感じなんだね。緊張はしないけど、高まってくる」とのこと。笑った。
もうひとつ、MCで知った余談。岡部晴彦がこの日使っていたベースアンプ、最近オークションサイトで競り落としたものだそうが、その売り主の家に引き取りに行ったところ、出て来たのは、この日8曲目に披露された「ENDLESS SUMMER NUDE」のレコーディングでベースを弾いている小松秀行だったという。
桜井「すごい縁! アンプだけ帰って来た!」。そのレコーディングで使ったアンプかどうかはわからないが、可能性はあるそうです。
『I will Survive』全曲ライブ生配信終了ー!
ライブもしゃべりも絶好調でした👍
これからの方は是非に!!
おかわりの方は何回も✌️アーカイブは1/18(火)いっぱいご覧いただけます。https://t.co/t7oYtgyiY7 pic.twitter.com/ShCTQaFew1
— Magokoro_official (@magokoro_bros) January 13, 2022
1月16日(日)17:30 Calmera@渋谷WWW X
この連載、16日にライブを観るたびに、「これは月の前半の回に入れるべきだろうか、後半の回に入れるべきだろうか」と悩む。ここ最近は「31日ある月の場合は前半、30日の月の場合は後半」ということにしています。
というわけで、2022年1月16日はCalmera。2019年のアルバム『浪花OVER-BLOW』と2021年のアルバム『誰そ彼レゾナンス』のツアーの締めくくり。『NIPPON OVER-BLOW TOUR & 誰ソ彼ノ演奏會-GRAND FINAL-』というタイトルどおり、二部構成で、その二作の曲を中心にたっぷり見せて・聴かせてくれるライブだった。
二部の後、アンコールを終えても誰も帰らず、予定外のダブル・アンコールが追加された。というくらい、長尺なライブなのにオーディエンスの熱が高いままだったのは、この8人の演奏力・パフォーマンス力によるのはもちろんだが、構成の見事さも大きかったのでは、と、観て強く感じた。
たとえば、タケヤマカルメラ(カンニング竹山×Calmera)でカバーした「ヘイ・ユー・ブルース〜許せ、友よ〜」。2021年7月23日のライブでは、ゲストでカンニング竹山が登場したが(こちら ≫ DI:GA ONLINE:兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第84回[2021年7月後半]編)、今回はその曲のインスト版を、一部も二部も2曲目あたりに配置して、それに乗ってリーダーの西崎ゴウシ伝説がMCし、オーディエンスをあおった。
カンニング竹山がそうしょっちゅう来れるわけない、でも他のメンバーが歌うのは違う、だったらこういうふうに使えば効果的。というような、「なるほど!」と思わせるポイントが、そこかしこにあった、ということです。エンタテイナーとしてタフだ、とても。
とにかくありがとう。
まだまだやれる。#Calmera #カルメラ https://t.co/uazSElcIg4 pic.twitter.com/sCpHyzROPH— 西崎ゴウシ カルメラ Calmera (@goushi504) January 16, 2022