アルバム『Back to Black』が全世界1200万枚のセールスを記録し、シングル『Rehab』が08年のグラミー賞で5部門受賞を成し遂げ、世界中を熱狂させるも、27歳の若さで突然この世を去った、稀代の歌姫エイミー・ワインハウス。没後5年を迎える彼女のドキュメンタリー映画『AMY エイミー』の公開に先駆け、映画の字幕監修を担当しラジオ番組でも活躍中のピーター・バラカン、エイミーのファンでありイギリス生活経験もあるラジオDJレイチェル・チャンとのトークイベントが開催された。
本年度のアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞し、今現在も英国アカデミー賞、グラミー賞最優秀音楽映画賞など、世界の映画祭で30冠以上を獲得、ドキュメンタリー映画としては異例の全世界興行収入約28億円となる大ヒットを記録している本作。映画には、ブルーノ・マーズや数々のアーティストをプロデュースしているマーク・ロンソン、レディー・ガガとの共演が記憶に新しい大御所シンガー、トニー・ベネット等が出演。華々しいスポットライトを浴びる一方、普通の女の子として大切な恋人や家族と過ごす姿や、世界が熱狂した彼女のこれまでメディアに見せる事の無かった、誰も知らない姿を映し出している。
本作の字幕監修を務めたピーター・バラカンは、今回の監修に至った経緯について、「僕が映画の字幕を監修するのは今回で3回目なんです。今回の映画の字幕は、翻訳の石田泰子さんが大部分を担当されているんですが、イギリス映画でスラングが出てくると、やはりイギリス人にしか本来の意味や意図がわからない部分があるんですよね。僕はその分かりづらい点を部分的に確認する作業を担当しました」と説明。
また、「最近は音楽ドキュメンタリーの劇場上映が特に多いと思いますが、本作はその中でも本当によくできた映画だと思います。特に音楽関係のドキュメンタリーとして傑作です。僕は4回見ました」と本作を絶賛、そして「彼女(エイミー・ワインハウス)の人生は、シェイクスピアの悲劇のように、とてもドラマチックだと感じました。いろんなことが凝縮されているんです」と魅力を語った。
トークショーでは、二人が好きなエイミーの楽曲を紹介、レイチェル・チャンは『Back To Black』を選び、「Blackという言葉がいろんな意味に捉えられる様に感じます。歌詞の中に、“何百回も自分が心の中で死んでいる”、“渇ききるほど何回も泣きつくしている”とあるんですが、彼女の瞳を本作で観てみると、涙を流さず心で泣いてきたんだろうということがわかるんですね。小さい頃からいろんな事を経験して、積み重ねてきたからこそ、こんなストレートに歌詞を書けるんだなと、改めて思いました」と語った。
ピーターは印象的な曲として『Rehab』を選び、「当時友人に勧められて聞いたら吹っ飛びました!とんでもないレコードだと思いましたよ」と楽曲を絶賛。
最後に、お気に入りのシーンについて聞かれると、レイチェル・チャンは、後半の精神的にも体力的にもボロボロな状態のエイミーが音楽プロデューサーのサラーム・レミに伝言を残すシーンを挙げ、「最後まで歌い続けたいというメッセージがにじみ出ている」と熱く語った。ピーターは、「一言で言うのは難しいですね。僕は4回見ているんですけど、最後大きなスクリーンでちゃんとした音響で見たときに、全然違う映画に見えてずっと最初から最後まで釘づけになっていました。」と魅力を語った。
映画『AMY エイミー』は7月16日(土)より角川シネマ新宿、角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国公開
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記事提供:AOL News