そんな気概が伝わって来る、月に吠える。のロック・ミュージック。
その音を鳴らすロックな男たちの首謀者の名前は大森南朋(Vo,Gt)と塚本史朗(Gt)。
聞けば、初めて観に行ったライブが「The Street Sliders」(大森)、「エアロスミス」(塚本)という。
大人になってから結成したこのバンドが、本気で音楽と向き合っている。
ならば、その音楽のルーツや二人のあれこれをもっと知りたいと思った。
大森さんと塚本さん、酒を嗜みながら交わすいつもの会話を、手紙に託した文通がスタートです。
月に吠える。大森南朋(Vo,Gt) 塚本史朗(Gt)の「聴き捨てならない歌がある」第7回
しろー
見たよ、やんわりとさ。
60年代〜70年代をリアルに描写した、俺の大好きな世界だったぜ。
スコセッシとミックが絡んでるんなら、まぁそれも、ある意味リアルかもしれないね。
でもさ、少し青春をバカにされたような気にもなっちまったよ。なんでだろうな?やっぱりロックってのは人の食い物にされてしまって、芸術ってやつとはどんどんかけ離れていってしまったんだろうな?とか、そもそも経済社会に溺れたレコード会社とか、その社会とやらの言いなりになっちまった成れの果てみたいな…。 俺にはよく分からないけどさ、まぁどの時代にも紛れもないその人達の青春があってさ、思いがあってさ本気でドラッグとかやって世界が変わるって思っていた奴らの景色があったんだろうね。しろーは、その時代の事をどう思う?
所詮、殆どがフィクションなんだろうけど。
現在の日本で生きてる人達とかとは、少し違うし、やっぱり、あんまりモッてかれないね。
憧れはあるし、歴史的文献によるロックンロールの勉強はしたし、そんな事があったんだろうなって事は図書館で覚えたよ、あとレコードとカセットテープとライブね。
そんな事を闇雲に模倣をし続ける事が得策じゃないって事は、昔、バイトしてる時に気付いたし、「宝島」とか「投稿写真」とか「デラべっぴん」に書いてあったよ。
あはは、今でも、一つも信じてないけどさ…。あはは。
ここまで書いてきた事すらも、知らない人からしたら、すべてフィクションだしね。
たまたま「月に吠える。」ってバンドをやっただけの集団が、また、ライブやるんだな、
目の前には、理解しがたい事ばかりで、許せない事ばかりで、元に戻れない事ばかりで、
そんな、世の中の無自覚に必要なのはフィクションまみれのロックンロールなのかもしれないね、俺たちの青春の残像を少しだけでも、押し付けてみようかね? 知らんけどさ。
「泉谷しげる、渡辺美里」をYouTubeで検索してね
2人のFOUR SEASONS
MERRY X'MAS SHOW 1987
俺が、青春時代に押し付けられた気がした。
優しい政治批判です。
聞いて
PS.
CDにはなっていないのであしからず。
あ…でも
CDになってないとダメとか言われそうなんで、
中孝介で「サンサーラ」聴いて日曜日の昼過ぎみたいな気持ちになってください。
(この連載はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。)
≫ 「泉谷しげる 渡辺美里」をYouTubeで検索!
中孝介「サンサーラ」
──次回は更新は2月下旬頃の予定です