インタビュー/山田邦子
写真/佐々木コウ
──いよいよツアーが始まりますが、リハーサルなど、現在はどんな状況ですか?
まだ構想中ですけど、明日からスタジオに入って、ちょっとずつ準備をしていく感じです。
──弾き語りの場合の準備はどんな感じで進めていくんですか?
それがね、どうしてたっけな?って感じなんですよ(笑)。弾き語りだと、ひとりだからリハーサルといっても練習って感じでもないんで。昔の曲とか思い出しながらチラチラやってみたり、これはサンプラー使ってみようかなとか、リズムマシーンと一緒にやろうかなとか、どのギター使おうかなとか、そういう仕込みをやってく感じなんですよ。本当はね、ツアーに向けて走り込んだりした方がいいんでしょうけど(笑)
──セットリストに関しては?
ちゃんと決めるのか、だいたい大まかにこの辺をやろうっていうのを挙げて日替わりでやるのかもまだ決めてないんですよね。バンドの時も、あまりかっちり決めずに「このくらいで、あとは本番で」ってパターンもあったりするんですけど、弾き語りはほとんどそうなんで、練習のしようがないっていうか。コード進行ぐらいを再確認しておくって感じの作業なんです。でも寂しいんですよね。ひとりでやってても全然盛り上がんないし(笑)
バンドアレンジするのも大好きだけど、弾き語りは原点だし、ひとりでもやれないとなっていうのはどっかにずっとあるんです。
──そうですね(笑)。今回は4年半ぶりの弾き語りツアーになるわけですが、いつもどういうタイミングで企画が持ち上がるんですか?
単純に、4〜5年周期でやりたくなる感じなんですよね。バンドとのツアーの時も2〜3曲は弾き語りのコーナー的なものがあるんですけど、弾き語りは、もともとデビュー前にひとりでやってたっていう<原点>でもあるんですね。バンドアレンジするのも大好きだけど、やっぱりギター1本で成立している曲が好きだし、ひとりでもやれないとなっていうのはどっかにずっとあるんです。
──和義さんの弾き語りといえば、「十二月」のシリーズがありますよね。今回は5月スタートですが、何か棲み分けがあるんですか?
いや、本当は12月近辺の方がわかりやすくていいかなと思ってたんですけど、そのあたりは別のスケジュールが入りそうなこともあって、この時期になりました。12月にこだわらずやりますかということで。
──「十二月」と題された弾き語りライブの初回は98年でしたが、そもそもシリーズ化して続けていこうというお気持ちだったんですか?
はい。デビューして5年目ぐらいに、やっぱり久々に弾き語りやらなきゃなと思ってやったのがあの東京と大阪の弾き語りだったんですけど、たまたまそれが12月だったんでそのまま「十二月」ってタイトルにしたんですね。で、なるべくこんな感じでたまにやっていきたいなというのは思ってました。
──今回のツアータイトルには「雨に歌えば」とありますが、こちらについては?
とりあえず晴れ男でツアー中は晴れることが多いですけど、さすがに梅雨時ですし、雨も降るでしょうから、最初に言い訳しておこうかなと思いまして(笑)
──(笑)。今回は、これまでの弾き語りツアーの中でも最多となる全国21都市23公演。かなり細かく回られるようですね。
そうですね。やっぱりツアーが好きだし、音出してる方が楽しいんで。ただ弾き語りだと、お客さんが見るところは俺しかないじゃないですか。バンドだといろんなところに目がいってるはずなんですけど、あの弾き語りの時の、全員が見てる感じがね、「そんなに見んじゃねぇ」って思ったりもするんですよね(笑)。「少しは気ぃ抜かして」って(笑)
──(笑)。でも視線だけじゃなく、耳もより集中するのが弾き語りかなと。
緊張感はありますよね。バンドでやってるとある程度負担も少ないというか、間違えても人のせいに出来たりしますけど(笑)、そういうのも出来ないですからね。